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【第345号】キャプテン・ジャパン:天皇ごっこ その2
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【第345号】キャプテン・ジャパン:天皇ごっこ その2

2022-02-02 07:00
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    マクガイヤーチャンネル 第345号 2022/2/2
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    おはようございます。マクガイヤーです。

    また仕事が忙しくなってきました。今月は久しぶりに土日出勤することになりました。

    でも土日出勤も、たまになら気分転換になりますね。



    マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



    〇2月13日(日)19時~「『ゴーストバスターズ』とジェイソン・ライトマンの屈託」(久しぶりに日曜日の放送になります。ご注意下さい)

    2月4日より映画『ゴーストバスターズ/アフターライフ』が公開されます。『ゴーストバスターズ(1984年)』『ゴーストバスターズ2(1989年)』の続編であり、同二作の監督を務めたアイヴァン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマンが監督を務めることでも話題です。

    『ゴーストバスターズ』といえば80年代に子供時代を過ごした自分のような4、50代にとっては思い出深い映画です。44歳のジェイソン・ライトマンは『JUNO/ジュノ』『マイレージ、マイライフ』でアカデミー賞にノミネートされた、親父よりも有能な監督でもあります。しかも『アフターライフ』の主人公は、監督や脚本家としても有名だったハロルド・ライミス演じるイゴン・スペングラーの孫だというではありませんか。どう考えても自分の好きな、メタ的な面白さを持った映画だと期待しています。


    そこで、『ゴーストバスターズ』やジェイソン・ライトマンのあれこれについて語るニコ生を行います。リック・モラニスが参加していないことだけ文句をつける予定です。


    ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。




    〇2月28日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2022年2月号」

    お題

    ・時事ネタ

    『ハウス・オブ・グッチ』

    『Coda コーダ あいのうた』

    『ライダーズ・オブ・ジャスティス』

    『大怪獣のあとしまつ』

    『355』

    『牛首村』

    その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



    〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

    当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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    また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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    合わせてお楽しみ下さい。





    さて、本日のブロマガですが、引き続きキャプテン・ジャパンの妄想話について書かせて下さい。




    ●天皇ごっこ その3

    二週間後、舞鶴の地下にあるヒロシの研究室に、コウイチとエゴス、そして<会長>とその政治団体の構成員数名から成る関係者が集まりました。ヒロシが主導となって進める<計画>についての進捗を聞くためです。コウイチとエゴスが持ち込んだ<超人血清>についてのあれやこれやが<計画>の発端でしたが、様々な施設に顔が利くことからも、血清学や分子生物学に関する専門的な知識の面からも、ヒロシは完全にイニシアチブをとっていました。もはや<計画>のリーダーは完全にヒロシといって良い状況であり、コウイチとエゴスもそれを呆気にとられた状態で見守るばかりでした。

    そして、この進捗報告会議で、二人は更に呆気にとられることとなります。


    「二週間前にコウイチさんとエゴスさんには<さくら苑>の視察に行って貰いました。あそこで培養した<超人血清>の候補――ここでは仮に<疑似超人血清>としましょうか、まぁワタシにとってはどんなカミサマも疑似なんですけどね――について皆様に報告するわけですが、その前にプランBについて説明させて下さい。

    ええ、そうですよ、<さくら苑>が本命と考えていたわけですが、上手くいかなかった場合のバックアッププランを用意しておくのは当然のことじゃないですか。

    一つは、吉野……N県医科大附属病院の精神科・心療内科の閉鎖病棟です。ここの閉鎖病棟は国内で最も大規模なものの一つなのですが、閉鎖病棟を管理する認知症治療病棟に協力をお願いしました。認知症の症状の一つとして幻覚や妄想があることはご存じかと思います。どの患者にも記憶障害がみられますが、一部の患者には、数分から数時間程度の短期記憶が阻害され、長期記憶は保たれやすいという特徴があります――これは<さくら苑>と同じですね。

    10年前のことです。この閉鎖病棟に<天皇>を名乗る男が入院しました。勿論、天皇の親族でも、旧宮家でも、その親族でもありません。後南朝の末裔を自称していますが、エビデンスはありません。

    ま、<熊沢天皇>と同じようなものなのですが、彼の言ってることも一理あるわけですよ。ざっくりいって、世代を遡れば皆親戚である可能性が高まるわけですね。ケヴィン・ベーコンは沢山の映画に出演しているので、どの俳優もケヴィン・ベーコンと共演した俳優と共演した/する可能性が高い。ケヴィン・ベーコンと共演した俳優と共演した俳優と共演した/する可能性はもっと高い。ケヴィン・ベーコンと共演した俳優を<1>、<1>と共演した人物を<2>……というように隔たりに応じて数値化していくと、世界中の俳優はケヴィン・ベーコンを起点6から7の隔たりに含まれるようです。これがいわゆる<六次の隔たり>というやつですな。

    同じことが<神武天皇(仮)>にはいえない、ということはありません。ハハッ! ワタシがわざわざ「かっこかり」とつけると、皆そのような顔をするんですよ。まぁ、欠史八代に則って崇神天皇を起点としましょうか。きちんとしたエビデンスはありませんが、いわゆる<日本人>はかなりの確率で崇神天皇を起点とした<六次の隔たり>に入ると推測して良いのではないでしょうか。よくネットで自分のアカウントに「普通の日本人」とつけている者たちがいう<男系天皇のY染色体(仮)>どころの話ではありませんな。

    <天皇>を名乗る男――二代目熊沢天皇とでもしましょうか――この二代目熊沢天皇なんですが、当初こそ誰にも相手にされなかったものの、認知症にも関わらず巧みな弁舌と一種独特の雰囲気を持っていたせいか、彼を<神を祀る存在>にして<現人神>、すなわち天皇として、畏敬の念をもって接する入所者が次第に出るようになってきたのです。当初は「よっ、天皇!」と冗談交じりに話しかけられるだけだっといいますが、段々と一部の入所者の心の支えのようになっていき、最近では怪しげな儀式のようなものまで行っているといいます。宮中祭祀ならぬ院内祭祀ですな……ハハッ! なんでも、最近は入所者のみならず病棟スタッフにも程度の軽い信奉者のような者が出てきているそうです。

    既におわかりかと思いますが、この二代目熊沢天皇が入院している閉鎖病棟に<さくら苑>と同じインキュベーターと培養装置を備え付けさせてもらいました。据え付けと管理は信頼のできる病棟スタッフのみで極秘裏に行いました」


    <さくら苑>だけでも驚愕ものだったのに、そんな精神病院が日本に存在していたのか……コウイチとエゴスが上手く話を呑み込めずにいると、ヒロシは更に話を続けます。時折挟み込まれる「ハハッ!」という嗤い声が、不快なような、愉悦を呼び覚ましてくれるような、複雑な気分を二人にもたらしました。


    「もう一つは、バチカンに協力をお願いして行った実験です。」

     
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