記事へ戻る 中庸左派さん のコメント 中庸左派 この問題を考える上では、同時に「分配」の問題を考えていかないといけない。 https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei0110/01.htm 「所得再分配機能 所得税や相続税には、経済力のある人により大きな負担を求める累進性があり、社会保障給付等の歳出とあいまって、所得や資産の再分配を果たす役割を果たしています。」 >1970年(度)以降の国のデータを調べると、税金や社会保険料の支払いが所得に占める「国民負担率」が高まるにつれ「結婚・出生数」が減っており、両者の「負の相関」がきわめて強いことが分かった。 この記事は、租税や社会保障保険料等が少なければ、少ないほど、出生率が上がるかの書きぶりである。 果たしてそうだろうか? 小さな政府は、レッセフェール、自由放任社会である。ヒトは人生において、様々困難に直面する。生まれながらの貧困、生まれながらの大金持ち。社会は基本的に不平等である。強者と弱者は必ず存在する。 では、人間社会は弱肉強食でよいのか? 良いはずがない。強者はともかく、弱者が直面するさらなる困難を、租税の分配機能により補完することで、社会的公正を担保するのである。 その上で、日本の国民負担率は、おおいのか?少ないのか? https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/itn_comparison/j01.htm 多いとは言えない。ただし、少子高齢化により社会保障費が増大し、以前と比較すると国民負担率が上昇傾向にあることは事実だ。 https://biz-journal.jp/2023/07/post_355175.html しかし、だからといって、経済成長のみの観点から、自由放任主義や新自由主義的小さな政府を目指すことは、人間社会の進歩という歴史に背を向けた、誤りだと言わざるを得ない。 事実現実は、アベノミクスが唱導したトリクルダウン理論(富める者が富めば、貧しい者にも自然に富がこぼれ落ち、経済全体が良くなるとする経済理論)は破綻したからだ。 経済的な格差を示す指標であるジニ係数は、日本はG7のなかで高い方である。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA138ZA0T11C21A0000000/ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA04A8T0U2A200C2000000/ また、これは最近の記事であるが、「日本の相対的貧困率、米韓にも抜かれ先進国最悪に」とある。 https://news.yahoo.co.jp/articles/9d1c62c596e566ccd21b9e1007cf68d37bb18478 さて、出生率にハナシを戻すと、他国はどうだろうか?例えば、出生率向上の優等生と言われるフランス。 https://ecodb.net/ranking/group/XB/wb_tfrtin.html フランスの国民負担率は、約70%だが、日本の国民負担率48%より出生率は高い。同様のことは、ドイツについても言える。 従って、単に国民負担率と出生率を比較して、負の相関があるから、国民負担率を低く抑えるべき、或いは減税するべき、というギロンは偏っていて、近視眼的ではないかと考える。 日本は、社会保障支出において、子育て支援費や教育費の支出が脆弱或いはワースト何位みたいな状況が久しい。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/175496 https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20221004-OYT1T50131/ これは、明らかに分配政策の失敗だと考えている。その問題意識を抜きにして、経済成長のために減税を、みたいなギロンは何度同じ過ちを繰り返すのか?そう言いたい。 租税による所得再分配機能を無視した国民負担率のギロンは著しくバランスを欠く。端的に言えば、経済成長と高齢者福祉に大きく偏った見方が日本の社会経済を大きく歪め続けている。それが私の問題意識である。 大事なことは、国民負担率の大小ではなく、子育て支援や教育といった若年層を支えるための公的投資の拡大であり、その意味での公正公平な所得再分配政策である。 No.4 15ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています 国民負担率48%、出生81万人は「負の相関」 サラリーマン増税回避こそ少子化対策(産経)。... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
中庸左派 この問題を考える上では、同時に「分配」の問題を考えていかないといけない。 https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei0110/01.htm 「所得再分配機能 所得税や相続税には、経済力のある人により大きな負担を求める累進性があり、社会保障給付等の歳出とあいまって、所得や資産の再分配を果たす役割を果たしています。」 >1970年(度)以降の国のデータを調べると、税金や社会保険料の支払いが所得に占める「国民負担率」が高まるにつれ「結婚・出生数」が減っており、両者の「負の相関」がきわめて強いことが分かった。 この記事は、租税や社会保障保険料等が少なければ、少ないほど、出生率が上がるかの書きぶりである。 果たしてそうだろうか? 小さな政府は、レッセフェール、自由放任社会である。ヒトは人生において、様々困難に直面する。生まれながらの貧困、生まれながらの大金持ち。社会は基本的に不平等である。強者と弱者は必ず存在する。 では、人間社会は弱肉強食でよいのか? 良いはずがない。強者はともかく、弱者が直面するさらなる困難を、租税の分配機能により補完することで、社会的公正を担保するのである。 その上で、日本の国民負担率は、おおいのか?少ないのか? https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/itn_comparison/j01.htm 多いとは言えない。ただし、少子高齢化により社会保障費が増大し、以前と比較すると国民負担率が上昇傾向にあることは事実だ。 https://biz-journal.jp/2023/07/post_355175.html しかし、だからといって、経済成長のみの観点から、自由放任主義や新自由主義的小さな政府を目指すことは、人間社会の進歩という歴史に背を向けた、誤りだと言わざるを得ない。 事実現実は、アベノミクスが唱導したトリクルダウン理論(富める者が富めば、貧しい者にも自然に富がこぼれ落ち、経済全体が良くなるとする経済理論)は破綻したからだ。 経済的な格差を示す指標であるジニ係数は、日本はG7のなかで高い方である。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA138ZA0T11C21A0000000/ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA04A8T0U2A200C2000000/ また、これは最近の記事であるが、「日本の相対的貧困率、米韓にも抜かれ先進国最悪に」とある。 https://news.yahoo.co.jp/articles/9d1c62c596e566ccd21b9e1007cf68d37bb18478 さて、出生率にハナシを戻すと、他国はどうだろうか?例えば、出生率向上の優等生と言われるフランス。 https://ecodb.net/ranking/group/XB/wb_tfrtin.html フランスの国民負担率は、約70%だが、日本の国民負担率48%より出生率は高い。同様のことは、ドイツについても言える。 従って、単に国民負担率と出生率を比較して、負の相関があるから、国民負担率を低く抑えるべき、或いは減税するべき、というギロンは偏っていて、近視眼的ではないかと考える。 日本は、社会保障支出において、子育て支援費や教育費の支出が脆弱或いはワースト何位みたいな状況が久しい。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/175496 https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20221004-OYT1T50131/ これは、明らかに分配政策の失敗だと考えている。その問題意識を抜きにして、経済成長のために減税を、みたいなギロンは何度同じ過ちを繰り返すのか?そう言いたい。 租税による所得再分配機能を無視した国民負担率のギロンは著しくバランスを欠く。端的に言えば、経済成長と高齢者福祉に大きく偏った見方が日本の社会経済を大きく歪め続けている。それが私の問題意識である。 大事なことは、国民負担率の大小ではなく、子育て支援や教育といった若年層を支えるための公的投資の拡大であり、その意味での公正公平な所得再分配政策である。 No.4 15ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています 国民負担率48%、出生81万人は「負の相関」 サラリーマン増税回避こそ少子化対策(産経)。... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei0110/01.htm
「所得再分配機能 所得税や相続税には、経済力のある人により大きな負担を求める累進性があり、社会保障給付等の歳出とあいまって、所得や資産の再分配を果たす役割を果たしています。」
>1970年(度)以降の国のデータを調べると、税金や社会保険料の支払いが所得に占める「国民負担率」が高まるにつれ「結婚・出生数」が減っており、両者の「負の相関」がきわめて強いことが分かった。
この記事は、租税や社会保障保険料等が少なければ、少ないほど、出生率が上がるかの書きぶりである。
果たしてそうだろうか?
小さな政府は、レッセフェール、自由放任社会である。ヒトは人生において、様々困難に直面する。生まれながらの貧困、生まれながらの大金持ち。社会は基本的に不平等である。強者と弱者は必ず存在する。
では、人間社会は弱肉強食でよいのか?
良いはずがない。強者はともかく、弱者が直面するさらなる困難を、租税の分配機能により補完することで、社会的公正を担保するのである。
その上で、日本の国民負担率は、おおいのか?少ないのか?
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/itn_comparison/j01.htm
多いとは言えない。ただし、少子高齢化により社会保障費が増大し、以前と比較すると国民負担率が上昇傾向にあることは事実だ。
https://biz-journal.jp/2023/07/post_355175.html
しかし、だからといって、経済成長のみの観点から、自由放任主義や新自由主義的小さな政府を目指すことは、人間社会の進歩という歴史に背を向けた、誤りだと言わざるを得ない。
事実現実は、アベノミクスが唱導したトリクルダウン理論(富める者が富めば、貧しい者にも自然に富がこぼれ落ち、経済全体が良くなるとする経済理論)は破綻したからだ。
経済的な格差を示す指標であるジニ係数は、日本はG7のなかで高い方である。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA138ZA0T11C21A0000000/
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA04A8T0U2A200C2000000/
また、これは最近の記事であるが、「日本の相対的貧困率、米韓にも抜かれ先進国最悪に」とある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d1c62c596e566ccd21b9e1007cf68d37bb18478
さて、出生率にハナシを戻すと、他国はどうだろうか?例えば、出生率向上の優等生と言われるフランス。
https://ecodb.net/ranking/group/XB/wb_tfrtin.html
フランスの国民負担率は、約70%だが、日本の国民負担率48%より出生率は高い。同様のことは、ドイツについても言える。
従って、単に国民負担率と出生率を比較して、負の相関があるから、国民負担率を低く抑えるべき、或いは減税するべき、というギロンは偏っていて、近視眼的ではないかと考える。
日本は、社会保障支出において、子育て支援費や教育費の支出が脆弱或いはワースト何位みたいな状況が久しい。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/175496
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20221004-OYT1T50131/
これは、明らかに分配政策の失敗だと考えている。その問題意識を抜きにして、経済成長のために減税を、みたいなギロンは何度同じ過ちを繰り返すのか?そう言いたい。
租税による所得再分配機能を無視した国民負担率のギロンは著しくバランスを欠く。端的に言えば、経済成長と高齢者福祉に大きく偏った見方が日本の社会経済を大きく歪め続けている。それが私の問題意識である。
大事なことは、国民負担率の大小ではなく、子育て支援や教育といった若年層を支えるための公的投資の拡大であり、その意味での公正公平な所得再分配政策である。
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