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米国の安倍政権への失望拡大
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米国の安倍政権への失望拡大

2014-03-19 16:00

    玉城デニー幹事長代理 衆議院本会議質問(2014年3月18日)


    3月18日、衆議院本会議にて、昨年12月に閣議決定された「国家安全保障戦略」、「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」について安倍総理から報告があり、これに対して生活の党を代表して玉城デニー幹事長代理が質問しました。
    質疑全文は以下の通りです。

    20140318衆議院本会議質問(玉城) 

    【質疑全文】

    生活の党の玉城デニーです。
    私は生活の党を代表し、ただ今提案のありました、「国家安全保障戦略」、「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」について質問いたします。

    昨年12月にこれまでの国防の基本方針に変えて、わが国として初めて策定された「国家安全保障戦略」は、わが国が築いてきた豊かで平和な社会をこれから後も発展させてゆくために、国際社会の中でわが国が引き続き地域及び世界の平和と安定及び繁栄に貢献していく、役割の認識に基づいて策定され、閣議決定されています。

    この中で、「国際協調主義に基づく積極的平和主義」という語句表現が数回にわたって記述されています。国際協調主義についていうならば、これまでもわが国は国際社会において、途上国の経済開発や支援を要する相手国に対して、人道的支援、社会資本等の整備、人間の安全保障に関する支援対策など、国際社会の安定と繁栄については十分な貢献を果たしてきていると確信するものであり、これからもその方針と活動は揺るぎのないものであると認識いたします。
    安倍総理が、ことさらに強調する「積極的平和主義」の理念と行動が、何を意味し、具体的に何を行おうとするものか、伺います。

    日米同盟の強化について伺います。
    安全保障戦略では、わが国自身の防衛力の強化を通じた抑止力の向上と、米国による拡大抑止の提供を含めた「日米同盟の抑止力」によって自国の安全を確保しているとあり、新防衛大綱では「日米同盟を強化し、よりバランスの取れた、より実効的なものにすることがわが国の安全の確保にとってこれまで以上に重要になってくる」となっています。
    現在の日米同盟における協力体制について、どのようなバランスが望ましいと考えるのか。その点について防衛大臣に伺います。

    日米同盟の抑止力の維持、バランスのとれた安全保障体制など、日本側からの積極的な同盟体制の維持を掲げる方針とやや相反するように、厳しい財政事情にある米国では、外国における米軍全体についてその内容を精査し、大規模な人的削減と装備予算の縮小変更などを打ち出しています。

    その流れを追ってみると、安倍政権に対する米国側の反応は、一連の発言問題を見ても、政権誕生当初の期待感から「失望感」へ変化していると申し上げなければなりません。

    加えてあげれば、第183国会で承認可決された「子の連れ去りに関する条約(ハーグ条約)」が本年4月1日より施行されますが、米国議会下院で昨年の12月、連れ去られた子どもの速やかな返還に応じない国に対する制裁を科す法案を全会一致で可決し、現在、上院外交委員会で審議されています。

    その内容は、子どもの連れ去りに関する各国の対応を評価する年次報告書を作成し、非協力的な国に対しては、何らかの制裁措置をとるようオバマ大統領に求めるという趣旨の法案です。
    制裁措置には、米国で開発された技術の輸出禁止、開発援助の中止などのほか、軍事支援の停止なども含まれるということです。

    時事通信ワシントン支局は2月28日、米国務省のジェイコブス特別顧問が公聴会で証言した「すべての子どもが米国に帰ってくるまで、われわれは満足しない」という内容を紹介し、同盟国である日本政府への強い対応を求めています。

    日米同盟強化に関する信頼を深めていくということは、直接的な安全保障問題対処行動のみならず、民主主義と人権保護に基づいて諸外国同様の国内法整備なども含めたあらゆる努力を積み上げていくことでしか、成し得ることは出来ないのではありませんか。
    外務大臣に、この問題の解決に向ける取り組みについて、見解を伺います。

    島嶼防衛に関して新防衛大綱では、島嶼部への侵攻があった場合には「速やかに上陸・奪回・確保するための本格的な水陸両用作戦能力を新たに整備する」と記述されています。
    さらに、「南西地域における事態生起時に迅速かつ継続的に対応できるよう後方支援応力を向上させる」となっています。

    中期防衛力整備計画・別表では、陸上自衛隊に水陸両用車52両や垂直離着陸機17機の導入配備計画が示されています。

    これらの配備は尖閣諸島を含む先島地域への固定配備を意味するものであるのか、地域住民の理解無くしてこのような配備が出来るのか、防衛大臣に伺います。

    航空自衛隊の南西地域への配備について、警戒航空部隊に一個飛行隊を新たに編成すること、また、戦闘機部隊一個飛行隊を那覇基地へ移動して二個飛行部隊とすることなど、防空能力と警戒態勢を強力にすることが記述されています。

    他方、民間と自衛隊が共有使用する那覇空港は、中国の防空識別圏設定に比例するようにスクランブルの回数が激増し、それによって民間機の運航等に相当な影響が出始めています。

    現在の那覇空港は既に過密な運航スケジュールになっており、今以上に防衛体制の強化が沖縄に押し付けられることによって、民間航空機の運用にも多大な影響が発生し、平成24年度3905億円余りの収入となっている観光産業や県内経済界にとって重大な課題となることは明らかです。

    さらに、離着陸待機による時間遅れなど、実際に起こる影響は国内・国外から観光に訪れる方々の不満や、戦闘機と共同使用することへの心理的な不安感へつながってしまう懸念が拭えません。

    本年平成26年から計画が進められている那覇空港・第二滑走路の造成工事の完成は、早くても5年、台風などの気象条件によっては7年余りかかることも想定されています。

    南西方面の守りについては喫緊の課題であるということは理解できるものですが、では、編成配備される部隊の機材、隊員等の構成と、配備に伴う現状への影響を最小限に抑えるために、どのような協議が必要か、運用をするものであるのか、防衛大臣に伺います。

    最後に、生まれた地域を誇り、家族や友を思い、自然や生き物を慈しみ、教養や品格を重んじて、その気持ちをお互いに大事にしながら、支えあう社会を築いていく。
    外国語にはない情緒豊かな言葉の表現が幸う、そういう日本という国柄を大切にすることを、われわれは教えられてきました。
    策定された国家安全保障戦略には、「諸外国やその国民に対して敬意を表する」とあり、その自立と共生の豊かさこそ、これからも世界と協調するうえで、平和国家としてもっとも核となる理念だと確信します。

    我々がこの郷土や文化風土を愛する思いにまぎれこませるように、地域教育の民主的・主体性を毀損するような愛国心教育もあるとすれば、それは厳に慎むべきではないでしょうか。
    そのことを総理にお伺いして質問を終わります。

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