そもそも他国との戦争や軍事行動を望む国民など、よほど自暴自棄にならない限り、どこの国にもいない筈だ。夏休みの帰省やグアムでの休暇を台無しにされたいなどと誰も思わないだろう、米国民だろうと同じ筈だ。しかし北朝鮮の国民感情は遥か１万キロも離れた太平洋の対岸にいる米国民の感情とは大きく異なる筈だ。
米外交問題評議会の北東アジア情勢専門家シーラ・スミス氏によると韓国の専門家は9日のグアム近海へのミサイル発射計画表明はトランプ氏の発言に反応したものではなく8日に実施された米軍のB1戦略爆撃機による日米と韓米の共同訓練に反応したものと分析しているという。どこの国民もその指導者も自国の近海上空で戦略爆撃機が飛び回り何時爆撃されるか不安になるのは当然で、有らん限りの方策を考えて対応しようとするだろう。かって日本では敗戦間近に米軍の上陸に対抗して「竹やり」で対抗しようとしたそうじゃないですか！今や北朝鮮は核弾頭の小型化やミサイル技術を軍事大国アメリカに対する唯一の効率的な反撃方法として対抗しようとしている。
一方ロシアのラブロフ外相は北朝鮮を巡る軍事衝突のリスクは非常に高いとし、緊張緩和に向けたロシアと中国による共同計画を表明、国営放送を通じ北朝鮮と米国に対し、北朝鮮がミサイル実験を凍結する一方、米韓は大規模軍事訓練を一時停止する事に賛同するよう呼び掛けた。米朝両国はこの様な提案を真摯に受け止めるべきである。日本政府は何故夜中にトレーラーで重いPAC3を移動する様な対応だけでなく、中ロの様な自主的でプロアクティブは外交対応が出来ないのだろうか？