ポーランド発のボードゲーム『コレイカ(Kolejka)』の日本語を含む他言語版の発売が発表されました。『コレイカ』は社会主義政権で配給を受けるために日常的に発生していた、行列=コレイカに並ぶということの「退屈さ」と「理不尽さ」を題材しているがため、「世界一退屈」と呼ばれることもあるボードゲームです。
一体どんなゲームなのか。パッケージなどの画像とともに詳細を以下にてご紹介いたします。
『コレイカ』は社会主義時代末期のポーランドの日常生活を描いたゲーム。プレイヤーの目的は、お店の前にできた行列に家族や知り合いを並ばせ、お買い物リストにのっている全ての商品を買うというもの。簡単に聞こえるかもしれませんが、このゲームの舞台は社会主義国家。そうは問屋...ではなくて、中央政府が卸さない! 商品は皆に行き渡るほど来るわけはないし、望みの品が店に届くかどうかもわからない! それでもプレイヤーは、店に家族や知り合いを並ばせて「赤ちゃんをつれた母親」や「密売品」などのスペシャルカードを駆使し、彼らを列の先の方まで無理やり進ませたり、裏取引をしながら、とにかく商品を手に入れなければならないのです。
このゲームに勝つ(=リストにのった商品全て買う)ためには、カードを上手に使う戦略的思考が必要。世界一退屈と言われていますが、結構面白そうなゲームですよね? このゲームの元になっているのは資本主義的なボードゲームである『モノポリー』なんだとか。そんなところからも皮肉を感じます。
このゲームを制作したのは、社会主義時代の犯罪調査を行っているポーランド政府の機関。このゲームは、社会主義時代を知らない若者にその「退屈」さと「理不尽さ」を伝えるために作られたんだとか。ゲームでは面白いかもしれないですが、実際そんな時代に生きるのは嫌ですよね。 このゲームには、そんな時代の歴史的背景を紹介した小冊子も付属するとのこと。ボードゲームを遊びながら、歴史を楽しく学べるってのは素晴らしい。ぜひ一度、このゲームを遊んで社会主義の時代を感じてみてはいかがでしょうか。
世界一退屈? 社会主義時代の「行列」が題材のボードゲーム『コレイカ』[Kotaku Japan]
君は社会主義経済を生き抜けるか?東欧のボードゲーム、日本語版発売へ[AFP]
Kolejka[Board Game Geek]
世界一退屈なゲーム"開発、共産主義の生活再現したその名も「行列」。[ナリナリドットコム]
(傭兵ペンギン)