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りゃんさん のコメント

ハースやキッシンジャーの核戦略論を知っているわけではないので、孫崎さんの引用からの考察になりますが、

1,ハースの結論は「幾つかの問題は管理できるだけである」とのことだが、北朝鮮の核の場合「管理」とは具体的にどうなることをさすのか不明である。また、米国が「管理」を提案しても、北朝鮮がそれに応じるかも不明。

2,キッシンジャーの(中小国の核保有に対する)核戦略論は、米国が高みに立って調整できることを前提としている。典型的には(その当時の)インドとパキスタンの例であろう。しかし現在の北朝鮮は、イランやシリアをはじめいくつかの中東の国々とすでに関係があり、将来的にはISなどとも関係するかも知れず、米国の重要な利益や安全保障にたいして直接に敵対している。さらに、米国に直接とどく核弾道弾の開発終了が目前である(インドもパキスタンも今のところそんなものはもってない)。

つまり、ハースやキッシンジャーの議論が、現在の北朝鮮にそのままあてはまるかの検証が、孫崎さんの議論ではなされていません。

また、これらはあくまで米国内の議論ですが、中国がそれにしばられる必然性はまったくないでしょう。中国は、単純に北朝鮮などが核武装するのは不快でしょうし、現に公式に反対してきました。

ここから先は想像ですが、米中首脳会談で中国は、「金正恩後」の北朝鮮を中国が傀儡統治すること、さらにもしかしたら米軍の南からの撤退をも条件に、北朝鮮への仕置きに協力するだろうと思います(トランプは同意するでしょう)。もしかしたら、中国軍の北への侵攻すらありうるかもしれませんね。結果的に「核も米軍もない半島」が実現するかもしれませんが、それが半島の人々の望んだ形ではないことは明らかではないでしょうか。
No.5
84ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
。  国際問題で、世界で最も権威のある研究所は外交問題評議会である。  現在この評議会会長リチャード・ハースである。元国務省政策企画局長である。国務省政策企画局長はそれぞれの時代で最も識見のあるとみられる人物がこのポストについている。  彼が、「北朝鮮にどう対応するか「北朝鮮の核開発プログラムからの10の教訓( Ten Lessons from North Korea’s Nuclear Program )」という論評を発表した。「制裁は功を奏しない、現在の情勢下では北朝鮮が核開発とミサイル開発を行うのを止められない」という論評が発表されている。すでにこのブログで紹介したが、再掲する。  。 1事実関係「北朝鮮の核開発プログラムからの10の教訓( Ten Lessons from North Korea’s Nuclear Program )、「 Project Syndicate
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。