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NakaBBさん のコメント

たしかピカソだったと思うけれど、「芸術とは真実を映し出すための嘘なのだ」というようなことをいっていますね。芸術はその時代にあった手法を使って、その時代の本質を映し出していなければ芸術とはいえません。ピカソはそのときの自分に忠実な手法を使ってわりと素直な表現をしている方だと思います。正直だからこそ評価されているのです。けれどピカソの作品は決して合理的なものの見方では理解されないはずです。ピカソの作品はその中に流れる悲哀を理解しなければ決してわからないだろうと思います。それは結構多くの20世紀の画家に共通していて、ルオーやキリコなども例外ではないですよね。
 ダンブラウンは才能ある作家ですよね。発想もオリジナリティがあるし、なるほどと思わせる説得力もある。ダビンチコードはもうあらすじも忘れましたが、イエスの子孫を根絶やしにすることに執念を燃やす団体がいるというのは面白いなと思いました。その執念がどこから来るのか、そしてそれを守ろうとする教会とは何なのか、すべては作家の心の中にあるのだろうと思います。それが人々を魅了する。不思議な話だと思いますね。けれどすべてがエンターテイメントにされてしまうのは残念です。そこにはもっと考えるべきことがたくさんあるはずなのにすべてが時の軽さに忘れ去られていく。おおくのハリウッドの映画がそうです。パンピーの意識は、それを生み出した作家の意識に届くことなく消費されてしまう。そういう乖離が特に20世紀以降顕著になっている気がします。多分そこには深い理由がある気がします。
No.2
128ヶ月前
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  「小説」と名うったものを書いた。  そして反応を見ると、驚くほど多くの人が小説とはこういうものと固定観念を持って、この基準で批判しようとされていることである。  絵というものを見よう。  印象派登場前、絵画の世界、特にフランスではアカデミーが主流であり、印象派などの手法を嫌った。こんなものは絵画でないと罵った。「絵画とはこういう風に書くもの」いう固定概念があった。  しかし、印象派、フォービズム、抽象画さらにはプリミティブ等様々なスタイルがあり、絵画とはこういう風に書くべきもの、その作風から外れているという批判は、少なくとも今日、欧米では聞かれないであろう。特にプリミティブは稚拙的な印象を与えるものであるから、批評家からみれば「これなんだ」という話になる。ルソー等多くのフアンがいる。  表現したいものに合わせてスタイルが出てくる。  ところが日本ではいまだ、小説の分野には芥川賞や、直
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。