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マクガイヤーチャンネル 第368号 2022/11/16
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おはようございます。マクガイヤーです。

先週は忙しすぎて、まだ『仮面ライダーBLACK SUN』を観られていません。

同じ日にMCUと新海誠アニメが公開されて、『タクティクスオウガ』が発売されたので、致し方なしです。

来週のニコ生が終わってからになるかなー。



マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



〇11月21日(月)19時~「『すずめの戸締まり』と新海誠の挑戦」

11/11より『すずめの戸締まり』が公開されます。歴史的大ヒットをした『君の名は。』『天気の子』に続き、新海誠が監督・脚本を務めるアニメーション映画です。

これまで当チャンネルでは「セカイ系」「新しい貧困」「童貞」「女の子大好き芸人」といったキーワードで新海誠作品を読み解いてきましたが、久しぶりの女性単独主人公、更にロードムービーと、直近二作とは趣が異なるようです。また、「『魔女の宅急便』の影響を強く受けた要素がある」というコメントも気になります。

そこで、『すずめの戸締まり』と新海誠のフィルモグラフィーについて語るようなニコ生を行います。

ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。



〇11月23日(水)19時~「『タクティクスオウガ』とゲームクリエイター松野泰己」

11/11にシミュレーションロールプレイングゲーム『タクティクスオウガ リボーン』が発売されます。1995年に発売されたスーパーファミコン用ゲーム『タクティクスオウガ』の二度目のリメイクです。

『タクティクスオウガ』といえば、約30年経った現在ではスーパーファミコン最高のソフト(の一つ)、シミュレーションRPGの名作として確固とした評価を得ています。当時20歳だった自分も前作『伝説のオウガバトル』と合わせて、興奮してプレイしたことを覚えています。

一方で、『タクティクスオウガ』のディレクターである松野泰己は明らかにゲームクリエイターとして天才ですが、スクウェアに移籍後は波乱万丈なキャリアを積むことになりました。かつて「松野信者」であった自分は、松野泰己の現在に複雑な思いを抱いたりもします。

そこで、『タクティクスオウガ』とゲームクリエイターとして松野泰己について語るようなニコ生を行います。

ゲストとしてお友達のナオトさん(https://twitter.com/Triumph_march)とひとみさん(https://twitter.com/hetoldme_m)をお迎えしてお送り致します。



〇12月12日(月)19時~「一体いつからオサレ漫画じゃないと錯覚していた?『千年血戦篇』アニメ化記念『BLEACH』特集」

10月よりアニメ『BLEACH 千年血戦篇』が放送されています。『千年血戦篇』は『BLEACH』の最終エピソードなわけですが、2022年のいま映像化されることに、驚きを禁じえません。

『BLEACH』は週刊少年ジャンプで2001~2016年に連載されていたわけですが、連載終了から8年、アニメ終了から10年経ったいま、しっかりと完結編がアニメ化されたわけです。

それだけ人気も影響力もある作品だということを証明した形になっているわけですが、実際、ジャンプの大看板作品である『ONE PIECE』よりも『BLEACH』の方が真似しやすい……影響力の高い作品なのではないかと思います。

そこで、『BLEACH』について解説しつつ魅力を紹介するような放送を行います。

ゲストとして自分よりも『BLEACH』に詳しい舞台女優の桜木ゆいさん(https://twitter.com/sakuramauyoru)と、メカデザイナー回も好評だったお友達の虹野ういろうさん(https://twitter.com/Willow2nd)をお迎えしてお送り致します。



〇12月25日(日)19時~「『マッドゴッド』とストップモーションアニメ特集」

12月2日より映画『マッドゴッド』が公開されます。フィル・ティペットが約30年を経て完成させたストップモーションアニメ映画で、ティペットの狂気と執念がつぎ込まれた作品であることは想像に難くないです。

振り返れば、『JUNK HEAD』『PUI PUI モルカー』『ウェンデルとワイルド』と、ここ数年でストップモーションアニメの大作・話題作が次々と発表されています。3DCGの登場でストップモーションアニメが絶滅するといわれていた頃が嘘のようです。

そこでストップモーションアニメの歴史と魅力、個々の推し作品について解説するような放送を行います。

ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)と編集者のキリグラフこと瀬川卓司さん(https://twitter.com/killigraph)をお迎えしてお送り致します。



〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

https://macgyer.base.shop/items/19751109


また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

https://macgyer.base.shop/items/25929849


合わせてお楽しみ下さい。





さて本日のブロマガですが、先週公開された『すずめの戸締まり』について書かせて下さい。


●また可愛いJKが世界救う話なんだろう?

『すずめの戸締まり』を観たのですが、意外なことに傑作でした。

正直な話、これまでの新海誠作品は、出来の良さを認めつつも、童貞の妄想話的な嘲りの視点で観ていました。東宝としっかり組んで、日本映画史に残る興行収入を記録した『君の名は。』『天気の子』も同様です。

今回の『すずめの戸締まり』も、「また可愛いJKが世界救う話なんだろう?」


しかし実際観てみると、これまでの新海誠作品でどうしても鼻についた主人公の心の声によるナレーションはほとんど無くなり、童貞の妄想話のような失恋ラブストーリーは添え物のようになり、RADWIMPSの歌詞と映像のシンクロで強制的に盛り上げる手法は禁じ手とされ、エロゲ―における顔を髪の毛で隠した主人公のように名無しの存在だった主人公はしっかりと家族やこれまでの人生の背景が描かれ、新海誠が得意とする日常描写はロードムービーである本作で日本全国における市井の人々の生活を描くと共にその意味合いが物語的なクライマックスに至るに連れてに収束するという、およそ考えられる限り最大限の効果を発揮します。もう主人公は電車に乗らず(最後に電車に乗るのは草太の方です)、カーステレオから流れるのはよりによって劣化した『ルージュの伝言』をはじめとする懐メロで、中盤で最悪な状況に陥った主人公は自らの意思と選択でハッピーエンドを選ぶ黄金の三幕構成をとり、力強いメッセージを発します。新海誠作品には珍しい女性主人公という理由もあるのでしょうが、高い完成度と(特に『君の名は。』以降)新海誠がどうしても描きたかったテーマが両立しています。


そればかりか、この映画が扱ったそのテーマ故に、新海誠はそう遠くない将来に国民的映画作家に位置づけられることが確定したと思うのですよ。



以下ネタバレ。