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『洞窟物語』から9年、開発室Pixelの新作アクション『Gero Blaster』制作へのこだわりとは(インタビューあり)
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『洞窟物語』から9年、開発室Pixelの新作アクション『Gero Blaster』制作へのこだわりとは(インタビューあり)

2013-04-15 21:07
    ゲロブラスターインタビュー1


    やはり音楽には力がある、そう思いました。

    フリーゲーム『洞窟物語』を制作した開発室Pixelが、新たにiPhone向けゲームを発表しました。タイトルは『Gero Blaster』、レトロなビジュアルが印象的な2Dアクションです。『洞窟物語』をご存知の方にとっては同作を思い出させる懐かしいドットテイストのグラフィックですね。

    今回、『Gero Blaster』の発表にあたって開発室Pixelの天谷大輔さんにメールにてインタビューをすることができました。ゲーム製作についてのこだわりや、『Gero Blaster』開発のいきさつなど、興味深い内容となっているのでぜひ以下よりご覧下さい!
     


    【大きな画像や動画はこちら】

     

    ーー 『Gero Blaster』というゲームについて、制作のいきさつなどを教えてください。

    天谷大輔さん(以下:天谷):洞窟物語の商品化の成功をきっかけに、ゲーム作りを仕事にするために11年勤めた会社を辞めました。

    洞窟物語はアメリカのNicalisと言う会社にて移植と販売を行いましたが、個人で作ったゲームを販売するインフラが整ったことで、iPhoneでのゲームリリースを目指して頑張っています。

    作り始めてからもう2年半以上開発を続けていますが、iPhoneと言う特殊なタッチインターフェースに戸惑いながら何度か作り変えている中で、現状ではカエルを主人公にした『Gero Blaster』となっています。



    ゲロブラスターインタビュー2


    ーートレーラーから『洞窟物語』同様にレトロな世界観を感じましたが、レトロさを演出する際気を付けている事はありますか?

    天谷さん:僕がレトロスタイルを堅持している理由の1つは、限られた表現の範囲でなら、個人でも十分にクオリティを上げることができると思っているからです。プレイヤーは表現されてない部分を各自で補完することができるので、必要以上に描き込まない作り込まない、けれど要点は押さえるように心がけています。




    ーーなぜタイトル(と主人公)が蛙なんでしょうか?

    天谷さん:今回の主人公は、僕が学生の頃に凄くくだらないマンガを少し描いたことがあって、それに登場したカエルのキャラクターを使うことにしました。その理由は僕がこのキャラクターを大事にしていて、色んな苦労のあるゲーム制作の中でモチベーションが維持できると思ったからです。

    ーー『洞窟物語』はサウンド面も高く評価されていますが、ゲームにおいての音楽(BGM、SE)はどういった役割があると思いますか?

    天谷さんビジュアル以上に重要な役割を持っています。音が入れば明るいビジュアルもたちまち暗いシーンになるし。シャボン玉が割れるのも、音を変えるだけでそれはガラスに成りさえします。今回残念なのは、iPhoneだと音を切ってプレイされることが多いと言う事ですね。



    ゲロブラスターインタビュー3


    ーー前作『洞窟物語』の反響について、どう思われますか?

    天谷さん:フリーソフトとして沢山の人に喜ばれるのは想定していましたが、英語化され、家庭用ゲーム機で遊べるようになるのは想像を超えていました。そしてそれをきっかけに自分が独立することも想定していませんでした。僕の人生の上ではすごく大きな出来事です。



    ゲロブラスターインタビュー4


    ーー最後にKotaku JAPANの読者へ一言お願いします

    天谷さん:アクションゲーム『Gero Blaster』今も完成に向けて制作を進めています。完成したらどうか遊んでやってください。よろしくおねがいします。


    限られた表現の範囲でなら、個人でも十分にクオリティを上げることができる」。

    この一言は僕にとって非常に印象的でした。開発室Pixel独特のノスタルジーともレトロともいえる、あの世界観の理由はここにあるわけですね。音楽やイラスト、動画などの制作ツールが溢れる昨今、個人で創作できる表現の幅は増え続けています。

    そこをあえて絞ることでクオリティを上げる。狭く深く、というわけではありませんが、この考え方は多くの作品にあてはめることができるのではないか(水墨っぽい表現の『大神』や、チップチューンのサウンドなど)? と思いました。

    そして、お話を伺うにあたってどうしても聞いておきたかった事がありました。それはゲームにおいての音楽へのこだわりです。『洞窟物語』はゲームシステムやグっとくるストーリーも魅力的ですが、それ以上に僕を惹きつけたのは音楽です。これについて天谷さんは「ビジュアル以上に重要な役割を持っています」と仰っています。やはり、音楽への並々ならぬアプローチがゲームへと反映されているのですね。

    ちなみに、開発室Pixelは独自のミュージックエディタ「ピストンコラージュ」を開発・提供しています。midi音源だと再生環境に左右されてしまうので独自開発したとのことですが、ここからも音楽に対するこだわりを感じる事ができますね。『Gero Blaster』をプレイするときはサウンドONで楽しみましょう。

    2年半の開発を経た『Gero Blaster』、リリースは2013年の5月頃が予定されています。『洞窟物語』プレイヤーにとっては久しぶりとなるあのアクション感ですが、早くプレイしてみたいですね! 開発室Pixelならびに天谷さん、貴重なお話ありがとうございました!


    Studio Pixel

    (ヤマダユウス型)

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    RSSブログ情報:http://www.kotaku.jp/2013/04/9pixelgero_blaster.html
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