これまでにも映画に登場したアメコミキャラの原作コミックでの設定を何度か紹介してきましたが、今回はついに単独映画化が決定し、日本のアニメにも登場した、何かと話題なマーベルのアメコミ・ヒーロー(?)、『デッドプール』に迫ります!
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首が折れても大丈夫
デッドプール(本名:ウェイド・ウィルソン)は、驚異的な戦闘能力および再生能力を持つ傭兵。金次第で動くので、ヒーローというよりはアンチヒーローくらいの立ち位置です。
ウェイド・ウィルソンは元々凄腕の傭兵だったものの、末期ガンを治療するためにカナダの超人兵計画「ウェポンX」に参加。そこでウルヴァリンのヒーリング・ファクターを移植されますが、脳細胞も直ぐに回復するようになってしまい、精神が不安定に......。加えてガン細胞も回復し続け、容姿が醜く変貌してしまいます。
マスクの下はグロい
その後、作戦中に仲間を殺したために計画から外され、失敗作のヒーローが集められる施設で酷い実験を受けますが、そこを脱出。そして、施設で行われていた「次死ぬ被験体は誰か」という賭けから名前を取り、「デッドプール」として傭兵活動を再開する......という、かなりかわいそうな奴!
時にして冷酷なサイコパスですが、無駄口やギャグが止まらない狂気のコメディリリーフ的存在として、多く描かれています。例のコスプレイヤーさんが各種会場で大暴れするのも、そのキャラ表現なのでしょう。
また、デッドプールは「第4の壁」を破壊する能力を持っているため、ナレーションや作者、読者に平気で話しかけ、メタ発言を連発。しかし、それらは他のキャラからは単純に妄想によるものとして片付けられています。
ケーブル
そんなキャラではありますが、『X-MEN』のサイクロプスの未来からやってきた息子ケーブルとは親交が深く(デッドプールは初登場時、彼を殺しに来た暗殺者)、コンビを組むシリーズもあったほど。
他にも、X-MENに入りたがったり(拒否されて事件を起こす)、コスチュームが似ていることがネタになるスパイダーマンを一方的に友達扱いしたりなど、迷惑な絡み方もしています。
また、前述の酷い実験を受けていた時期に死の女神デスと恋愛に近い関係となり、彼女に片思いしてる狂えるタイタン人のサノスに嫉妬された結果、不死の呪いかけられ、回復能力と相まって何をされても死なない上にすぐ回復するキャラとなっています。
ちなみに、バットマンのゲームやドラマ『ARROW』に触れたことがある方はお気づきかもしれませんが、デッドプールは元々DCコミックスの傭兵デスストローク(本名:スレイド・ウィルソン)のオマージュとして生み出されたキャラクターです。
オマージュとして生み出されたにもかかわらず、1991年の初登場から2年後には個人誌が始まり、人気はどんどん上昇。そして、X-MENやマーベル関連のゲームにも参戦し、ついには彼を主人公としたゲームも発売される人気っぷり。日本だと『マーヴルvsカプコン3』で彼を知ったという人もいるのではないでしょうか?
一方、映画では『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』に登場。最初はお喋りな傭兵だったものの、改造を受けて様々なミュータントのパワーを移植された全裸キャラという姿で登場したため、ファンからはかなり不評でした。
変身後を演じたのは「次世代型ヴァン・ダム」スコット・アドキンスだったんですけどね......。
そんな紆余曲折はあったものの、デッドプールのスピンオフ映画化の計画が先日ついに始動。最近まで大きな動きがなく、公開が危ぶまれていましたが、前述の映画で変身前を演じたライアン・レイノルズが声を当てたテストのCG動画が流出し、大きな話題となりました(後に公式公開)。
かなり好評だったこともあり、2016年2月の公開が正式に決定しています。
デッドプールを演じるのは確定ではないものの、ライアン・レイノルズ説が濃厚。『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』、『グリーンランタン』、『R.I.P.D.』などのアメコミ映画では、思うような結果を残せていませんが、CG動画を見る限りではかなり期待できそうなので、今度こそ大ヒットしてほしい!
さらに、デッドプールは『アベンジャーズ』を主人公にした日本のアニメ『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』第27話にも登場。コミック同様のメタ発言を連発しながら大暴れしました。見逃した人はネット配信版でチェック!
また、去年話題となった『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』に続き、デッドプールの邦訳版、『デッドプール:スーサイド・キングス』も先日ShoProBooksから発売されています。
汚名を着せられたデッドプールがパニッシャーに追われながら、スパイダーマンやデアデビルと協力し、大暴れする読み切り作品。デッドプールが気になる人にまずオススメの一冊です。
そして、ヴィレッジブックスからは『デッドプール/パニシャー・キルズ・マーベル・ユニバース』も発売中。来年1月にはShoProBooksから『デッドプール:デッド・ヘッドリ・デンプション(仮題)』も刊行予定と、邦訳アメコミでもデッドプールは大人気です。
とにかく、アメコミでも映画でもこれからの活躍が楽しみですね! がんばれデッドプール! がんばれライアン・レイノルズ!
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(傭兵ペンギン)
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