民間研究機関のSRIインターナショナルが、アメリカの国防高等研究計画局DARPAとの共同により、秒速35センチメートルで動作するマイクロ・マシンを発表しました。
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SRIが特許を取得した反磁性マイクロ・マニピュレーション技術(Diamagnetic Micro Manipulation : DM3)を使用したマイクロ・ロボットは、電子基盤のように小さなものを製造するだけではなく、比較的大きな構造物を組み立てることも可能です。
高度に制御された作業工程は、まさに小さな工場。動画では、エフェクターと呼ばれる作業用の触手を備えたグルー・ロボットとの連携作業や、小さなカーボン・ロッドをトラス構造のように組み上げていく作業の様子などが映し出されています。
なお、動画の再生速度には一切の加工は加えられておらず、すべてはリアルタイムに撮影されています。個人的には、そこがいちばん衝撃的な要素でした。
統率された動きを見せるロボットは、映像では最大73個のロボットがいっせいに動き回っており、その動きは19動作/1秒、集団では1386動作/1秒という挙動を示すのだそうです。
直角の壁を這い、立体的に曲げられたサーキットを自在に走り回るロボットの様子は、まさに「虫」そのもの。こうした近代的な工業機械はデカイならデカイで存在感ありますが、小さすぎると違う意味の想像力を刺激しますね。
この磁気制御マイクロ・ロボットは、DARPAのオープン・マニュファクチャリング・プログラムによる資金提供を利用して開発されたものなのだそう。DARPAが提供するものですから、もちろん軍需的な転用も想定内のことだと思われます。
なお、DM3技術はオープンソースとなっており、大学などの研究者のためのプラットフォームとして利用することができるようになっているそうです。
興味のある方は、詳細についてSRI Internationalをご参照ください。
Magnetically Actuated Micro-Robots for Advanced Manipulation Applications [YouTube]
Micro-Factories for Smart Manufacturing [SRI International]
(キネコ)
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