p_fさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
『日米同盟の正体』は2009年発行の本である。講談社は今回19刷を行った。
めまぐるしく変わる国際政治の中で、何故2009年に刊行した本が今も有用か。
集団的自衛権は日本を守るためでない。米国戦略に自衛隊を使うシステムである。
では米国の戦略とは何か。
大きな転換期は冷戦の終結である。
それまで、米国の軍事はソ連の軍事的脅威を相手に構築した。そのソ連が崩壊した。とすれば、米軍は削減していい。しかし米軍はそれをしなかった。米軍の水準を維持した。当然世論はなぜ必要かを問う。そこで新たな敵が規定された。イラン、イラク、北朝鮮である。しかし、彼らはまだ弱い。自ら米国に仕掛ける力なんてない。それで不安定な国々に大量破壊兵器を持たすのは危険だと、米国が積極的に仕掛ける戦略を形成した。しかし、米国単独で行えば、米国の軍事負担が大きく、ドイツ、日本は経済に特化する。それを許
*
◇日米同盟の正体を明かした外務省OB
驚愕の本がまたひとつ出た。元駐イラン大使であり現防衛大学校教授の孫崎享氏の手による「日米同盟の正体 迷走する安全保障」(講談社現代新書)という近刊書である。
この本の何が驚愕なのか。それは、日本を守ってくれているはずの日米安保体制(日米同盟)が、国民の知らない間に、完全に米国の戦争協力の道具に変えられてしまっている現実を白日の下にさらしたからだ。
この本の何が驚愕なのか。それは、国会承認条約である日米安保条約が、2005年10月29日の「日米同盟:未来のための変革と再編」という一片の行政合意で、いとも簡単に否定されてしまった事を国民に教えたからだ。
法秩序の下克上が起きていたのだ。
この本の何が驚愕なのか。それはもはや米国にとっての唯一、最大の脅威は、中東の「テロ」であり、これからの日米同盟とは、米国の「テロ」との戦いに日本がどうやって協力させられていくかという事でしかない、その事を明らかにしたからだ。
これらの指摘は、なにも目新しい事はない。私が繰り返して指摘してきた事だ。
左翼イデオロギー政党、政治家や学者、有識者がさんざん警鐘を鳴らしてきた事だ。
しかし官僚組織からはじき出された私が何を言っても影響力はない。左翼政治家や学者、有識者がどんなに正しい事を言ったところで、権力側は相手にしない。
権力側についたメディアはまともにとりあげない。だから国民はいつまでたっても本当の事に気づかない。
しかし孫崎氏は違う。私の3年先輩に当たる孫崎氏は、外交官として任期をまっとうした元外交官だ。国際情報局長という幹部職を経歴し、駐イラン大使を最後に退官した後は、防衛大学校へ天下って今日に至っている人物である。
その経歴を考えるとまさしく権力側に身を置いて、権力側について飯を食ってきた要人である。日本政府の安全保障政策を担ってきた一人である。
その彼が、日本の国是である日米安保体制の正体を明らかにし、もはや日米同盟は空洞化していると公に宣言したのだ。これを驚愕と言わずして何と言うのか。
Post