記事へ戻る p_fさん のコメント p_f RT 13 Jun, 2023 なぜ中国はキューバを新冷戦に引き込まないのだろう? https://www.rt.com/news/577866-china-cuba-spy-base/ 北京がワシントンの目の前に「スパイ基地」を計画しているという報道は、根拠がないが非現実的でもない- 政治アナリスト|ティムール・フォメンコ記 先週、ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された無名の情報源に基づく記事は、中国がキューバに金を払って「秘密のスパイ基地」を建設する予定だと主張した。米国に隣接するこの島は、1960年に同国で起きた共産主義革命により、冷戦の緊張の頂点であるキューバ・ミサイル危機が起きて以来、地政学上の大きな火種となってきた。 しかし、米中間の緊張が高まる中、このカリブ海の国が再び地政学的なフットボールとなり、米国を狙う手段となっていることは明らかである。米国の目と鼻の先にある共産主義国家であり、ワシントンが圧倒的に敵対し、長い間征服しようとしてきた国であるキューバを、なぜ中国は米国を困らせるために利用しないのだろうか?そうしないのは愚かなことだ。 しかし、考慮すべき背景がある。第一に、米国は現在、中国に対する極度のパラノイアに囚われている。ここ数ヶ月、中国政府に関係する ほぼ全ての事柄が、殆どの場合 証拠もなく、ある種のスパイ活動のための秘密の手段であるとして非難されている。中国に照準を合わせるものには合理的な制限がなく、「スパイ行為」の定義のハードルは非常に低く、存在しないも同然かもしれない。 第二に、米国は長い間、中国が第三国に秘密基地を建設していると根拠のない非難をし、しばしばそれらの国との関係を損なわせようとしてきた。カンボジアのいわゆる「海軍基地」、ソロモン諸島の基地、西アフリカの赤道ギニアの基地、アラブ首長国連邦の基地などなど。このことから、キューバに中国の基地があるという疑惑は、完璧なマッカーシズムのファンタジーであると言える。米国が理不尽なまでに被害妄想的になっているある共産主義国家が、同じく米国の強迫観念となっている別の共産主義国家を、ワシントンを貶めるための手段として利用しているというのだ。それはマルコ・ルビオの夢精である。 しかし、だからといって、中国にそうする正当な理由がないわけではない。被害妄想的なまでに、現在、中国の周辺部の完全な軍事化を進めているのは米国である。米国は各国に軍事基地や防衛協定を増やすよう働きかけ、毎日のように北京への偵察飛行を行い、南シナ海や台湾海峡に軍艦を航行させている。米国は、中国を監視し、対峙する神聖な権利があると信じており、中国が報復すれば、悪者は中国だということになる。 だから、もしあなたが中国なら、キューバの存在を利用し、米国を同じ目に遭わせてやろうと思わないだろうか。キューバは勿論、中国の台頭と役割をあからさまに歓迎している。ハバナは、60年もの間、米国による経済封鎖を受け、米国はキューバを貧しくして潰し、政権を奪おうとしてきた。冷戦終結後、ソビエト連邦の崩壊により、キューバは孤立し、弱体化した。過去数十年の出来事を考えると、一極集中の時代に米国がキューバへの公然たる侵攻を決断しなかったことは奇跡としか言いようがない。その時代には、他の幾つかの「反米」政権がそのような運命をたどったのである。 このように、経済大国として もう一つの長きに亘る共産主義 友好国の台頭はキューバにとって多大な恩恵となる。何故ならキューバに貿易、投資、そして勿論、地政学的な保護の拠り所として新たな選択肢を与えることになるからである。 キューバは、中国の一帯一路構想(BRI)の重要なパートナーとなっており、中国はキューバにおける港湾の近代化、通信インフラの構築、エネルギー分野での協力に取り組んでいる。 ラテンアメリカ諸国は全体として、中国との関係を強化してきたが、それはまさに、この地域を長らく一方的に米国の好みに従わせてきた米国覇権から逃れることができるからだ。 しかし、特にキューバは、ワシントンが台湾に挑発的に干渉していることから、中国が米国に対してレバレッジを効かせることができるため、「スパイ基地」の構想は現実的である。北京とハバナの関係が軍事同盟になることはなく、かつての冷戦の再現もないだろうが、米国に対応し封じ込めるための重要な戦略パートナーである。勿論、キューバは米国にとって危険な存在ではないが、イデオロギー的には厄介で脅威である。キューバが米国に対抗するには、米国の試み―キューバの首を絞め、封じ込め、繁栄を止めようとすること―が決して成功しないようにする以外に、どんな方法があるだろうか。中国政府は、ハバナが経済発展によって成功するべきだと考えており、スパイ基地であろうとなかろうと、それはここで行うことである。 No.8 18ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています 多くの日本人に知られていない欧州世論調査:台湾問題で中国と米国・台湾の間で紛争発生時欧... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
p_f RT 13 Jun, 2023 なぜ中国はキューバを新冷戦に引き込まないのだろう? https://www.rt.com/news/577866-china-cuba-spy-base/ 北京がワシントンの目の前に「スパイ基地」を計画しているという報道は、根拠がないが非現実的でもない- 政治アナリスト|ティムール・フォメンコ記 先週、ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された無名の情報源に基づく記事は、中国がキューバに金を払って「秘密のスパイ基地」を建設する予定だと主張した。米国に隣接するこの島は、1960年に同国で起きた共産主義革命により、冷戦の緊張の頂点であるキューバ・ミサイル危機が起きて以来、地政学上の大きな火種となってきた。 しかし、米中間の緊張が高まる中、このカリブ海の国が再び地政学的なフットボールとなり、米国を狙う手段となっていることは明らかである。米国の目と鼻の先にある共産主義国家であり、ワシントンが圧倒的に敵対し、長い間征服しようとしてきた国であるキューバを、なぜ中国は米国を困らせるために利用しないのだろうか?そうしないのは愚かなことだ。 しかし、考慮すべき背景がある。第一に、米国は現在、中国に対する極度のパラノイアに囚われている。ここ数ヶ月、中国政府に関係する ほぼ全ての事柄が、殆どの場合 証拠もなく、ある種のスパイ活動のための秘密の手段であるとして非難されている。中国に照準を合わせるものには合理的な制限がなく、「スパイ行為」の定義のハードルは非常に低く、存在しないも同然かもしれない。 第二に、米国は長い間、中国が第三国に秘密基地を建設していると根拠のない非難をし、しばしばそれらの国との関係を損なわせようとしてきた。カンボジアのいわゆる「海軍基地」、ソロモン諸島の基地、西アフリカの赤道ギニアの基地、アラブ首長国連邦の基地などなど。このことから、キューバに中国の基地があるという疑惑は、完璧なマッカーシズムのファンタジーであると言える。米国が理不尽なまでに被害妄想的になっているある共産主義国家が、同じく米国の強迫観念となっている別の共産主義国家を、ワシントンを貶めるための手段として利用しているというのだ。それはマルコ・ルビオの夢精である。 しかし、だからといって、中国にそうする正当な理由がないわけではない。被害妄想的なまでに、現在、中国の周辺部の完全な軍事化を進めているのは米国である。米国は各国に軍事基地や防衛協定を増やすよう働きかけ、毎日のように北京への偵察飛行を行い、南シナ海や台湾海峡に軍艦を航行させている。米国は、中国を監視し、対峙する神聖な権利があると信じており、中国が報復すれば、悪者は中国だということになる。 だから、もしあなたが中国なら、キューバの存在を利用し、米国を同じ目に遭わせてやろうと思わないだろうか。キューバは勿論、中国の台頭と役割をあからさまに歓迎している。ハバナは、60年もの間、米国による経済封鎖を受け、米国はキューバを貧しくして潰し、政権を奪おうとしてきた。冷戦終結後、ソビエト連邦の崩壊により、キューバは孤立し、弱体化した。過去数十年の出来事を考えると、一極集中の時代に米国がキューバへの公然たる侵攻を決断しなかったことは奇跡としか言いようがない。その時代には、他の幾つかの「反米」政権がそのような運命をたどったのである。 このように、経済大国として もう一つの長きに亘る共産主義 友好国の台頭はキューバにとって多大な恩恵となる。何故ならキューバに貿易、投資、そして勿論、地政学的な保護の拠り所として新たな選択肢を与えることになるからである。 キューバは、中国の一帯一路構想(BRI)の重要なパートナーとなっており、中国はキューバにおける港湾の近代化、通信インフラの構築、エネルギー分野での協力に取り組んでいる。 ラテンアメリカ諸国は全体として、中国との関係を強化してきたが、それはまさに、この地域を長らく一方的に米国の好みに従わせてきた米国覇権から逃れることができるからだ。 しかし、特にキューバは、ワシントンが台湾に挑発的に干渉していることから、中国が米国に対してレバレッジを効かせることができるため、「スパイ基地」の構想は現実的である。北京とハバナの関係が軍事同盟になることはなく、かつての冷戦の再現もないだろうが、米国に対応し封じ込めるための重要な戦略パートナーである。勿論、キューバは米国にとって危険な存在ではないが、イデオロギー的には厄介で脅威である。キューバが米国に対抗するには、米国の試み―キューバの首を絞め、封じ込め、繁栄を止めようとすること―が決して成功しないようにする以外に、どんな方法があるだろうか。中国政府は、ハバナが経済発展によって成功するべきだと考えており、スパイ基地であろうとなかろうと、それはここで行うことである。 No.8 18ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています 多くの日本人に知られていない欧州世論調査:台湾問題で中国と米国・台湾の間で紛争発生時欧... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
なぜ中国はキューバを新冷戦に引き込まないのだろう?
https://www.rt.com/news/577866-china-cuba-spy-base/
北京がワシントンの目の前に「スパイ基地」を計画しているという報道は、根拠がないが非現実的でもない-
政治アナリスト|ティムール・フォメンコ記
先週、ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された無名の情報源に基づく記事は、中国がキューバに金を払って「秘密のスパイ基地」を建設する予定だと主張した。米国に隣接するこの島は、1960年に同国で起きた共産主義革命により、冷戦の緊張の頂点であるキューバ・ミサイル危機が起きて以来、地政学上の大きな火種となってきた。
しかし、米中間の緊張が高まる中、このカリブ海の国が再び地政学的なフットボールとなり、米国を狙う手段となっていることは明らかである。米国の目と鼻の先にある共産主義国家であり、ワシントンが圧倒的に敵対し、長い間征服しようとしてきた国であるキューバを、なぜ中国は米国を困らせるために利用しないのだろうか?そうしないのは愚かなことだ。
しかし、考慮すべき背景がある。第一に、米国は現在、中国に対する極度のパラノイアに囚われている。ここ数ヶ月、中国政府に関係する ほぼ全ての事柄が、殆どの場合 証拠もなく、ある種のスパイ活動のための秘密の手段であるとして非難されている。中国に照準を合わせるものには合理的な制限がなく、「スパイ行為」の定義のハードルは非常に低く、存在しないも同然かもしれない。
第二に、米国は長い間、中国が第三国に秘密基地を建設していると根拠のない非難をし、しばしばそれらの国との関係を損なわせようとしてきた。カンボジアのいわゆる「海軍基地」、ソロモン諸島の基地、西アフリカの赤道ギニアの基地、アラブ首長国連邦の基地などなど。このことから、キューバに中国の基地があるという疑惑は、完璧なマッカーシズムのファンタジーであると言える。米国が理不尽なまでに被害妄想的になっているある共産主義国家が、同じく米国の強迫観念となっている別の共産主義国家を、ワシントンを貶めるための手段として利用しているというのだ。それはマルコ・ルビオの夢精である。
しかし、だからといって、中国にそうする正当な理由がないわけではない。被害妄想的なまでに、現在、中国の周辺部の完全な軍事化を進めているのは米国である。米国は各国に軍事基地や防衛協定を増やすよう働きかけ、毎日のように北京への偵察飛行を行い、南シナ海や台湾海峡に軍艦を航行させている。米国は、中国を監視し、対峙する神聖な権利があると信じており、中国が報復すれば、悪者は中国だということになる。
だから、もしあなたが中国なら、キューバの存在を利用し、米国を同じ目に遭わせてやろうと思わないだろうか。キューバは勿論、中国の台頭と役割をあからさまに歓迎している。ハバナは、60年もの間、米国による経済封鎖を受け、米国はキューバを貧しくして潰し、政権を奪おうとしてきた。冷戦終結後、ソビエト連邦の崩壊により、キューバは孤立し、弱体化した。過去数十年の出来事を考えると、一極集中の時代に米国がキューバへの公然たる侵攻を決断しなかったことは奇跡としか言いようがない。その時代には、他の幾つかの「反米」政権がそのような運命をたどったのである。
このように、経済大国として もう一つの長きに亘る共産主義 友好国の台頭はキューバにとって多大な恩恵となる。何故ならキューバに貿易、投資、そして勿論、地政学的な保護の拠り所として新たな選択肢を与えることになるからである。 キューバは、中国の一帯一路構想(BRI)の重要なパートナーとなっており、中国はキューバにおける港湾の近代化、通信インフラの構築、エネルギー分野での協力に取り組んでいる。 ラテンアメリカ諸国は全体として、中国との関係を強化してきたが、それはまさに、この地域を長らく一方的に米国の好みに従わせてきた米国覇権から逃れることができるからだ。
しかし、特にキューバは、ワシントンが台湾に挑発的に干渉していることから、中国が米国に対してレバレッジを効かせることができるため、「スパイ基地」の構想は現実的である。北京とハバナの関係が軍事同盟になることはなく、かつての冷戦の再現もないだろうが、米国に対応し封じ込めるための重要な戦略パートナーである。勿論、キューバは米国にとって危険な存在ではないが、イデオロギー的には厄介で脅威である。キューバが米国に対抗するには、米国の試み―キューバの首を絞め、封じ込め、繁栄を止めようとすること―が決して成功しないようにする以外に、どんな方法があるだろうか。中国政府は、ハバナが経済発展によって成功するべきだと考えており、スパイ基地であろうとなかろうと、それはここで行うことである。
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