記事へ戻る りゃんさん のコメント りゃん 「秘密」のはなしがなぜWPに簡単に伝わるのか、おもしろいところだが、「この春の戦闘の増加が戦争の流れを決定する」というのは、まあ誰でも予測しているはなしで、わたしも最近このシナリオに沿った話を書いた。 わたしのシナリオでは仮に米国NATOが潤沢な武器供与を決断できなければ、ウクライナは敗北する。しかし決断できれば、ロシアの総動員兵力を押し返すことができ、その場合はあとがなくなったプーチンは核攻撃をおこなうかもしれない・・・だったが、じつはもうひとつシナリオがある。 それは、ウクライナが自国内で自国内にいるロシア軍に核攻撃することだ。このシナリオ自体は、ワルシャワ条約機構軍がドイツに侵入したときに使われうる戦術として昔いわれていたことがあるそうだが、いま「秘密」だとしたらこっちの方だろう。ロシアは、国家存立が危険なときは核兵器を使用するといっており、まさにそういう場合であるから、この核使用自体には反論できない。それに対抗して今度はロシアがウクライナ国内で核使用したら、それは侵略のための核使用ということになる。 もちろんこういうシナリオが実際におきては欲しくはない。しかしこの戦争がもともと非対称な戦争である(ロシアは核攻撃をちらつかせている、ほとんどの戦闘はロシアがウクライナ国内を攻撃しており逆は極めて少ない)ことをおもうとき、米国は反対するだろうが、ウクライナの愛国者がその非対称性に縛られる必要はないと考えても不思議ではない。万が一いったんこの事態がおきれば、ロシアが米国に、ウクライナをもっと厳重に管理するように願うようになるのではないか。 だが、実際の戦争は、こういう極端な場合を双方考慮しつつ、妥協点をさぐっていくものでもあるだろう。いつも妥協点にいくとは限らないが。 No.12 21ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています CIA長官1月ウクライナを訪れ、ゼレンスキーと会談。米国下院を共和党が支配している現在、あ... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
りゃん 「秘密」のはなしがなぜWPに簡単に伝わるのか、おもしろいところだが、「この春の戦闘の増加が戦争の流れを決定する」というのは、まあ誰でも予測しているはなしで、わたしも最近このシナリオに沿った話を書いた。 わたしのシナリオでは仮に米国NATOが潤沢な武器供与を決断できなければ、ウクライナは敗北する。しかし決断できれば、ロシアの総動員兵力を押し返すことができ、その場合はあとがなくなったプーチンは核攻撃をおこなうかもしれない・・・だったが、じつはもうひとつシナリオがある。 それは、ウクライナが自国内で自国内にいるロシア軍に核攻撃することだ。このシナリオ自体は、ワルシャワ条約機構軍がドイツに侵入したときに使われうる戦術として昔いわれていたことがあるそうだが、いま「秘密」だとしたらこっちの方だろう。ロシアは、国家存立が危険なときは核兵器を使用するといっており、まさにそういう場合であるから、この核使用自体には反論できない。それに対抗して今度はロシアがウクライナ国内で核使用したら、それは侵略のための核使用ということになる。 もちろんこういうシナリオが実際におきては欲しくはない。しかしこの戦争がもともと非対称な戦争である(ロシアは核攻撃をちらつかせている、ほとんどの戦闘はロシアがウクライナ国内を攻撃しており逆は極めて少ない)ことをおもうとき、米国は反対するだろうが、ウクライナの愛国者がその非対称性に縛られる必要はないと考えても不思議ではない。万が一いったんこの事態がおきれば、ロシアが米国に、ウクライナをもっと厳重に管理するように願うようになるのではないか。 だが、実際の戦争は、こういう極端な場合を双方考慮しつつ、妥協点をさぐっていくものでもあるだろう。いつも妥協点にいくとは限らないが。 No.12 21ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています CIA長官1月ウクライナを訪れ、ゼレンスキーと会談。米国下院を共和党が支配している現在、あ... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
わたしのシナリオでは仮に米国NATOが潤沢な武器供与を決断できなければ、ウクライナは敗北する。しかし決断できれば、ロシアの総動員兵力を押し返すことができ、その場合はあとがなくなったプーチンは核攻撃をおこなうかもしれない・・・だったが、じつはもうひとつシナリオがある。
それは、ウクライナが自国内で自国内にいるロシア軍に核攻撃することだ。このシナリオ自体は、ワルシャワ条約機構軍がドイツに侵入したときに使われうる戦術として昔いわれていたことがあるそうだが、いま「秘密」だとしたらこっちの方だろう。ロシアは、国家存立が危険なときは核兵器を使用するといっており、まさにそういう場合であるから、この核使用自体には反論できない。それに対抗して今度はロシアがウクライナ国内で核使用したら、それは侵略のための核使用ということになる。
もちろんこういうシナリオが実際におきては欲しくはない。しかしこの戦争がもともと非対称な戦争である(ロシアは核攻撃をちらつかせている、ほとんどの戦闘はロシアがウクライナ国内を攻撃しており逆は極めて少ない)ことをおもうとき、米国は反対するだろうが、ウクライナの愛国者がその非対称性に縛られる必要はないと考えても不思議ではない。万が一いったんこの事態がおきれば、ロシアが米国に、ウクライナをもっと厳重に管理するように願うようになるのではないか。
だが、実際の戦争は、こういう極端な場合を双方考慮しつつ、妥協点をさぐっていくものでもあるだろう。いつも妥協点にいくとは限らないが。
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