おはようございます。マクガイヤーです。
この週末は天気が良かったので自転車を長時間漕いで映画館に行ったり、ラーメンを食べたりとエンジョイできました。
エンジョイしすぎてまだ『仮面ライダーBLACK SUN』を観られていないのが辛いところです。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
〇11月21日(月)19時~「『すずめの戸締まり』と新海誠の挑戦」
11/11より『すずめの戸締まり』が公開されます。歴史的大ヒットをした『君の名は。』『天気の子』に続き、新海誠が監督・脚本を務めるアニメーション映画です。
これまで当チャンネルでは「セカイ系」「新しい貧困」「童貞」「女の子大好き芸人」といったキーワードで新海誠作品を読み解いてきましたが、久しぶりの女性単独主人公、更にロードムービーと、直近二作とは趣が異なるようです。また、「『魔女の宅急便』の影響を強く受けた要素がある」というコメントも気になります。
そこで、『すずめの戸締まり』と新海誠のフィルモグラフィーについて語るようなニコ生を行います。
ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。
〇11月23日(水)19時~「『タクティクスオウガ』とゲームクリエイター松野泰己」
11/11にシミュレーションロールプレイングゲーム『タクティクスオウガ リボーン』が発売されます。1995年に発売されたスーパーファミコン用ゲーム『タクティクスオウガ』の二度目のリメイクです。
『タクティクスオウガ』といえば、約30年経った現在ではスーパーファミコン最高のソフト(の一つ)、シミュレーションRPGの名作として確固とした評価を得ています。当時20歳だった自分も前作『伝説のオウガバトル』と合わせて、興奮してプレイしたことを覚えています。
一方で、『タクティクスオウガ』のディレクターである松野泰己は明らかにゲームクリエイターとして天才ですが、スクウェアに移籍後は波乱万丈なキャリアを積むことになりました。かつて「松野信者」であった自分は、松野泰己の現在に複雑な思いを抱いたりもします。
そこで、『タクティクスオウガ』とゲームクリエイターとして松野泰己について語るようなニコ生を行います。
ゲストとしてお友達のナオトさん(https://twitter.com/Triumph_march)とひとみさん(https://twitter.com/hetoldme_m)をお迎えしてお送り致します。
〇12月12日(月)19時~「一体いつからオサレ漫画じゃないと錯覚していた?『千年血戦篇』アニメ化記念『BLEACH』特集」
10月よりアニメ『BLEACH 千年血戦篇』が放送されています。『千年血戦篇』は『BLEACH』の最終エピソードなわけですが、2022年のいま映像化されることに、驚きを禁じえません。
『BLEACH』は週刊少年ジャンプで2001~2016年に連載されていたわけですが、連載終了から8年、アニメ終了から10年経ったいま、しっかりと完結編がアニメ化されたわけです。
それだけ人気も影響力もある作品だということを証明した形になっているわけですが、実際、ジャンプの大看板作品である『ONE PIECE』よりも『BLEACH』の方が真似しやすい……影響力の高い作品なのではないかと思います。
そこで、『BLEACH』について解説しつつ魅力を紹介するような放送を行います。
ゲストとして自分よりも『BLEACH』に詳しい舞台女優の桜木ゆいさん(https://twitter.com/sakuramauyoru)と、メカデザイナー回も好評だったお友達の虹野ういろうさん(https://twitter.com/Willow2nd)をお迎えしてお送り致します。
〇12月25日(日)19時~「『マッドゴッド』とストップモーションアニメ特集」
12月2日より映画『マッドゴッド』が公開されます。フィル・ティペットが約30年を経て完成させたストップモーションアニメ映画で、ティペットの狂気と執念がつぎ込まれた作品であることは想像に難くないです。
振り返れば、『JUNK HEAD』『PUI PUI モルカー』『ウェンデルとワイルド』と、ここ数年でストップモーションアニメの大作・話題作が次々と発表されています。3DCGの登場でストップモーションアニメが絶滅するといわれていた頃が嘘のようです。
そこでストップモーションアニメの歴史と魅力、個々の推し作品について解説するような放送を行います。
ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)と編集者のキリグラフこと瀬川卓司さん(https://twitter.com/killigraph)をお迎えしてお送り致します。
〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて本日のブロマガですが、『貞子DX』について書かせて下さい。この映画、今年一番怖くてゾクゾクするシーンがあったのですよ。
●『貞子DX』はホラー映画というよりデスゲーム映画
『仮面ライダーBLACK SUN』や『RRR』に比べて全く話題になっていない映画『貞子DX』ですが、ここ数年ホラー映画にハマっている自分は観ました。で、面白かったのですよ。
わりと評判が悪いというか、戸惑っている人が多いのも分かります。『貞子DX』は貞子や貞子の呪い――「貞子のビデオを見ると一定期間後に死ぬ」――で観客を怖がらせるという、厳密な意味でのホラー映画というわけではありません。どちらかというと、24時間後(シリーズが進むごとに貞子の呪いの期間は一週間からどんどん短縮されています)に死ぬことを回避するために、ありとあらゆることを試す、あまり深刻でない雰囲気のデスゲームものみたいになっているのです。
・小芝風花演じるIQ200の天才大学院生、一条文華
・川村壱馬演じる「占いの王子様」を自称する占い師、前田王司
・池内博之演じるテレビ出演やスピリチュアルビジネスで稼ぐ霊媒師、Kenshin
・黒羽麻璃央演じる決して他人に顔をみせないひきこもりハッカー、感電ロイド
……といったキャラの立った登場人物たちも、「あまり深刻でない雰囲気」の醸成に一役買っています。特に、天才大学生を演じる小芝風花が川村壱馬にツッコミつつポンポン話が進んでゆくドライブ感は、『TRICK』に似た雰囲気です。川村壱馬がそそっかしい動きやオーバーリアクションで始終大きな物音を立てたり、アプリの通知音が異様に大きかったりして、ジャンプスケアをギャグにしているのも、「非ホラー映画化」に一役買っています。
監督は『TRICK』を含む堤幸彦作品に助監督や演出として参加した木村ひさし、脚本は『仮面ライダーエグゼイド』の高橋悠也で、おそらく座組の時点からこの雰囲気をある程度目指していたのでしょう。
●新型コロナ禍のアナロジーとしての貞子
更に面白かったのは、新型コロナ禍のアナロジーです。
貞子のビデオテープは貞子と天然痘ウイルスの怨念の融合体であり、複数の人間にみせなければ死ぬという呪いで「増殖」したり、小説・映画・ゲームといった媒体に「変異」したりする――といった、呪いと感染症の融合が(特に原作小説における)『リング』シリーズ最大の特徴であり面白さでした。この呪いと感染に対抗するために登場人物たちは論理的に行動し、ロジックに基づいたサスペンスやドラマがありました。また、続編の『ループ』や『らせん』はホラーというよりもSFとして執筆されており、この特徴を最大限活かしていました。これらは当然映画にも反映されており、インターネットの発達や大衆化を反映して動画サイトやSNSも劇中に登場するようになりました。
そんな『リング』シリーズの最新作が、新型コロナ禍を反映した世相を斬る系の内容になるのは納得です。主人公は「ワクチン」で呪いの「感染」に対抗しようとします(現在、感染後にワクチンを打って発症を予防できるのは、潜伏期が2~3ヵ月と長い狂犬病ウイルスだけで、「潜伏期」が24時間な本作の貞子ウイルスに対応可能かどうかは分からないのですが、この際置いておきます)。
また、貞子ウイルスは増殖の過程で「変異」し、異なる性質を持った「株」が現れます。宿主に合わせてビデオの内容が変わり、「貞子」の姿かたちさえ変わります(これは、もはや消費され尽くしてしまった「テレビの向こうから出てくる貞子」のイメージをなんとか刷新するためでもあるのでしょう)。
最後に主人公たちがとる対処法は、全人類が約半年に一度ワクチンを打つことで新型コロナウイルスになんとか対応している現状を反映しているのが明らかで、黒い笑いが漏れてしまいました。
●死者が登場する映画
ホラー映画というよりも世相を斬る系の馬鹿映画な本作ですが、自分は心底怖かったシーンがありました。
今年の5月に亡くなった渡辺裕之が出演するシーンです。
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。