記事へ戻る りゃんさん のコメント りゃん これは内幕が今のところよくわからず、元ネタの毎日新聞も解説記事を今のところ出してないようだ。深い解説記事が欲しいところだ。 インド・東南アジア専門の国際政治学者伊藤融は、The Hindu(インドの主要紙のひとつらしい)の内幕記事を引用し、内容を次のようにまとめている。 ===== G20宣言のコンセンサスについて、The Hindu のSuhasini Haidarによれば、 ・交渉は金曜夜中、会議当日も続けられた。 ・日本が橋渡し役として貢献した。 ・EUは宣言が出せず「G20は終わった」とみなされ、BRICSやG7に取って代わられるのを避けたかったのでインド案を受入れ。 https://twitter.com/itoToru1969/status/1700669208135401893 ===== 他のXでの情報(噂話レベルだが、それぞれ専門家)などもあわせて整合的に解釈すると、 1,モディが確信犯的に独断専行した面が強い(日本以外も知らされてなかった国々は多い?)。 2,日本は橋渡し役としてなんらかの貢献をした。 3,欧米は受けいれた。その理由は、「西側諸国がインドを中国への対抗軸として見ており、共同宣言なしにG20議長国を終わらせたくな」かった、「インドに外交的勝利を与えたいと、西側が望んでいるのは明らかだった。そのために妥協は不可欠だった」から(https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66771576)。 4,ラブロフ音頭で踊っているヒトビトがいる。 というあたりが事実なのだろうと今のところは想像している。 なお、BRICSではなくインドの思惑に各国が協力したのだというのは、今回の孫崎さんの引用した記事(5の9月10日NHK)だけでも明らかだと見える。 というのも、ジャイシャンカル外相は「インドネシア、インド、ブラジル、南アフリカといった新興国が主導的な役割を果たした」と言ったとあり、ここには、中共(BRICS最重要メンバー)の名前がなく、インドネシア(非BRICSメンバー)の名前があるからだ(それも一番に!)。当該NHK記事にも「グローバル・サウスの国々が」と書いているが、「BRICSが」とは書いていない。 インドネシアは昨年のG20宣言でロシアを名指しした議長国だったが、今回はモディに協力したと考えられる。個人的にはこのあたりの解説がとくに待たれる。 念のため説明すると、孫崎さんのいう「BRICS+新規加盟国のGDP合計はG7合計よりも大きい」というのは事実だが、その大きくは中共とインドで占める。そして中共とインドは様々な点で協調してないことを忘れてはならない。さらに、アジアでこの10年高度成長してきたのは、中共、インドの次にインドネシア(くりかえすが今のところは非BRICSメンバー)なのであり、インドネシアもインドも、さらなる発展のためには、日欧米のさらなる投資が欲しいだろう。ここに日本はどう取り組むかが今後数十年重要なのだろう。なおインドは「インド・中東「回廊」構想」に今回合意している。 https://www.sankei.com/article/20230910-QID3PW6Q5ZM2RDSPCBRWFTVBVY/ 宣言文全体は外務省のホームページで読める。日本語仮訳もある。わたしは仮訳のほうをざっと読んでみたが、たしかにロシアという名指しはされてないものの、その点以外は十分にロシアが批難されていると読めた。 No.7 14ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています G20の動向、一つのリトマス紙はウクライナ問題。共同声明で露を明示的に非難せず。G7では「... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
りゃん これは内幕が今のところよくわからず、元ネタの毎日新聞も解説記事を今のところ出してないようだ。深い解説記事が欲しいところだ。 インド・東南アジア専門の国際政治学者伊藤融は、The Hindu(インドの主要紙のひとつらしい)の内幕記事を引用し、内容を次のようにまとめている。 ===== G20宣言のコンセンサスについて、The Hindu のSuhasini Haidarによれば、 ・交渉は金曜夜中、会議当日も続けられた。 ・日本が橋渡し役として貢献した。 ・EUは宣言が出せず「G20は終わった」とみなされ、BRICSやG7に取って代わられるのを避けたかったのでインド案を受入れ。 https://twitter.com/itoToru1969/status/1700669208135401893 ===== 他のXでの情報(噂話レベルだが、それぞれ専門家)などもあわせて整合的に解釈すると、 1,モディが確信犯的に独断専行した面が強い(日本以外も知らされてなかった国々は多い?)。 2,日本は橋渡し役としてなんらかの貢献をした。 3,欧米は受けいれた。その理由は、「西側諸国がインドを中国への対抗軸として見ており、共同宣言なしにG20議長国を終わらせたくな」かった、「インドに外交的勝利を与えたいと、西側が望んでいるのは明らかだった。そのために妥協は不可欠だった」から(https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66771576)。 4,ラブロフ音頭で踊っているヒトビトがいる。 というあたりが事実なのだろうと今のところは想像している。 なお、BRICSではなくインドの思惑に各国が協力したのだというのは、今回の孫崎さんの引用した記事(5の9月10日NHK)だけでも明らかだと見える。 というのも、ジャイシャンカル外相は「インドネシア、インド、ブラジル、南アフリカといった新興国が主導的な役割を果たした」と言ったとあり、ここには、中共(BRICS最重要メンバー)の名前がなく、インドネシア(非BRICSメンバー)の名前があるからだ(それも一番に!)。当該NHK記事にも「グローバル・サウスの国々が」と書いているが、「BRICSが」とは書いていない。 インドネシアは昨年のG20宣言でロシアを名指しした議長国だったが、今回はモディに協力したと考えられる。個人的にはこのあたりの解説がとくに待たれる。 念のため説明すると、孫崎さんのいう「BRICS+新規加盟国のGDP合計はG7合計よりも大きい」というのは事実だが、その大きくは中共とインドで占める。そして中共とインドは様々な点で協調してないことを忘れてはならない。さらに、アジアでこの10年高度成長してきたのは、中共、インドの次にインドネシア(くりかえすが今のところは非BRICSメンバー)なのであり、インドネシアもインドも、さらなる発展のためには、日欧米のさらなる投資が欲しいだろう。ここに日本はどう取り組むかが今後数十年重要なのだろう。なおインドは「インド・中東「回廊」構想」に今回合意している。 https://www.sankei.com/article/20230910-QID3PW6Q5ZM2RDSPCBRWFTVBVY/ 宣言文全体は外務省のホームページで読める。日本語仮訳もある。わたしは仮訳のほうをざっと読んでみたが、たしかにロシアという名指しはされてないものの、その点以外は十分にロシアが批難されていると読めた。 No.7 14ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています G20の動向、一つのリトマス紙はウクライナ問題。共同声明で露を明示的に非難せず。G7では「... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
インド・東南アジア専門の国際政治学者伊藤融は、The Hindu(インドの主要紙のひとつらしい)の内幕記事を引用し、内容を次のようにまとめている。
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G20宣言のコンセンサスについて、The Hindu のSuhasini Haidarによれば、
・交渉は金曜夜中、会議当日も続けられた。
・日本が橋渡し役として貢献した。
・EUは宣言が出せず「G20は終わった」とみなされ、BRICSやG7に取って代わられるのを避けたかったのでインド案を受入れ。
https://twitter.com/itoToru1969/status/1700669208135401893
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他のXでの情報(噂話レベルだが、それぞれ専門家)などもあわせて整合的に解釈すると、
1,モディが確信犯的に独断専行した面が強い(日本以外も知らされてなかった国々は多い?)。
2,日本は橋渡し役としてなんらかの貢献をした。
3,欧米は受けいれた。その理由は、「西側諸国がインドを中国への対抗軸として見ており、共同宣言なしにG20議長国を終わらせたくな」かった、「インドに外交的勝利を与えたいと、西側が望んでいるのは明らかだった。そのために妥協は不可欠だった」から(https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66771576)。
4,ラブロフ音頭で踊っているヒトビトがいる。
というあたりが事実なのだろうと今のところは想像している。
なお、BRICSではなくインドの思惑に各国が協力したのだというのは、今回の孫崎さんの引用した記事(5の9月10日NHK)だけでも明らかだと見える。
というのも、ジャイシャンカル外相は「インドネシア、インド、ブラジル、南アフリカといった新興国が主導的な役割を果たした」と言ったとあり、ここには、中共(BRICS最重要メンバー)の名前がなく、インドネシア(非BRICSメンバー)の名前があるからだ(それも一番に!)。当該NHK記事にも「グローバル・サウスの国々が」と書いているが、「BRICSが」とは書いていない。
インドネシアは昨年のG20宣言でロシアを名指しした議長国だったが、今回はモディに協力したと考えられる。個人的にはこのあたりの解説がとくに待たれる。
念のため説明すると、孫崎さんのいう「BRICS+新規加盟国のGDP合計はG7合計よりも大きい」というのは事実だが、その大きくは中共とインドで占める。そして中共とインドは様々な点で協調してないことを忘れてはならない。さらに、アジアでこの10年高度成長してきたのは、中共、インドの次にインドネシア(くりかえすが今のところは非BRICSメンバー)なのであり、インドネシアもインドも、さらなる発展のためには、日欧米のさらなる投資が欲しいだろう。ここに日本はどう取り組むかが今後数十年重要なのだろう。なおインドは「インド・中東「回廊」構想」に今回合意している。
https://www.sankei.com/article/20230910-QID3PW6Q5ZM2RDSPCBRWFTVBVY/
宣言文全体は外務省のホームページで読める。日本語仮訳もある。わたしは仮訳のほうをざっと読んでみたが、たしかにロシアという名指しはされてないものの、その点以外は十分にロシアが批難されていると読めた。
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