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フランク・ミラーの最新作『ダークナイト3:ザ・マスター・レイス』
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フランク・ミラーの最新作『ダークナイト3:ザ・マスター・レイス』

2015-12-04 21:30
    DK3


    『300』や『シン・シティ』の作者であり、ドラマ『デアデビル』の原型となるシリーズも手がけた偉大なアメコミ作家フランク・ミラー

    そんな彼の代表作である『バットマン:ダークナイト・リターンズ』シリーズの第三弾『Dark Knight III:The Master Race』の第一号が、満を持してアメリカで先週発売となりました。
     


    【大きな画像や動画はこちら】

    DK1


    ■『ダークナイト・リターンズ』

    1986年に発売された『ダークナイト・リターンズ(DK1)』は、老齢のブルース・ウェインが再びバットマンとして復活し、街にはびこる悪党と立ち向かいながら腐敗した世界に新たな秩序をもたらさんと奮闘する物語です。


    ロビン

    バットマンの前に現れる自称ロビンの少女も主人公の一人


    『ウォッチメン』に並び称される傑作で、正史から外れた形で人気ヒーローの老後を描くという変化球な作品でもあります。

    しかし、冷戦期の世相を反映したシニカルで重厚なドラマと力強いアート、そして骨の髄までハードボイルドな老バットマンのモノローグが合わさり、フランク・ミラーの才能にただただ痺れる内容です。


    対決

    世紀の対決


    特に、老体に鞭打って街に平和を取り戻したバットマンと政府の犬と成り下がったスーパーマンの対決は凄まじく、そこで明かされるバットマンの作戦とその真意は衝撃的でした。

    クリストファー・ノーランの『ダークナイト』シリーズはもちろんですが、なんといっても今度公開される『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の元ネタと言っても過言ではない作品。

    ベン・アフレックのバットマンはまさに『DK1』のビジュアルそのまんまですが、予告編の映像を見る限り、コミックのシーンを再現するという意図すら感じ取れます。


    ストライクスアゲイン

    『ダークナイト・ストライクス・アゲイン』


    そして『DK1』から15年後の2001年に発売されたのが、『ダークナイト・ストライクス・アゲイン(DK2)』。バットマンが悪の政府に立ち向かうために囚われた仲間を集める中、死んだはずの男が現れ、壮絶な死闘を繰り広げるという物語。

    こちらは、アートはより大胆になったフランク・ミラーの筆に独特な彩色がなされ、前作より政治批判や皮肉が強く描かれるストーリーで、評価の割れる作品でした。色んな意味で衝撃的な内容といえるでしょう。

    個人的に、大事なものを人質に取られたヒーローが政府の言いなりになるというあたりは、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』で使われそうな気がする流れだと思っているのですが、果たしてどうなるか......。


    DK3

    『Dark Knight III: The Master Race』


    そして、そんな『DK2』から14年後の2015年に発売されたのが、『Dark Knight III:The Master Race』!

    これまではストーリーもアートもフランク・ミラーが担当していましたが、『DK3』の第一号ではアートは『バットマン&サン』など、近年多くのバットマン作品を手がけたアンディ・キューバートと『DK1』から続投する形で、フランク・ミラーの相棒のクラウス・ジャンセンが担当しています。

    ストーリーはフランク・ミラーに加え、『ジョーカー』などで知られるブライアン・アザゼロが参加。

    第一号を早速デジタル版で読んでみましたが、アートはクラウス・ジャンセンが参加しているということもあり、フランク・ミラー作品で見られたダイナミックさと美しいコマ割りが満載で、圧巻の仕上がりです。


    社会問題

    アメリカの社会問題に切り込む作品となるのか......?


    物語はバットマンが再び姿を消してから数年後が舞台で、冒頭から早速世相を反映したシーンがあり、壮大な展開を予感させながら、最後は続きが超気になる展開で、ぐっと引き込まれる内容となっています。

    またタイトルの『The Master Race(支配民族)』は一体どういう意味なのかはまだ不明。言葉としてはナチスが理想的で純粋な種族が世界を支配するべきというイデオロギーの中で使ったものですが、果たして本作の中ではどういった意味になるのでしょうか? なんとなく『DK2』でヒントが出されていた気もしますが......とにかく今後が気になります。


    アトム

    『Dark Knight Universe Presents: The Atom #1』


    そして、第一号には本作のサイドストーリー的な物語『Dark Knight Universe Presents: The Atom #1』も収録。こちらはアートにフランク・ミラーも参加しており、本編に負けない魅力的な内容となっています。

    最近ドラマ『アロー』でも活躍中の(でもそのキャラとはだいぶ違う)「アトム」が主人公の物語で、『DK2』に登場した「あるもの」のその後が描かれる作品です。本編とどれくらい絡んでいくのかも注目でしょう。

    Dark Knight III: The Master Race #1』は現在、国内では輸入アメコミ販売店で販売中。また、海外ではデジタル版の販売も行われています。

    全8話完結予定。ここはぜひ各号の刊行を追いながら、フランク・ミラーの新作の興奮を世界のファンと一緒にリアルタイムに楽しんでみてはいかがでしょうか。


    【お知らせ】ダークナイトリターンズ、ストライクスアゲインに続くフランク・ミラーのダークナイトシリーズ第三弾、マスターレイス第一話で当店のロゴ入り表紙入荷予定!https://t.co/4vSIG6bf7z 12月2日(水)店頭発売! pic.twitter.com/8oDkf0Hjpz

    — ブリスターコミックス (@BLISTER_comics) 2015, 11月 29
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    アメコミ&トイショップ『ブリスター』では、お店のロゴを組み込んだ「ショップ・ロゴ・バリアントカバー」を通常の半額近い480円というお手ごろな記念価格で販売中。通販でも購入可能とのことです。


    【土曜日の夜はライブストリーム】DK3開始記念!12/5(土)20半頃からチームアップ配信!キャプテンYさん@Captain_Yをゲストにお迎えしてダークナイトシリーズを振り返り展望するYouTubeライブストリームをお送りします!https://t.co/sBYsxoKtls

    — ブリスターコミックス (@BLISTER_comics) 2015, 12月 1
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    また、12月5日(土)の20時半頃からのブリスターの配信番組「チームアップ」では、『DK3』発売記念としてコミック『ダークナイト』シリーズの解説特番が放送されるそうなので、『DK3』の予習・復習をしておきたい方はチェックしてみてはいかがでしょうか。


    Dark Knight III:The Master Race (2015-) #1[Comixology](画像)
    Bruce Wayne (Earth-31)[DC Comics Dabatase](画像)
    Batman - Dark Knight Returns[DC Comics Dabatase](画像)
    The Dark Knight Strikes Again[Wikipedia](画像)
    First Look:Frank Miller's Dark Knight III Minicomic[DC Comics]
    【DK3×BLISTER comics】バットマン:ダークナイト3 マスター・レイスの#1でブリスターコミックスのロゴ入り表紙実現のお知らせ![BLISTER Magazine]
    ブリスターコミックス(@BLISTER_comics)[Twitter]

    傭兵ペンギン

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