中庸左派さん のコメント
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先進国での出生率が下降しているが、日本は世界のほぼ最低。合わせて日本の平均年齢が高いので、人口構成で老人層が最も高い国になる。そのことは、従来型の社会保障制度の維持が困難になっていくことを示している。 各々の国の将来を考察する上で、出生率が言及される。特に中国やロシアを論ずる時、出生率の低さを社会の不安定さと結び付け論じられる。 不思議に国家が異なっても、地域ごとに何か共通の物がみられる。 CIA ・ FACTBOOK の数字を利用し整理してみたい。(出生率 Birth rate は、人口 1,000 人あたりの年間平均出生数を比較する。粗出生率 crude birth rate. とも呼ばれる。) ()内は世界での番数 A:G 7諸国 (148): 米国12.2 (148),フランス10.9、英国10.8、ドイツ9,イタリア7, 日本6.9 (225) B; 東アジア 北朝鮮13.4,中国9.7,台湾7.3、韓国7, 日本6
ロイターの報道では「日本政府のトップ報道官は、政府は保育の拡充や若年労働者の賃金引き上げ促進など、少子化に対処するために「前例のない措置」を講じると述べた。」とのことだ。
「若年労働者の賃金引き上げ促進」とは、低賃金の非正規労働の問題と言い換えてよいのではないか?
https://www.reuters.com/world/asia-pacific/number-births-japan-hits-record-low-2023-2024-02-27/
日経連が「新時代の日本的経営」を発表したのは、1995年であった。これにより、「終身雇用」路線を止めて、非正規を増やして、総人件費を抑制し、一方で「能力主義」がもてはやされるようになった。
時代の流行は、ソ連邦型社会主義が崩壊し、新自由主義とか自己責任論にとって変わりつつあった。日経連のエリートは日本の競争力を高めたいと企図したのだろうが、どうやら、浅はかだったようだ。
それから約30年。出生率から見たら、この「新時代の日本的経営」は、日本を衰退に導く、失敗政策と見るべきだろう。
今や、出生率以前の結婚も出来ない、社会保障どころか社会からも、取り残された「アンダークラス」という層が増大するという状況だ。
「若者の2割がアンダークラス 非正規、低賃金、未婚でぎりぎりの生活」ということも言われている。
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00691/
https://book.asahi.com/jinbun/article/14343399
私は組合の活動家をしてきたので、上記の問題は自らの大いなる関心事であった。しかし、現実的には大企業ばかりを組織した産別組合では、非正規雇用問題は遠い課題でしかなかった思われる。
さて、出生率からハナシを変えてしまう形で恐縮だが、乳児死亡率という概念がある。かつてエマニュエル・トッド氏は乳児死亡率や出生率の多寡から、ソ連邦の崩壊を予測したという。
--------ここから引用-------------
トッドは人為的につり上げられた米国のGDP、社会の一般的なレベルを示す米国の幼児死亡率、自殺と個人に対する犯罪の統計に注意を向けている。最後の3つの指標によると、トッド氏によれば「経済と社会は安定している」米国はロシアよりもはるかに悪いようだ。
--------引用終わり---------
https://vpk.name/en/819288_the-french-thinker-predicts-the-end-of-the-hegemony-of-the-west.html
そこで、参考までに、「世界の乳児死亡率 国別ランキング」を紹介したい。
https://www.globalnote.jp/post-12582.html
この指標では日本は優等生。ロシア、中国、アメリカ帝国で比較すると、最も成績が悪いのはアメリカ帝国であった。
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