ベスト第二次世界大戦映画13選


世界を二分した第二次世界大戦。戦争は恐ろしく愚かで悲しいことですが、この日本を含め、多大なる死者を出したこの大戦は、フィルムメーカーを惹きつけ、多くの第二次世界大戦映画が作られました。


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もちろん駄作もありますが、中には戦争の悲惨さを明確に伝えたり、また面白おかしく描きながらも戦争の重苦しさはしっかり捉えていたりと素晴らしい作品はあります。そこで今回は、第二次世界大戦映画13選をご紹介。


■『空軍大戦略』


第二次世界大戦中のバトル・オブ・ブリテンを題材にしている作品。『スター・ウォーズ』のスターファイターシーンが好きな人にはヨダレ物です。

また、多くの飛行機が当時のままの姿で登場しているのもポイント。イギリス側の戦闘機スピットファイア、ハリケーン、ドイツ側の戦闘機メッサーシュミットBf109にハインケルHe111といった機体が、画面を所狭しと飛び回る姿は一見の価値ありです。


■『遠すぎた橋』


1970年代の超大物俳優が大集合した作品。ロバート・レッドフォードを筆頭に、ショーン・コネリー、アンソニー・ホプキンス、ジーン・ハックマン、マイケル・ケイン...と、『エクスペンダブルズ』シリーズもビックリのビッグネームが集まっています。

本作はノルマンディー上陸作戦後に立案され、連合軍の最も無謀で悲劇的な失敗「マーケット・ガーデン作戦」に焦点が当てられています。落下傘兵の降下シーンは迫力満点です。『コール・オブ・デューティー2』にも大きな影響を与えている映画としても知られています。


■『トラ・トラ・トラ!』


『パール・ハーバー』で日本人の描かれ方に不満を持った方に見てほしいのが、日米の視点をニュートラルに描いた本作。墜落していくシーンでは数人のスタントマンを殺しかけたなんていう逸話もあるなど、ドッグファイトも必見です。

本作が成功した(アメリカでは興行成績的にそこまでヒットしたわけではありませんが、日本では大ヒット)のは、アメリカと日本のプロダクションが共同で製作したからだと考えられます。どちらか一方の視点だけで描かれているわけでない、無駄にドラマティックな演出が加えられていない、といった点が今なお高い評価を得ている理由でしょう。


■『史上最大の作戦』


『プライベート・ライアン』が公開される前は、本作が「D-デイ(ノルマンディー上陸作戦の決行日である1944年6月6日を意味する)」映画の代表でした(もちろん、本作が『プライベート・ライアン』に劣るというわけではありません)。

36億円という巨額の制作費と主役級を集めた超豪華キャスト、連合軍視点だけに偏らず、ドイツ軍の視点でも描かれており、スケールが大きく娯楽性も高い、とても丁寧に作られている作品です。


■『戦場のピアニスト』


ナチスのユダヤ人虐殺を取り扱った映画は複数ありますが(特に有名なのは『シンドラーのリスト』と『ライフ・イズ・ビューティフル』)、一味変わったアプローチをとっているのが本作。

エイドリアン・ブロディが、実在するユダヤ人ピアニストでるウワディスワフ・シュピルマンの直面した想像を絶する苦労を熱演。盛り上がりがあまりないので、起承転結を求める人向けではないかもしれませんが、「戦争」とは何か、またユダヤ人虐殺がどのようなものだったのかを知りたい人は、絶対に押さえておきたい作品です。


■『イングロリアス・バスターズ』


第二次世界大戦が舞台だからといって、全てが事実に基づいて構成される必要はありません。2009年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督による本作は、「ユダヤ・ハンター」によって家族を皆殺しにされた少女が、成長して映画館主になり、その映画館を舞台にナチスに復讐しようとするお話。

また、少女の復讐と平行して、ユダヤ系アメリカ人を中心とした極秘部隊「イングロリアス・バスターズ」がナチスを虐殺した上に頭皮を剥ぎ取る、身も凍るような行いでドイツ軍を震え上がらせていた――という全体的にコミックのようなストーリーが展開されます。

戦争映画は得てして痛々しいものですが、本作にはグロ系耐性はあった方がいいと思われる描写があるため、いい作品ではありますが、その点においては見る人を選ぶかもしれません。


■『戦場にかける橋』


日本軍の捕虜となったイギリス軍兵士に強制的に橋を建設させようとする日本軍と抵抗するイギリス軍兵士、そして脱走し、完成した橋を爆破する任務を任されたイギリス軍の二等兵を描いた作品。

厳しい環境、その中で芽生えた日本人とイギリス人の友情、最悪の最後...。ストーリーもグッときますが、『スター・ウォーズ』旧三部作のオビワン・ケノービ役でおなじみ、アレック・ギネスの演じるイギリス軍大佐が素晴らしいので、一見の価値ありです。


■『スターリングラード』(1993年)


スターリングラードを題材にした作品は、映画にドキュメンタリーと多数ありますが、北アフリカの戦線から無事に戻って避暑地でバカンスを楽しんでいたドイツ兵らが、スターリングラードへの出勤が命じられるという、ヨゼフ・フィルスマイアー監督が撮った1993年の本作ほど力強いものはないでしょう。

東部戦線での心身ともに冷え切るような恐ろしい体験は、決して見ていて楽しいとか爽やかといったことはありませんが、見ておきたい戦争映画の一つです。


■『U・ボート』


第二次世界大戦のドイツ潜水艦の様子を忠実に描くことを目指したヴォルフガング・ピーターソン監督の傑作。以前お伝えした「音響がすごい映画」でも紹介した通り、聴覚を集中させ、臨場感を感じてほしい作品です。


■『大脱走』


本作は真面目な戦争映画ではありません。60、70年代の大スター、スティーブ・マックイーンを含む脱走の常習犯捕虜たちが、集団でドイツ軍の作った「脱走不可能収容所」から脱走する様子をコミカルに描いた作品です。

まるでゲームを楽しむようなストーリーの流れですが、見終わった時にはこれが決してコメディ映画ではなく、戦争がテーマなのだと考えさせられます。


■『プライベート・ライアン』


第二次世界大戦映画のリストを作る場合にはずせない作品。本作ほど、第二次世界大戦を力強く暴力的に、そして直感的なホラーにとらえたものは無いかもしれません。


■『硫黄島からの手紙』


数年前、クリント・イーストウッドは第二次世界大戦を舞台とする映画を2本製作しました。日米双方の視点から描いた『父親への星条旗』と『硫黄島からの手紙』です。

『硫黄島からの手紙』は日本人視点で物語が進み、日本人の葛藤や悲しみといったものが、硫黄島で発見されたという地中に埋められていた戦士たちの書いた手紙を中心に、美しく、そして生々しく伝えられます。


■『火垂るの墓』


日本人なら誰もが見てボロボロ涙するであろう本作。あまりの悲しさに「見るのが辛い」という人も少なくありません。そんな本作は、米Kotakuの記者の心も揺さぶり、「戦争が起こって以来、これ以上に悲しく力強いストーリーがあったであろうか? いや、無い。幼い妹を守ろうとする少年が健気に懸命に生きる姿を描いた『火垂るの墓』は、こうやって文書にするために思い出そうとするだけで涙が出てくるほど」と大絶賛しています。


他にも、『シン・レッド・ライン』、『ナヴァロンの要塞』、『ヒトラー ~最期の12日間~』、『特攻大作戦』、『スターリングラード(2001年)』、『パットン大戦車軍団』、『最前線物語』といった作品も候補に挙がっていたようです。上のリストを全て見終わったら、こちらも手にとってみるといいかもしれません。


[via The Bests

中川真知子

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