りゃんさん のコメント
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朝鮮戦争の勃発とともに、警察予備隊が作られ、これは国会審議を経ての法律でなく、内閣が自分で出せる政令で決めました。日本国憲法の根幹、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」が侵されました。
そして、「民主主義」「自由主義」の要、報道の自由も侵されます。具体的な条文を見ます。
第一九条【思想及び良心の自由】思想及び良心の自由は、これを侵してはならない、
第二一条【集会・結社・表現の自由、通信の秘密】1 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。。
朝鮮戦争が始まったのは1950年6月25日。そして7月29日日経新聞三面は次の出しで報道します。「報道界の赤色分子解雇」この中で、各報道機関の解雇者数を次のように報じます。朝日七二、毎日四九、読売三四、日経二〇、東京九、放送協会九九、時事一六、共同三三.驚く数字です。日経新聞の見出しの「赤色分子」という表
これにたいして憲法をもちだしても、憲法をおしつけた側への意味を、法形式的にはもちません。レッドパージについては、1950年台から最近まで、共産党系のヒトビトが何度も裁判に訴えていますが、最高裁が一貫して「 GHQの指示による超憲法的な措置」として、解雇や免職は有効と結論づけているのは、そういう意味です。なお、憲法は私人間には直接適用されませんから、たとえば共同通信とそこに雇用されている人とのあいだには直接適用されないことにも注意すべきです。
こうしたルールの一方向性がいやなら、法以前の実力として対等をめざすしかありませんが、敗戦した日本にあっては、いま現在、形式的にはもちろん、実質的にもかなり独立を回復しましたが、まだ米国による支配が見え隠れするのはみなさまご承知のとおりです。
私が不思議なのは、外国などに支配されるのはいやだから、半独立状態の日本がさらに独立するために米国を追い出そう、そのためにたとえば9条を改正しようというのはわかるけれど、日本は連合国に敗戦したのだから、米国だけでなく連合国による支配を受け入れろだとか、中国はなにも悪いことはしないから中国に従えとか考えるヒトビトの存在ですね。こういうヒトたちには被支配を逃れたいという明朗な欲求からはずれた、なにか病理的なものを感じます(※)。
中国の国内政策を見ると、ルールについての一方向性が日常的に顔を出しています。中国を呼び込めば、中国の影響を受けます。ルールについての一方向性が日本でも日常的に顔を出すようになるでしょう。それは今の日本よりも良い国でしょうか。
日本人の多数派は、「権力というものへの透徹した認識」をもっていたとおもいます。それはわかりやすくいえば、世の中にユートピアはないがユートピア詐欺は存在する、という認識のことです。こういう認識をもっている人々が、いままでは日本人の比較的多数だった。
しかし、中国につけば儲かるぞ、それはユートピアだぞとおもうヒトたちが財界にも政界にも増えて、それに汚染されてまっとうな左翼もほぼいなくなったのがいまという時代に見えます。
※ このそれぞれの主張が、各人のもともとの性格と相関していそうなのも興味深い。連合国による支配を受け入れろというヒトは、支配したいヒト。たぶん、連合国と一体感があるんでしょうね。そして中国はなにも悪いことはしないから中国に従えと考えるのは、支配されることに鈍感なヒト。
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