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第四話第二章 長屋の暮らし  

著:古樹佳夜
絵:花篠

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■『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 連載詳細について


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◆◆◆◆◆長屋◆◆◆◆◆

阿行「ここが長屋と言うものか」
吽行「なんだか手狭だねぇ?」
阿行「四畳半に二人だからなぁ。でも、裏店(うらだな)はここよりも狭いはずだ」

阿行と吽行の二人は、長屋の戸を開け、
そろりと足を踏み入れた。
中は片付いていて、新たに居を構える者を
受け入れる準備は整っているようだ。
備え付けの茶箪笥に空の行李。
箪笥の横には文机、小さな行灯が、
行儀良く寄せられ、並べてあった。

吽行「確か、大屋さんが裏店は九尺二間(くしゃくにけん)と言っていたっけ?江戸長屋ってのは、せせこましいものだ」
阿行「確かにな。いつの間にこんなに立て込んだのやら……」
吽行「人間の住む場所というのは、窮屈だ。こんなところで本当に生活ができるのか?」

吽行は文句を言いつつも、畳の上に腰をおろして、寝転んでみた。

吽行「あ……」