先日、ファッションの専門家がゲームキャラのコスチュームの良し悪しを好き放題に採点していましたが、今回はコスプレイヤーさんたちが自分で作って着た上で、ゲームキャラの衣装の実用性を評価しています。
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新しい試みのファッション・チェックですが、実体験から辛口/甘口のどちらも出そろいました。
テレビゲーム内に登場するキャラクターたちは、個性的であっても現実的ではないデザインのコスチュームに身を包んでいることがあります。実際のところ、彼らの衣装はどこまで職業や冒険の理に適っているのでしょうか?
普段ゲームをプレイしていても、そんな疑問は持たないかもしれませんが、デザインには説得力があったほうがベターでしょう。
映画やテレビドラマ、それに演劇も、登場人物たちの衣装は理由があってコーディネートされています。それに対してゲームキャラたちは、理由のない奇抜さが目立つデザインの衣装が多い印象です。
そこで、まずはコスプレイヤーさんたちが「良い」と評価したコスチュームを7点ご紹介。採点は10点満点です。
■キャミィ/ストリートファイター』シリーズ
心配するほどハミィにならない
コスプレイヤー:Hayley Eliseさん
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ハイレグの食い込みのせいで、格闘中すごく苦労しそうな格好だと思われがちなキャミィですが、これは私が持っている中でも最も着心地が良いコスチュームの1つでした。
もちろん、ちょっと厚手のストッキングを先に履いて、望まないご開帳のリスクを軽減させるズルをしていたりはするのですが。
80年代のレオタードみたいなこのデザインには理由があり、とても動きやすいんです。それだけでなく、軍用スタイルのブーツは底が平面で動きやすく、分厚い靴下を履いているおかげで足の裏にマメができにくいのも良い点。
ただ1つ気になるのは、動きが制限されてしまうグローブです。とはいえ、もし一日中誰かを殴らないといけないとしたら、拳のパッドのおかげでこれは大いに役に立ちます。
スパンデックス繊維のタイツは、活動的なコスプレイヤーの大事な友だちです。私はこれでスパーリングだってしますからね。まるで何も履いていないかのように自然な履き心地なんです。
【実用性:9点】もし改良するとしたら、髪型ですね。こんなに重たくなくて、戦いの最中につかまりやすくないヘアスタイルに出来たらなと思います。
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■ダース・タロン/『スター・ウォーズ』
エピソード6から約130年後の世界の元ジェダイ
コスプレイヤー:Soylent Cosplayさん
必要最小限の素材で最大限の効果を生み出す1つの良い例が、このダース・タロン。布地の空きスペースが多いため、銀河的に機能性が優れているようにお見受けします。
Soylent Cosplayさんによると、この頭のパーツを被ると「肉体的な頭痛を免れない」とのこと。トゥイレック族のダース・タロンは、この重い頭のせいで、コスチュームを動きやすいデザインにする必要があったのかもしれません。
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驚いたことに、ダース・タロンの衣装は身動きを取るのが本当に簡単で、着心地の良いものでした(露出度が高いのはさておき)。なので、これを着ているとどれだけ楽に戦えるのかがわかるんです。
【実用性:9点】ダース・タロンの衣装にはポケットがありません。彼女は実際何も持ち運ぶ物がないんですけどね。動きの自由さには9点ですが、もしポケットをいくつか足せたら10点にしたいと思います。
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■ピーチ姫/『スーパーマリオブラザーズ』シリーズ
複雑なものはないピンクのロング・ドレス
コスプレイヤー:Hayley Eliseさん
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私は格闘はしませんが、ピーチ姫は私の保管庫の中で2番目に実用的なコスチュームです。クラシックでシンプル、そして着るのも簡単。重すぎず、身動きが制限されるデザインでもありません。
このスカートからして、ピーチ姫は赤い靴を履いていると思われがちですが、実は誰にも気付かれずどんな靴でも履けます。『マリオパーティ』でミニゲームをしてなさいって? バレないように運動靴を履くから大丈夫ですよ!
【実用性:8点】平均以上に、ファンシーすぎるイヴニング・ドレスなので。
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■キム・ポッシブル/『キム・ポッシブル』
かなり機能性重視なコスチューム
コスプレイヤー:Ardella Cosplayさん
お手軽かつ何のキャラクターなのかがすぐにわかるという点において優秀なのが、このキム・ポッシブル。
現代の世の中なら手に入りやすそうな、とっても普通の衣服でありながらも、コスプレとは無関係な場所でも(特にヘソ出しが)目立つコスチュームです。
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私が着た中でダントツに実用的だったのが、この『キム・ポッシブル』です。ベルトいっぱいにポーチが付いていて、足には履き心地の良いダンロップの靴もあります。
【実用性:8点】唯一危ないのは、ズリ落ちそうなズボンですね。彼女は90年代に作られたキャラクターで、当時は腰履きパンツが流行していました。
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■ゲイジ/『ボーダーランズ2』
腰の弁当箱が大容量
コスプレイヤー:Rose Cosplayさん
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私がこれまで作ってきたコスチュームで、ポケットやポーチがたくさん付いているデザインのものは、驚くほど機能的に着られました。中でも一番ラクチンかつ実用的だったのが『ボーダーランズ2』ゲイジです。
彼女のベルトにはお弁当箱が縛り付けてあります。しかもそれは、お財布に携帯電話、コスプレイヤー参加カード、リタッチ用メイク道具、カギ類にちょっとしたオヤツまで、全部入れても余裕があったほどの大きさです。
手持ちのバッグについて文句を言うこともなく、自分自身としてはうまく立ち回れた、ただ1つのコスチュームがこれ。それに靴も履き心地が良く、コスプレ界でも屈指の機動性に富んだ衣装でしょう。
【実用性:8.5点】
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■ワンダー・ウーマン/『ワンダー・ウーマン』
プロポーションに自信がないと難しいキャラでもあります
コスプレイヤー:Rae Johnstonさん
丈の長いパンツ・ルックとなった『ワンダー・ウーマン』は、ハイキック時にハミ出す心配からついに開放されました。
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このコスチュームは楽に着られます。でも、本当の実用性は彼女の耐久性ではなく、アーマー部分がすべて革製なことです。
制作はやや大変でしたが、私の身体にくっついているのでとても安全。それに、ブーツの脇には携帯電話がスッポリと収まるので、ちょっとした物をしまうのにも便利なんです。
【実用性:8.5点】コンベンションで長い一日を歩き回った後は、ハイヒールがちょっと足に痛いんですよね。
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■インディアナ・ジョーンズ博士/『インディ・ジョーンズ』シリーズ
革製品は高価ですが、そろえるだけの価値はある
コスプレイヤー:ANDREW SCOTTさん
古典冒険小説の主人公、アラン・クォーターメインおよび実在の探検家ハイラム・ビンガム3世、それにたくさんの考古学者などがモデルになっているというインディ。
ハットにムチ、レザージャケットに肩がけバッグといった普通のアイテムを合わせると、アッと言う間にコスプレが完成します。
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インディアナ・ジョーンズのコスチュームを着たまま、ド派手な大冒険に出掛けてみたいですね。それか、何かしらの考古学的な発掘作業とか。
【実用性:10点】メイクアップを入れなければ、ですけどね。
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続いては、コスプレイヤーさんたちが「悪い」と評価したコスチュームを7点ご紹介します。
■シヴァーナ/『リーグ・オブ・レジェンズ』
アーマーの制作が大変そう
コスプレイヤー:Hayley Eliseさん
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シヴァーナのコスチュームを着られることはラッキーだったのですが、着ているだけで身体にアザができてしまうこともありました。
(ツノと両手が巨大なせいで)アーマーの部品は身体にピッタリくっついていながらも、浮いているような状態です。これを克服するには、全身を覆うボディー・スーツにベルクロで合体させるしか手がありませんでした。
ヘルメットの後ろから伸びる、長い尻尾のパーツはみすぼらしいデザインですし、その他のアーマーに比べて物を破壊するのだってつかむのだって、さらにはちょっとした動きですら、とても不自由です。そんなにポニーテイルの守りを強固なものにしたいのか? というくらい上手く動けません。
この動画(2:32から)で私が走っている3秒が、一日の中で立っていられる限界だったほどです。
【実用性:3点】写真撮影で立ってほしいとお願いされる度に、腹を立てるキャラクターになってしまったので。
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■リアラ・ティッソーニ/『マスエフェクト3』
内ポケットを作れば良いのに......?
コスプレイヤー:Soylent Cosplayさん
コスプレイヤーさんたちがコスチュームを評価する時、靴やアイテムの収納場所といった実用性が重要視されます。リアラはその面で評価を落としてしまうのです。
彼女はとても履き心地の良い靴を身につけていますが、ポケットやポーチなどがないため評価が半減。『マスエフェクト』シリーズも3作目のキャラですが、コスプレイヤーさんたちのことはほとんど考えずにデザインされているようです(当たり前のことですし、そこを責めるわけではありませんが)。
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リアラは休みなく戦う場合においても、考古学者としても、完全に実用性のないキャラクターです。
何層もレイヤーを重ねているコスチュームであるにも関わらず、ポケットが1つもありません。ただし、彼女の靴は楽チンです。
【実用性:5点】靴は実用的ですが、その他は何も良い所がないので。
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■ジャイナ・プラウドムーア/『ワールド オブ ウォークラフト』
下腹部を鍛えておくことも忘れずに
コスプレイヤー:Ardella Cosplayさん
胸、肩、膝に着けたアーマーはそんなに大変そうではありませんが、ファンタジー系のアーマーは得てして肩紐や接合部分などがないデザインが多いため、どうにかして身体にピッタリくっつける必要があるという、目に見えない苦労があります。
ジャイナのコスチュームは、ケープ(フード付きマント)をどのように引っ掛けられるかが問題。よくよく注意して見てみると、戦場へ出て戦うのはちょっと難しそうです。
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「非実用性大賞」を受賞するのはこのジャイナ・プラウドムーアでしょう。バトル時間の半分を、フィールドの端から反対の端っこまで走り回るのに費やす魔法使いです。
彼女の衣装にポケットはないし、先のとがった12センチもの高いハイヒールを履いているし、重たいアーマーとマントは魔法で浮いているように見えます。なので、それが(コスプレ制作の)全てを台無しにしてしまうんです。
【実用性:3点】私が泣き出すまでに5メートルほど歩行ができます。もしくは、膝当ての片方が取れて落っこちるかのどちらか、はたまたパンツがズリ上がってくるか、肩当てが誰かの首をチョン斬ってしまうかのいずれかです。
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■吉光/『鉄拳タッグトーナメント2』
鎧武者を禍々しくしたデザイン
コスプレイヤー:CatRouletteさん
上記のキャミィをはじめ上半身ハダカの男性キャラなどなど、格闘ゲームのキャラは比較的理に適ったコスチュームに身を包んでいることが多いです。
しかし、意匠を凝らしすぎたキャラクターとなると、あり得ないほど非実用的に転じてしまう例もなきにしもあらず。それがこの、伝統的な戦国武者を基本とした吉光のデザインです。
現実の世界でも防御性と威嚇の意味で大胆なデザインになっていった甲冑なので、そこまで実用性に長けている必要はないのかもしれませんが......?
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私が作った吉光のコスチュームは、文字通り悪夢でした。まぁフル・アーマーなので多少の覚悟はしていたんですが、ゲームの中で彼は宙返りをして蹴りを出したり、ジャンプしたりするんですよ。
胸当ては首から腰まで硬く、どこをとっても馬鹿げた作りになっています。人々は私に吉光と同じポージングができる? って尋ねてきますが、私は「倒れる以外なにもできないよ」って答えました。
【実用性:2.5点】
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■エレクトラ/『エレクトラ』
パっと見、とても動きやすそうですが実は......?
コスプレイヤー:JusZ Cosplayさん
『デアデビル』シーズン2にも登場する女忍者エレクトラですが、最小限の衣装がいつも最大限の効果を生み出すとは限らないようです。
手脚から伸びる、不ぞろいなヒラヒラがその元凶らしく、地肌に直接のり付けでもしていない限りは、思うようにまとまってくれないのだとか。一見動きやすそうですが、そのせいで実用性は「悪い」ほうに分類されてしまいました。
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エレクトラはシンプルなコスチュームなのに、奇妙なほど着るのが難しいんです。
脚のヒモはいつも落っこちてしまい、頭に巻いたバンダナは5分おきに滑り落ちます。それに彼女の腕に巻かれた長い帯(またはリボン)はいろんなものに引っ掛かり、複雑にからまってしまうのです。まったくもって非実用的!
【実用性:4点】着心地が最悪というわけではないのですが、安全というわけでもありません。脚の帯も頭のバンダナも、ヘンテコな肩から伸びたヒモも、とにかく滑り落ちます。このコスチュームが着る人を走らせるのは、きっと忍者的な何かなのでしょう。
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■エリス/『リーグ・オブ・レジェンズ』
蜘蛛の女帝
コスプレイヤー:Hollitaさん
これもシヴァーナと同じ問題で、重力に逆らってフワっとさせる必要がある蜘蛛の脚が厄介とのこと。それに、もっと忠実に再現しようとするのであれば、エリスのつま先が重度の問題発生元となります。
彼女は基本的につま先立ちをしているだけでなく、その先端はナイフのように鋭いです。よって、土の上を歩けば地面に刺さり、コンクリートの上を歩けば体重が足に集中して負担がかかります。
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このコスチュームを着ても、少しは身動きをとれますが、ゆっくりとしか動けません。それに、必死で自分自身にくっつけたアーマーのパーツは大問題です。
携帯電話などを忍ばせる隙間はありませんし、両手の長い爪は何もつかめません。座る動作にいたっては、あたかも慎重なバレエの振り付けのようになってしまいます。
【実用性:2点】『リーグ・オブ・レジェンズ』コスプレは100%辞めにしないといけません。年齢のいった人がこうしたコスチュームを着たら、私が突っつくより前にご臨終してしまうことでしょう。
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■アリエル/『リトル・マーメイド』
しかも水場の横にいないといけない!
コスプレイヤー:Rose Cosplayさん
人魚のコスチュームは、下半身の自由を完全に奪います。食事やトイレなどの休憩を取りたくても大変ですし、ずっと横たわったままの姿勢を保たないといけないので、全身がバッキバキに凝りそうです。
さらに上半身はビキニ・トップのみなので、とにかく寒いという三重苦が待ち構えています。
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最も利便性が低いコスチュームです。どうしてかは私の口からはあえて説明しません。ご想像にお任せします。
【実用性:1点】
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いずれも使用する素材や、設計を工夫すれば改善できるのかもしれませんが、やはり経験者の実体験に勝るコメントはありません。
これらのコスチュームはほんの一握りで、たとえば全身タイツの『スパイダーマン』であれば機動性はバツグンでしょうが、メタルギアレックスのコスチューム(!?)だと実用性はゼロどころかマイナスでしょう。
皆さんが思いつく、利便性や機能性などが優れた、または劣ったコスチュームは何でしょうか?
The Practicality Of Video Game Outfits, Reviewed By Cosplayers[Kotaku]
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(岡本玄介)
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