21世紀の那須与一かロビン・フッドか?
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テレビゲームでは『トゥームレイダー』のララや『アサシンクリードIII』のコナー、映画では『ハンガー・ゲーム』のカットニス、『アベンジャーズ』のホークアイ、さらに『アロー』のオリバー・クイーンといったキャラクターが使う武器、弓矢。
かつてはランボー先生に、どの弓矢が最強なのか、教えてもらったこともありましたが、創作の世界だけでなく、現実でも弓矢は頼りになる武器です。
それを証明するデンマークのアーチャー、ラーズ・アンダーセンさんは、拳銃やスポーツに取って代わられ、失われてしまった、アーチェリーの技術を取り戻そうとする達人。跳んだり走ったり、敵が放った矢を迎撃したりという、様々な神技を持っています。
「Deadspin」で紹介されていたこの動画。普通の弓矢使いが射るより2倍も速く射ることができるアンダーセンさんは、弓矢に関するいくつもの記録保持者でもあります。
5000年前の古来シリア文明ですでに使われていたと記される弓矢。現在に至るまでにその技術が衰退したのは、矢筒を背負っての活動が非常に不便であるからと、アーチェリー競技がその場に静止したまま得点を競うものになってしまったからなのだそうです。
そして、普通は片目で狙いを定めるため、(一般的に右利きの人は)左手で握った弓の左側に矢をつがえるのが当たり前でしたが、これだと動作がもたついてしまいます。
しかし古代の文献などを見て発見したのは、名手はだいたい左手の右側に矢をつがえるようにしているとのこと。これを真似てからは速射に加えて装填も早くなる利点が生まれたのだとか。
矢を射るのは弓の右側からだった
アンダーセンさんは最近のメディアではなく、古い文献からアーチェリーの技術を学び、かつてのアーチャーたちがたとえばボールを投げるかのように、もっと単純かつ自然に弓矢を扱っていたことが判明してきたと言います。
自然な投球モーションと同じように
アンダーセンさんは、昔の弓矢の達人は両利きで矢を放つことができた、そして名手は動きながらでも鋭い刃に射ることが可能だったという記述を見つけ、それも実際にできるようになっています。
ナイフのド真ん中でふたつに裂ける矢
伝説として語られる達人たちは、戦場に刺さっている矢を再利用していました。それは壁面でも天井でも、サっと抜いて次の瞬間にはシュパっと敵めがけて射る動作が伴い、あまつさえ敵が射った矢を素手で掴んで射り返す技術も習得していたそうです。
良い子は真似しないように
昔の弓矢使いは長距離での戦闘にのみ向いていたと思われがちですが、当然遠い敵にも有効であると同時に、テーブルの反対側程度に近い敵にも問題なく対処できたそうです。
矢筒から先に何本か抜いておき、右手ですぐ射られる長さに保持しながら次々に射る方法もあります。アンダーセンさんは、余分な矢の持ち方を6通り習得しており、どのような状況でも速射&連射ができる技術を身に付けました。そうすれば、逆さまになっても、走っていても、射ることが可能です。
予備の持ち方は6通りも
身体を護るチェイン・メイルですら貫く矢は、弓と弦(つる)を引く両腕の力加減によってもコントロールされます。現代式であれば右腕を後ろに引くだけですが、昔の達人は同時に左腕を前方に押し出して強力な矢を放っていたそうです。
両腕を開いて射った後はこうなる
昔の名手たちは右手に3本の矢を持って1.5秒に1本の間隔で連射していたそうですが、達人はそれ以上の本数を持ち、超速で連射することが出来たと言います。どちらも極めたアンダーセンさんが10本の矢を放ち、ジャンプしながら3本を射る間隔はたったの0.6秒。
1938年の映画『ロビンフッドの冒険』では、的に刺さった矢にまた矢を射って、真っ二つに割るシーンがでてきました。かつてはこれが究極の技だと言われていましたが...アンダーセンさんはその次元を飛び越え、自分に向かってきた矢へ振り返りざまに反撃し、空中を飛んでいる矢を真っ二つにすることもできます。
究極どころか神の領域としか言いようのないラーズ・アンダーセンさん。ここまで辿り着くには、我々には想像し得ない猛練習があったのだと思われます。今回の動画で「弓矢マジ最強!」と感じたのではないでしょうか?
This Glorious Goober Will Blow Your Mind With His Sick Archery Skills[Deadspin]
(岡本玄介)
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