Meow the Jewels


巨大なキラーロボットを思わせるヘビーなシンセとドラムで作られたトラックにのせて、警察による暴力、日増しに広がる格差などの社会問題に言及した強烈な政治的メッセージを発信する、Run the Jewels


【大きな画像や動画はこちら】

2013、14年と2年連続でアルバムを無料配信し、ヒップホップの世界を騒がせ続ける彼らが、9月26日に新アルバムをリリースしました。

今回の音源は『Pitchfork』や『Rolling Stone』など、様々な音楽メディアにアルバム・オブ・ザ・イヤーとして評価された、2014年の『RTJ2』の全曲を猫の鳴き声のサンプルのみでリミックスしたもの。タイトルも、猫の声を元のタイトルに無理やり挿入した『Meow the Jewels』となっています。



ニャーニャーゴロゴロだけをベースに作った素材で作り直しても、キラーロボットがネコ型キラーロボットに変形しているだけで、トラックは従来の勢いを保てているのではないでしょうか?

容赦なき怒りに満ちたラップとのミスマッチで、むしろ別の迫力が出ている気がしないでもない......。

猫の声だけでリミックスというのは、病院に行ったほうが良いレベルの熱が出ているときに思いつきそうなコンセプトですが、今回の音源の公開を多くのファンは1年も前から待っていました

もともと『RTJ2』公開前に冗談の予約特典として発表された猫リミックスですが、1人のファンが始めた署名活動も兼ねたクラウドファンディングの活動にRun the Jewels本人たちが快く応じ、ときどきVineなどでトラックの断片を公開しつつ、1年の月日を経てついに完成したという経緯があります。

1年も待ったんだよ! と前のめりに言ったら、友だちに心配そうな声で飲みに誘われそうですが、『Meow the Jewels』はRun the Jewelsの以前のリリースと同様、無料配信です。

YouTubeの公式チャンネルにて、Dan the Automator、Alchemist、Prince Paulなどの伝説的トラックメーカーが手がける曲が全て聴けます。また、公式ホームページでメールアドレスを入力すれば、320kbpsのmp3とライナーノーツのpdfも無料でダウンロード可能です。

何かとイカツイと思われがちなヒップホップですが、今回のRun the Jewelsの企画から溢れ出る「遊び心」もヒップホップには不可欠。この機会に、100%本気のおふざけヒップホップを体感してみてください。


El-P + Killer Mike = Run The Jewels
RunTheJewels[YouTube]

(初恋豆腐)

関連記事

RSS情報:http://www.kotaku.jp/2015/09/meow-the-jewels.html