tako2008さん のコメント
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A 事実関係
【モスクワ時事】19日付のロシア経済紙コメルサントは、ロシアが最新鋭の戦闘機24機を中国に売却する契約を結んだと伝えた。国営防衛企業ロステクのチェメゾフ最高経営責任者(CEO)が同紙に「対中供給に向けた長期間の協議が終了し、中ロは契約にサインした」と明言した。
契約額は20億ドル(約2400億円)規模で、1機当たり8300万ドル(約100億円)の計算。ロシアが最新鋭のスホイ35を外国に供給するのは今回の中国が初めて。
ロシアは中国によるコピー生産を警戒。協議は難航が伝えられたが、今回の契約はウクライナ危機後に接近した中ロの軍事協力の象徴とも言えそうだ。プーチン大統領は17日、モスクワで会談した中国中央軍事委員会の許其亮副主席に対し「ロシアは軍事協力を継続する意思がある」と表明したばかり。( 2015/11/19 )
B 評価
・スホイ35戦闘機
最大速度:マッ
中国との軍事的対立は愚策です。
外交的手段による安全保障策がもっとも現実的です。
これらを考察する上で重要なのは、領土問題にどう対応するか
であり、それ以外は特に軍事的脅威には当たりません。
中東問題に比べれば、遥かに解決が容易であり、本来は大騒ぎして
過剰に危惧するべき問題というわけでもない。
尖閣問題の対応については、これはもう孫崎先生が第一人者のような
ものであり、いまさらここで議論をするまでもないでしょう。
後は、「やるかやらないか」であり、政治家が決断するだけです。
安倍政権は絶対に解決しようとはしないでしょうが。
問題は、今騒がれている南シナ海です。
最も我が国に必要なことは、正確な状況を把握し理解すること。
中国が南シナ海に拘る理由。
それは南シナ海の軍事化が「対米核抑止戦略」の一環であり、
中国の安全保障上の要所であるからです。
南シナ海の人工島とは、中国にとって、現代版の「万里の長城」であり、
これは蛮族(米軍)の進入を防ぐための防衛的なものなのです。
米国は海外に多くの軍事基地を持ちます。それは中国の周辺も含めて。
しかし、一方の中国は、海外に軍事基地を持ちません。
もし中国が、米国の周辺国であるキューバやベネズエラに軍事基地を
持ったりしたら、米国はどのような反応をするでしょうか。
ましてや、米国が周辺国と一緒に、集団的自衛権だ、軍事演習だなど
過剰なほどの敵視政策をとったとすればどう対応するか。
南シナ海問題については、軍事ジャーナリストの田岡俊次氏が
冷静、公正な視点で、この問題を分析しておられます。
<南シナ海の米中対立は「出来レース」だ!>
http://diamond.jp/articles/-/80874?page=2
「中国の弾道ミサイル原潜は、かつては対立したソ連に近い黄海の
最奥部の遼東湾を基地にしていたが、遼東湾の水深は25m程度、
黄海北部も浅いから、船底から司令塔の上端まで20m余ある大型の
原潜は延々と浮上航走しないと出動できず、丸見えになる。」
「このため中国海軍は深い南シナ海に面した海南島の三亜付近に
潜水艦基地を造り、潜水艦が隠れるトンネルも掘っている。」
<ロイター:なぜ中国は南シナ海に滑走路を造るのか>
http://toyokeizai.net/articles/-/85160
「中国本土の安全保障を専門とする嶺南大学(香港)の張泊匯氏は、
対潜水艦防衛力の強化が、同国の核抑止戦略の中核をなす晋型原子力
潜水艦の活動を守ることにも役立つとし、「中国の原子力潜水艦が
有事に活動する際、多大な安全をもたらすことになるだろう」と語った
このような問題は、別に中国と米国に限った話ではありません。
ロシアがウクライナ問題に敏感であり、NATO拡大を懸念する理由が
やはり「対米核抑止戦略」にあるからです。
<プーチン:世界地図に米基地を書き入れてみよ>
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=92341
「ロシアは海外にほとんど基地をもっていません。我々は、
ソ連時代の軍隊の残りを、アフガニスタンとの境界のタジキスタン
に置いていますが、これはテロリストの脅威が特に高い地域です」
「アメリカの潜水艦は、ノルウェーの海岸沖を恒常的に哨戒して
います。それらは17分でモスクワに達するミサイルを備えています。
しかし我々は、とうの昔にキューバの我々の基地をすべて取り壊し、
非戦略的基地さえありません。それでも我々を攻撃的と呼びますか」
ようするに、南シナ海問題というのは、領土問題・資源問題といった
側面は確かにありますが、本質的は米中の覇権争いなのです。
それゆえ、周辺国としていは、良い迷惑であり、我が国はこの問題に
軍事的に深く関与するべきではありません。
米国を防衛するために日本が存在しているわけではないのですから。
日米同盟の「目的」を履き違えてはいけない。
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