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安全保障問題、米国に左右されず冷静に議論するべき
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安全保障問題、米国に左右されず冷静に議論するべき

2014-04-28 19:16

    鈴木克昌代表代行・幹事長 定例記者会見(2014年4月25日)


    4月25日、鈴木克昌代表代行・幹事長が定例の記者会見を行いました。
    会見要旨は以下の通りです。


    20140425鈴木幹事長記者会見


    【 冒頭挨拶 】

    オバマ大統領の来日、そして離日ということが一番大きな動きではないかと思う。国賓としてお見えになったわけだが、1つは安全保障の問題、とりわけ東アジアの平和と安定ということが大きな議題だったと思う。2つ目は、やはりTPP交渉ということになる。

    いずれにしても、東アジアの安全保障については、ある意味では安倍さんの、日本政府の一つの思惑であった、尖閣の名前が出たということは非常に大きな成果だったと言われているけれども、このことは日米安全保障、日米同盟の中でかねてより既成の事実であったわけだから、ことさらその文言が入った入らないということで、大きくどこかが分かれるものではないと思っているけれども、政府、安倍さんとしてはそれを一つの後ろ盾としてやっていきたいということだと思う。

    例えが悪いのだけれども、子供同士がけんかをしたと。そうすると一方が先生もお前が正しいと言っているよということを言うような、何かこう、先の日韓関係の問題の時もそうだけれども、今回の尖閣を巡っての話も、アメリカの後ろ盾とまでとは言わないまでも、何かそういうようなことを期待して、打開を図っていきたいというような思惑が見え隠れする。
    そういう意味では尖閣という固有名詞を大統領の口から引き出したということは、大きな成果だったのかもしれない。

    それからTPPだが、非常に双方緊迫をした、夜中の2時、3時まで議論を重ねたということを聞いているので、相当激しい攻防が繰り返されたのではないかなと思う。
    異例な形で、共同声明が離日後恐らく発表されるということになるのではないかなと思うが、これも異常な状態ということは言えるのではないかと思う。
    どういう結果になるのか、これは分からない。担当者のご苦労があるとしながらも、やはり大きな問題としては、なぜここまで交渉がもつれてしまったのか。それは難しい問題だからというだけでなく、TPPに対する我が国の基本的なスタンスが固まらないままでこの交渉に突入したということが一つ言えるであろう。

    もう一つは、未だにTPPに対して国内世論の中にも大きな反対のうねりがあり、したがって、やはり安易な妥協は出来ないという一つのことにもなっているのかと、これは邪推だけれども。そんなようなこともあり誠に厳しい対応を今求められている、大変苦しい立場に甘利大臣も置かれているのではないかと思う。

    いずれにしても、これで韓国へオバマ大統領が行かれて、その後アジア歴訪という予定になっているので、どういう風な展開になるのか、最初に日本の状況を把握をされた上でアジアを歴訪されるわけだから、アメリカに頼るわけではないけれども、いい形でこの地域の平和と安定が進んでいくことを祈っている。

    それから、明日がいよいよ鹿児島2区の補選の最終日であり、小沢代表に再び鹿児島に入ってもらうということを決めた。おそらく海江田さんも入られるということなので、現地では海江田・小沢のツートップで、最後のお訴えという形になるのではないかと思っている。
    状況としては今一歩という風に聞いているが、何とか残された期間の中で追いついて、そして追い越すということを、我々は最後まで死力を尽くして、ありとあらゆる手を打って頑張っていかないといけないと思っているし、私も明日代表と一緒に鹿児島に入って、応援させていただきたいと思っている。

    これで国会の方は5月の連休に入っていくということなので、もちろん、7日、8日、9日辺りも部門によっては開かれるということだが、大きな山は大体決まってしまっているので、やはり5月連休明けは安全保障、憲法というのが、やはり大きな議題になってくるのではないかという風に思っている。
    過日行われた野党の幹事長・国対委員長会談でも、やはり(予算委員会の)集中審議の要求ということが確認をされているので、諸々の問題を含めた集中審議が、外交、TPPももちろんだけれどもきちんとやって、現状どうなっているのか、また、政府は何を考えているのか、広く国民の皆さんにお示しをし、熱心な議論を進める必要があるのではないかと思っている。

    もう一つはやはり、TPP交渉。これだけ長きに渡って大きな影響のある交渉だから、我々は特別委員会を設置してきちんと情報開示をすべきだということを言っているので、そのことも野党の幹事長・国対委員長会談の中では、より大きな問題になっているということである。

    最後に選挙制度改革のことだが、ご案内のように10党の幹事長会談が開かれた。そこで8党としては色々あるけれども第三者委員会を是非設置して、議長の下に委ねていこうという流れで、また2党は、それは反対だということで平行線であったわけだが、結果的には連休明けになると思うが、8党として再度議長のところへ第三者委員会を設置していただきたいという要請に行くということである。私ももちろんそれには参加をさせていただこうと思っている。

    ただ、そこで議論になったのは、2党が反対であるという最大の理由は、6月25日の確認事項で、いわゆる「現在の選挙制度を検証する」という言葉があったが、その検証がなされないまま第三者委員会に委ねるというのは、それは許されないというところなので、妥協案ということではないけれども、第三者委員会の中で現在の選挙制度も検証してもらうということ、もしくは、これはまだ決まりではないけれども、実務者の段階で、実務者会議として検証を並行して進めていくというようなことが会議の中では出た。そういうことを含めて、恐らく最終的には議長のところでの判断になってくるのではないかと思っている。


    【 質疑要旨 】


    結いの党、日本維新の会、参議院での共同会派設立について

    Q. 今日、参議院の話だが、維新と結いが共同会派設立の申請を提出した。これについての受け止めをお聞かせいただきたい。(NHK)
    A. これは、結いの党が出来たいきさつというのが、この閉塞された状況を統一会派とか、政党合併という形で少し風穴を開けていきたいということであったわけだから、結いの党としてはまず、最初の一歩を踏み出したのではないかと思っている。
    感想だけれども、これはけっして悪い動きではないわけで、我々もかつてから一強多弱の状況を打ち破っていくには再編が必要だと言っているので、そういう意味での最初の動きという風に評価も出来るのではないかと思っている。

    ただ、そこに我々が加わるか加わらないかというのは、今後の問題だから、恐らく参議院でのそういった動きを注視しながら、また我々も党内では議論を進めていくことになるのではないかと思うが、今具体的にそのことについて党内で議論をしたということではない。

    みんなの党渡辺前代表の借り入れ調査結果報告について

    Q. 昨日、みんなの党の渡辺前代表の借り入れの件で、党内の調査結果報告が出た。その中では具体的にどういう風に使ったのか分からないまま、総合的に問題ないという結論がつけられたのだが、これについてはどう思われるか。(NHK)
    A. これは、やはり他党の話でもあるし、みんなの党の浅尾さんはじめ、皆さんが事実解明ということで一生懸命努力をされた結果だと思うので、これをどうのこうのということは、控えるべきではないかと思う。

    ただ、マスコミ等で見ると、検証不足というようなことが言われているので、恐らくその辺についても今後、また更なる努力をされていくのではないかなと思っているれども、とりわけ我党からそのことについてどうと言うことよりも、みんなの党さんの中でしっかりと事実解明を更にやっていかれるべきではないかと思っている。
    Q. この問題が発覚したときに、幹事長は政倫審等で取り上げるのが望ましいというような発言があったが、そのことについては今どう思うか。(NHK)
    A. その考え方は変わってはいないけれども、最終的にはみんなの党の考えや、渡辺さん本人がどういう風にお考えになるのかということだから、動きを注視していくということに尽きると思うが。

    今回の日米首脳会談が安全保障の議論に与える影響について

    Q. 冒頭の発言の中で、連休明けは安全保障とか憲法の問題が大きなテーマになっていくというお話があったけれども、今回の日米首脳会談を受けて、先ほど出た共同声明でも、一応日本政府が取り組んでいる集団的自衛権行使容認に向けた取り組みについて、歓迎して支持するというアメリカ側の姿勢が示されたのかと思うが、これが今後の議論に与える影響についてお聞かせいただきたい。(共同通信)
    A. 恐らく、議論を進めたいという方たちについては、この影響を大きく評価をしたいという風になるであろう。
    逆に、我々の立場から言えば、そういうことではなくて冷静に議論を進めるべきだと思っているので、これはそれぞれの立場によって評価が分かれる問題ではないかと思うが、先ほど申し上げたように、アメリカの力を使って自分たちの主張が間違っていないのだということを、殊更に言おうとしているような雰囲気が見えるので、我々はそれとは別に、今何故安全保障が必要なのか、そして、どういう形の安全保障を考えるべきかということを、アメリカの大統領がどうこうということを抜きに、純粋に考えていくということではないかと思っている。
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