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りゃんさん のコメント

ゼロ年代の半ばごろだったろうか、さかんにBRICSといわれた(もちろん今もいわれてはいるが)。

ブラジル、ロシア、インド、チャイナ、南アフリカのことだったとおもうが、いまおもえば【米国を中心とする西側の投資を受け入れ、米国を中心とする西側に輸出することで成長する経済モデルのくにぐに】ということだったのだろう。

いま、BRICSのなかで、この経済モデルがはっきり成功したといえるのは中国ぐらいではないか。その痕跡が、今回の記事中の数字によくあらわれている。

さて、今後このモデルに依存するなら中国の成長はどうなるだろうか。私見ではそれを決める要因は①米中の各政権によって決まる米中関係 ②中国国内事情 ③中国にかわる受け皿 だとおもう。

①はわたしにはまったくわからない。②は少なくとも短期的には中国は(1)バブル崩壊と、(2)ロシアのおろかなウクライナ侵略とウクライナ民族の抵抗に刺激された域内各民族主義の勃興、によってかなり混乱する(あるいは混乱のないように見せかけるための抑圧に多大な労力を必要とする)であろう。

そして仮に中国が米国へのサプライから切り離される方向の場合、③はどうなるだろうか。BRICSのなかで、ロシアは今回の侵略戦争によって今後50年はだめだろう。ブラジル、インド、南アフリカの事情は詳しくは知らないが、もし上述の【】がスムースに可能なら、今までにももっと成長していたはずだ。なにか中国ほどはうまくいかない要因があるのだろう。

こうしてみると、仮に中国がサプライから切り離されていくなら、その穴は、メキシコ、ベトナム、韓国、日本が埋めていくことになるのだろうとおもっている。(そしてこれが現在さまざまあるアジアの経済的あるいは軍事的枠組みに影響を与えていく。IPEF、AUKUSなど)。

そしてもうひとつある。Three Seas states というまとまりがあるらしいのだ。
https://twitter.com/visegrad24/status/1538810240728289281
「More than 500 regional and world business leaders will also meet for a business forum」とある。考えてみれば、この地域は西側と価値観が近く教育水準が高くまだ貧しい、すなわち潜在的な成長力の高い場所が多く、投資をよびこみやすい。ウクライナはEU加盟国候補とはなったが、すぐに加盟できるわけではい。しかし、このまとまりに参加することで、経済成長と将来EU加盟するために必要な国内整備をおこなうことができるだろう。ロシアも、大ロシア主義は精神的なものにとどめ、このまとまりに関与すれば経済成長を達成することができたであろうに、愚かなことであった。
No.7
29ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。