おはようございます。マクガイヤーです。
一昨日の放送「私小説としての『エヴァンゲリオン』と『ヱヴァンゲリヲン』 接触編」はいかがだったでしょうか?
自分は本放送時に20歳と直撃世代で、当時あまりにも影響を受けすぎて一時期ちょっと嫌いになったくらいなのですが、思いのたけをきちんと話せて満足しております。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
〇2月21日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2021年2月号」
・時事ネタ
その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
〇3月7日(日)19時~「スーパー戦隊と東映不良性感度」
3月7日よりスーパー戦隊シリーズ第45記念作『機界戦隊ゼンカイジャー』が放送されます。これまで放送されていた『魔進戦隊キラメイジャー』も傑作でしたが、『海賊戦隊ゴーカイジャー』とはまた違った形でスーパー戦隊シリーズを総括するような記念作になりそうです。
そこで、これまでのスーパー戦隊シリーズを振り返りつつ、スーパー戦隊の魅力について語るような番組を行います。
ゲストとしてお友達のナオト(https://twitter.com/Triumph_march)さんをお迎えしてお送り致します。
〇3月22日(月)19時~「こんな時だからみたい旅行映画たち」
新型コロナ過の中、10都府県に発令されていた緊急事態宣言も延長され、気軽に旅行に行けない状況が続いています。緊急事態宣言が解除されれば国内旅行は可能でしょうが、海外旅行は少なくともあと一年は無理そうです。
そんな中、気分だけでも旅行に行ったような感覚を味わえる映画を特集します。ロードムービーに限らず、全く別の土地や風景、旅行そのものの魅力を味わえるような映画は数多くあり、そんな映画たちについて語れればと思います。
ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。
〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて、今回のブロマガですが、『エヴァンゲリオン』というか綾波レイについて語らせて下さい。
●モグ波とはなにか
放送で何回も言ったのですが、モグ波にお別れしなければいけないことが残念でなりません。
いきなり「モグ波」と言われても分からない方もおられると思いますので説明しますと、同人作家であるモグダン先生が二次創作で描く綾波レイのことです。
綾波レイに限らず、貞本義行のキャラクターデザインは皆痩せていて、どこかしら歪んだ線で描かれています。その細身のシルエットや、心情を表したかのような歪みっぷりが魅力なわけです。
一方で、モグダン先生が描く綾波レイは、最初こそ痩せていたものの、だんだんと胸や尻、肩幅が大きくなっていきました。モグダン先生が得意とするムッチムチの女性になっていったのです。あまりの変わりように「これはもう綾波じゃない、モグ波だ!」と言い出す者が現れ、今に至るというわけです。
特筆すべきは、モグダン先生は『エヴァンゲリオン』のテレビ放送時から今の今まで、20年以上モグ波を描き続けてきたという点です。普通、エロ同人作家は売上を重視して、その時代時代に合わせた売れ線のコンテンツ・ジャンルで「薄い本」を作ります。しかしモグダン先生は、時折他のキャラクターを描きつつも、一貫してモグ波本を頒布し続けました。新劇場版が始まる直前や、その合間といった、『エヴァ』というコンテンツの勢いがそれほどなかった時期でさえもです。
『エヴァ』のテーマの一つは明らかに思春期における少年少女の恋愛で、綾波は当初「気になるクラスメイト」として登場します。その後、お約束の展開を交えつつ綾波の出自が明かされるのですが、御多分に漏れず自分も綾波レイというキャラクターにハマりました。「オタクにとっての理想の女」的な描き方をされているので尚更です。
しかし今や、綾波よりもモグ波の方が大好きな自分がいます。
●滝本竜彦と綾波レイ
思い返せば、綾波レイとは元々そのような、様々な「バージョン違い」が似合うキャラクターでした。
『NHKにようこそ』等を描いた滝本竜彦は『エヴァ』好き、特に綾波レイが好きなことで有名です。
『新世紀エヴァンゲリオン エヴァ&エヴァ2アンソロジー』なる二次創作アンソロジーには、滝本ののエヴァに対する熱い想いがギチギチに詰まったエッセイが掲載されています。
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――ひょんなことから自我に目覚め、ゲンドウの所から逃げ出してきた綾波が、小田急ロマンスカーに乗り込み、新百合ヶ丘で各駅停車に乗り換え、生田までやってくる。そして彼女は、深夜の駅前をぶらついていた僕とばったり出会って恋に落ちる。しかしネルフ保安部が迫り来る。
僕は機転を利かせて彼女をアパートに匿った。もう大丈夫だ。ここにいれば安心だ。だからお願いだ、綾波。ずっとここにいてくれ。たぶん僕は世界で一番君のことを愛しているよ。君さえいれば他には何もいらないよ――。
「そうさ僕はいついつまでも君が好きだよ!」
しかし…。
しかしそもそも君はどこにもいなかったし、僕の言葉は大嘘だった。虚構少女に対する熱い想いは数年も昔、遙か虚空に消滅した。
『綾波忘却計画』より
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このような滝本竜彦のエッセイは、当時の『エヴァ』視聴者の綾波に対する思いを良く表しています。
当時、自分は生田駅と向ヶ丘遊園の合間にある実家に住んでいたので、なおさら他人事とは思えませんでした。
そしてついに滝本は、綾波が「脳内彼女」として登場するエッセイやノンフィクション――という体の実験小説『超人計画』を書きます。
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