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【クリスマスコラム】恋愛上級者向け クリスマスイブに恋人と一緒に見るべき東映特撮SF映画3選
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【クリスマスコラム】恋愛上級者向け クリスマスイブに恋人と一緒に見るべき東映特撮SF映画3選

2012-12-21 20:31
    恋愛上級者向け クリスマスイブに恋人と一緒に見るべき東映特撮SF映画3選


    そんなカップルは嫌だ!

    クリスマス・イブを恋人と過ごす、そう、しゃれたレストランでディナーをとって、ホテルのバーでちょっと飲んだあとにスイートルームへ......なんていう絵に描いたような段取りを踏む奴は素人! アマチュア! 恋愛三等兵! プライベート・ライアン以下のお前らのことなどトム・ハンクスでさえも見捨てるだろうさ!

    真の恋愛上級者、ラブマスターならば、そんな安易な方法なんて選ばないはず。もっと難度の高い、下手すればその場で振られてもおかしくない危険なイブの過ごし方を「敢えて」選び、そして完璧に、否パー壁にそれを恋人と楽しみ、しかるのちメイクラブもあわてんぼうのサンタクロースになることなくパーフェクトにこなすはず......。

    そんな確信のもと、今回私が読者の皆様にプレゼンする「上級者向けイブの過ごし方」は、おうちで映画を三本見ること。まあ変にかっこつけないでアットホームに楽しむのもアリかもな、付き合って二年目とかそれくらいなら......と思ったあなた、覚悟が足りん! いいか、俺は心温まるラブストーリーなぞセレクトしないからな! 『クリスマス・キャロル』もなしだ! 歯を食いしばれ!

    そしてきっと筋肉と暴力に満ちあふれたクリスマスおすすめ映画は傭兵ペンギン氏が、血肉飛び散るクリスマスおすすめ映画は中川真知子氏がレコメンするだろうから、こっちはSFと特撮とストレンジな雰囲気に満ちあふれた映画をセレクトしてやった! しかもYouTubeで無料視聴できる! 年の瀬の財布にも優しい! もちろん違法アップロードなんかじゃなく公式配信だ!

    詳細は以下でご覧ください(急にいつもの調子に戻る)。
     

     
    とりあえず勢いだけつけてみましたが、つまり東映特撮 YouTube Officialのお話です。この公式チャンネルではスーパー戦隊や仮面ライダーの過去作品が無料配信されているということを以前もお伝えしましたが、実はテレビ番組だけではなく劇場公開映画も配信されています。

    特撮映画というとゴジラシリーズの「東宝」、あるいはガメラ・大魔神シリーズの「大映」というイメージがあるかもしれませんが、その他の邦画大手ももちろん制作しています。とはいえ、松竹には『宇宙大怪獣ギララ』日活には『大巨獣ガッパ』などの知る人ぞ知る名作があるのに比べ、東映にはいわゆる王道の「怪獣映画」はありません。しかし特撮を駆使したスペクタクル時代劇やSF映画はいくつも制作されており、それらは他社の特撮映画とは違った独特の魅力を持っているのです。

    というわけで、東映特撮 YouTube Officialで現在配信中の作品から3本をご紹介。どれもクリスマスとはまったく関係ありませんが、これをイブの夜にふたりで見るというのはたぶんどんな雑誌にも載っていない(そりゃそうだ......)唯一無二のクリスマスの過ごし方。すでにあらゆるクリスマスイベントを制覇しているはずの恋愛上級者カップルならば、モノより思い出記録よりも記憶に残るクリスマスになるはずです。きっと。


    『ガンマー第3号 宇宙大作戦』


    突如発見された遊星フローラ。観測の結果、フローラは地球へ衝突する軌跡を描いていることが判明した。宇宙ステーション・ガンマー第三号はフローラ爆破作戦を決行、みごと成功させるが、ステーションに戻った宇宙船に謎の生物が......。電気エネルギーを吸収して急速に成長する生物に、ガンマー第三号はパニックに陥る!

    本作は1968年に公開されたSF映画です。宇宙でモンスターに襲われた人類が決死の戦いを挑むという王道的な物語ですが、異色なのは、東映制作、スタッフは日本人、撮影も日本で行われたにもかかわらず、海外市場を意識してか出演者が全員外国人という点(台詞はすべて日本語吹き替えになっています)。

    深作欣二監督田口勝彦監督の共同監督作品なのですが、深作監督の職人的な落ち着いた演出と田口監督の特撮TV番組の経験を生かした演出が合わさり、前述のとおりキャストがすべて外国人ということもあって、往年のハリウッド製SFホラー映画の雰囲気があります。子供が叫んでいるような独特な声で鳴く一つ目タコ型モンスターもなかなかキュート。

    クリスマスの夜に、ちょっとだらけた感じでカウチに座ってハリウッドクラシックのB級ホラー映画をテレビで見る(部屋の明かりは消して、テレビからの光だけ)みたいなのって、付き合いの長いカップルならけっこうアリだと思いますが、いかがでしょう。1本目としてはなかなか悪くないんじゃないかな?


    『宇宙からのメッセージ』


    悪くないんじゃないかな? と言った舌の根も乾かぬうちにアレですが、ここからけっこうクリスマス的にはつらくなりますよ!

    1977年に公開された『スター・ウォーズ』は、ご存知のとおりアメリカで大ヒットを飛ばしました。しかし、日本公開はその一年後、78年と決定。日本では海外からの「とにかくすごい!」「これからはSF映画の時代だ!」という評判と小出しにされる作品情報が逆にブームを煽り、まだ見ぬ『スター・ウォーズ』に胸を膨らませるファンの熱気に包まれることとなります。

    この期を逃す手はない! と制作されたのが本作。78年夏の『スター・ウォーズ』公開前、ゴールデンウィークの時期に公開するという、まさに「映画屋」的な山師っぽさに満ちた企画でした。内容的には「和製スター・ウォーズ」を目指して『里見八犬伝』をベースにしたところまではいいものの、できあがってみれば凄絶なコレジャナイ感といいますか、当時の東映作品的な泥臭さ、時代劇と任侠ものの雰囲気に満ちた不思議映画になってしまった......という感じです。

    なんと言っても出てくるのが宇宙暴走族やそれを取り締まる宇宙パトロール(宇宙空間でパトランプ回します)、宇宙暴走族から借金を取り立てる宇宙ヤクザ(関西弁)時代劇そのものの台詞をしゃべる悪の銀河皇帝や追放された銀河王子、そして宇宙船は帆船型です。

    こちらも深作欣二監督の作品なのですが、職人的にそつなくまとめた感のある『ガンマー第三号』に比べ、こちらは完全に開き直って好きにやってる感があります。キャストも千葉真一さんや若き日の真田広之さん志穂美悦子さんをはじめ、ジャパン・アクション・クラブ(JAC)出身者が多く、殺陣はキレキレでかっこいい! 成田三樹夫さん天本英世さん丹波哲郎さん小林稔侍さんなど、脇を固める名優たちの怪演&怪衣装も見逃せません。『スター・ウォーズ』を期待されると困りますが、実に楽しい映画であることは確かです! いや、クリスマス的にはどうよ、と問われると困りますが......。


    『恐竜・怪鳥の伝説』


    トリをかざるのはこの作品! 1977年公開、倉田準二監督作品です。この作品は『ジョーズ』(1975年公開)のヒット以降世界的にブームになった「動物パニック映画」(おっかない動物が人を襲って田舎町が大騒ぎ映画)の文脈で作られた怪獣映画となっています。

    自殺しようと樹海に入った女性が見つけた巨大な卵......そのニュースを知った主人公(世界中の珍しい鉱石を探す仕事をしている)は富士山麓に向かい調査を開始する。折しも富士五湖周辺では、原因不明の怪現象が多発していた。そしてとうとう犠牲者も......というお話で、タイトルからも予想できるかと思いますが、長い眠りから覚めたプレシオサウルス(首長竜)とランフォリンクス(翼竜)が人を襲っていた、という展開になります。

    主人公が危険を訴えるものの誰にも信じてもらえず、湖で遊んでいる若者たちが襲われる、という流れはまさに動物パニックものの定番。下半身を食いちぎられる犠牲者のシーンなど、ゴアとまではいきませんがショック描写もなかなか激しく、怪獣映画だと思って見ているとわりと驚きます(私は子供の頃に見て軽くトラウマになりました)。

    そんなもんイブの夜に見てどうしろっていうんだ! と思われるかもしれませんが、クライマックスでは唐突に爆発した富士山の火砕流から主人公と恋人が必死で逃げる場面に美しくエモーショナルな音楽がかぶさり、そしてどうなったのかわからないまま断ち切るようにエンド! というところが妙に心に残り、なんだか寂しいような、やるせないような、恋人のぬくもりが欲しくなるような気分になる......という気がしないでもありません。そうなれば、あとはメイクラブするだけですよ! これで万事解決! 綺麗にまとまった!


    いやまあ、私は男ですが、もしも彼女だったとして、彼氏から「イブは俺の家で過ごそうぜ」と誘われて、ふたりだけのホームパーティかなー小さな幸せ再確認的なアレかなーなんて期待して行ったところ、彼氏がMacBook持ち出してきて「じゃあ映画でも見ようぜーYouTubeの東映チャンネルで」とか言われたら、その場で別れを考える以前に深い悲しみに襲われて泣き崩れてしまいそうですが、まあそこらへんは恋愛上級者の腕の見せ所なんじゃないでしょうか(てきとう)。


    東映特撮 YouTube Official[YouTube]

    (マコ小林)

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    RSSブログ情報:http://www.kotaku.jp/2012/12/christmas_tokusatsu.html
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