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中庸左派さん のコメント

 率直に言って、ウクライナには国家が破滅する要素が全て揃っていたように見える。

 経済停滞、貧困、腐敗、そして悪性ナショナリズム。

 経済停滞や不況の解決について、近視眼的悪性ナショナリズムに基づく暴力によって実現しようとしたのが、マイダンクーデターだと考えている。

 EU加盟により、本当に経済が好転したかどうか、分かったものではない。EU等、欧米のやり方は基本的に強固な緊縮財政を押し付けることによる「再建」だろう。そうなれば、一時的かどうかはわからないが、街に失業者が溢れ、公的サービスや公的機関は切り捨てられる。そんな覚悟が、マイダンクーデターに賛同し、暴力的に反対者を駆逐した連中にあったか?右派ネオナチが理解していたかどうかは怪しい。

 バンデラ主義の負の遺産と、ナチズムが結合した反ロシアのナショナリズムは、悪性ナショナリズムでしかなかった。

 現実を直視しない、冷静に物事に対処しない。

 2014年のRTの記事は、当時から指摘していた。

https://www.rt.com/op-ed/170484-no-one-cared-about-ukraine/

「理解度の問題―ウクライナの学生は一般的に、学位や卒業証書を取得するのではなく、購入することを考えると、マイダンで抗議した人々が、自分たちが何のために抗議しているのかを実際に認識していたかどうかは疑問である。ほとんどの人は、深く包括的な自由貿易協定(連合協定)と、まったく別の問題であるEU加盟の申し出とを区別することができないようでした。抗議者の多く(特に学生)は、自分たちが突然、より豊かな欧米に移住したり、少なくとも自由に旅行したりすることが許されると誤解しているようだった。これは事実ではないし、予定されていたことでもない。実際、現在の内戦から逃れてきたウクライナ人に国境を開いているように見える国はロシアだけで、EUの国境は閉ざされたままだ。

ウクライナの衰退とロシアの復活を対比してみよう。1999年にプーチン大統領が1期目を迎えて以来、メドベージェフ時代を経て、プーチン大統領の「再登場」まで、ロシアの1人当たりGNIは1,272ドルから13,711ドルへと10倍以上に増え、ヨーロッパのGNIに占めるロシアの割合は1.9%から9.8%に急増しています。(出典:クシニール、念のため)

一方、ウクライナ独立後の21年間(1991~2012年)、GNIは東欧全体の10.1%から5.3%に低下し、実質所得は横ばい、あるいは減少しているのです。マイダン後の現在、状況はさらに悪化していることは確かだ。そう考えると、クリミア人がロシアとの再統合を大喜びし、南東ウクライナの市民の多くが彼らを羨み、ロシア連邦への加盟を希望するのは不思議ではないだろうか。」

 上記の状況にも関わらず、内戦は延々と続いたわけだ。内戦やってる場合か?とツッコミたくなる。

 ウクライナはヒドイ国だ。自業自得だ。この2014年当時の記事は、さらに、こう書いている

「ウクライナに必要なのは、EUの連合協定でもIMFの緊縮プログラムでもなく、マーシャルプラン的な支援策である。EUはギリシャのような問題を抱えた既存加盟国のことで頭がいっぱいで、そんなことを考える余裕もないし、米国は大言壮語と約束ばかりで、そんなことを示唆したことすらない。ウクライナの経済を「救済」する意思と能力を持つ唯一の存在はロシア(おそらく中国との提携)であるが、今年の出来事の後、関係が分断されている今、スラブ系の兄弟でさえ、そのような賭けに出る準備ができているかどうかは疑問である。」

 10年近く後、ウクライナは唯一の頼みの綱であったロシアと戦争をしている。そして、戦争によりウクライナは崩壊の危機にある。同情の余地は、私にはあまり見いだせないが、今のウクライナから、引き出すべき教訓はあるように思える。

RT、5月4日のRuslan Kotsaba氏のインタビュー、その言葉は胸に刺さった。

https://www.rt.com/russia/575625-civilization-ends-at-war-interview/

「最悪の平和はどんな戦争にも勝る」亡命ウクライナの反体制派がゼレンスキーと自国のエリートたちに訴える

 EUより、NATOより、「民主主義」より、戦争をしないことのほうが大事だったはずだ、ウクライナを見ていると、私はそう思う。
No.7
18ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。