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中庸左派さん のコメント

 こういう事実現実を目の当たりにすると、日本はホントにゆでガエルだなぁ、という感想を持たざるを得ない。

 ただ、個人的な優先順位で言うなら、私の「切り口」乃至関心事は、戦争をしない国、ということなので、所謂「国力」のような切り口から物事を考えてはいない。

 だから、日本が経済大国の位置から滑り落ちる、とか科学技術立国という看板に偽りありも実は最大の関心事ではない。

 私は、日本は戦争をしない、戦争に関わらない、戦争をしている国に仲裁に入る、そんな国であって欲しい、と常々考えている。

 それこそが、私にとっての「徳のある国」というイメージである。

 その理想と「国力」は同一線上にあるとは考えていない。

 私が考える、戦争をしない国という概念は、若者たちを大切にする国である。若者たちを戦場に送り、死を強制することはあってはならない。国を守る、という美名の下に、若者たちの命を差し出してはならない。

 我々、人生の年輪を重ねた者達の役割は、若者たちの自己実現のジャマをしないこと。彼ら彼女らの人生が開花する基盤を整えること、それに尽きる。

 そして、戦争こそは若者たちに対する最大の「疎外」要因だと考えている。

 そんな「切り口」で考えてみると、問題は「教育機関への公的支出割合、日本はワースト2位」という、若者たちの軽視である。

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20221004-OYT1T50131/

 もう一つ脳裏をよぎることは、2000年に入ってすぐ、前半に国公立大学の法人化が行われた。これは、失敗だったのではないか。

 私の受け止め方では、国公立大学の法人化は、当時の流行であった新自由主義改革の一貫であったと認識している。要は、アメリカ帝国の差し金。

 今の国公立大学の学費は高すぎる。私立大学に至っては、貧乏人は入る必要なし、と言っているに等しい。

 学費が壁になって、優秀な人材の大学入学は阻まれていないか?私は危惧している。

 私の学生時代は、国公立大学の学費は今から見ると、タダくらいのカンジであったと思う。

 それに、爆上がりする大学学費を規制する学生運動も、今は消滅した。私の学生時代は学費値上げを、大学当局が提案しようものなら、学生活動家がこぞって、大学当局を吊し上げにしたものだ。

 今はそんな心配もなく、大学に巣食うジジイ、ババアが、好き放題学生達から搾り取れる環境ではないか。自らの保身のために。

 私はジブンたちさえ良ければよい大学人が多数いるであろうことを、この歳になると、なんとなく分かる。

 何れにせよ、若者たちを大切にするなら、結果的に「国力」はついてくるだろう。

 老い先短いジジイババアが、ジブンたちに都合良い国造りをして、若者たちを顧みないなら、経済大国も科学技術立国も看板倒れになるのは必定。

 ついでに言うと、最近、テレビでやたらと日本の素晴らしさなるものを、外国人に言わせる番組が目につく。気色悪い。私は、気持ち悪いから、スグチャンネルを変える。

 こういう点も、事実現実を見ないゆでガエル化した日本国の傍証だと考えている。
No.8
14ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。