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麻雀最強戦2014ファイナルB卓 観戦記
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麻雀最強戦2014ファイナルB卓 観戦記

2014-12-16 10:00
    麻雀最強戦ファイナルで繰り広げられた激闘を紹介!

    ファイナルA卓と比べて対戦メンバーが埋まるのが遅かったのがこのB卓である。新鋭プロ代表決定戦で小林剛が優勝したのが7月で、その後、フジテレビワンツーネクストカップで徳井健太、十段位・櫻井秀樹、最高位・村上淳と決まっていったが、メンバーが決まったのが一番遅い卓でもあった。

    このB卓の戦いを一言でまとめるならコバゴーワールド全開だ。とにかく小林が終始場をリードしていた。

    小林の長所はとにかく手数の多さにある。良く仕掛け、良く守り、時にリーチで打点を稼ぐ。その小林が東1局、親で早速仕掛けていった。
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    3巡目で形は悪い。頑張ってアガったところで高くはない。手牌を短くすることで守備力も下がる。が、これを仕掛けるのがコバゴー流である。安くても粘って連荘することで親の権利を維持できるし、相手のアガリを阻止することができる。この局、結局小林は500オールを決める。

    pai_s_1p.jpgpai_s_1p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_8m.jpg ツモpai_s_5s.jpg pai_s_hatsu.jpgpai_r_hatsu.jpgpai_s_hatsu.jpg ドラpai_s_3m.jpg

    仕掛けの多い打ち手=安手が多い、という印象を持っている人は少なくないが、仕掛けて前に出てこられるのはそれなりに圧力を受ける。特に小林の上家に座った櫻井は、小林の仕掛けへの対応に相当神経を使ったはずだ。この局、pai_s_hatsu.jpgをポンして次々に手出しを入れる小林をみて、

    櫻井「どっから仕掛けとんねん!」

    と思ったかもしれない(注:あくまで筆者の想像です。後日、本人に取材しますので)。

    だが、その毒は櫻井に少し効いていたようだ。続く東1局1本場、pai_s_2s.jpgポン、pai_s_ton.jpgポンと仕掛けた小林。それに対し櫻井の手牌はこうである。
    pai_s_3m.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_9p.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_chun.jpg ツモpai_s_6s.jpg ドラpai_s_chun.jpg

    元々、櫻井はこの形からpai_s_2s.jpgpai_s_ton.jpgと捨て、それを小林に鳴かれている。pai_s_ton.jpgをポンされたとき、コメント欄には「甘いだろ」といった言葉も並んだが、リャンメン2つのイーシャンテンだし個人的にはまぁpai_s_ton.jpgまでは打つんじゃないかな、と思った。

    だが、このpai_s_6s.jpgはどうだろうか? そもそもドラのpai_s_chun.jpgが浮いている形である。pai_s_chun.jpgが何とかならない以上、ここは一旦引くかなと思った。が、櫻井はpai_s_6s.jpgをツモ切り、これが小林に絶好の牌でチーされてしまう。
    pai_s_1s.jpgpai_s_1s.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_8s.jpg pai_r_6s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_7s.jpg pai_r_ton.jpgpai_s_ton.jpgpai_s_ton.jpg pai_r_2s.jpgpai_s_2s.jpgpai_s_2s.jpg ドラpai_s_chun.jpg

    おそらく櫻井も、相手が小林でなければこのpai_s_6s.jpgを止めていたのではないだろうか? 前局、小林がかなり遠い仕掛けをしているのは手出しの多さから容易に想像できる。この局もそのパターンと考え、「今度は踊らされないぞ」という思いがあったかもしれない。結果は流局となったが、小林の存在感がますます強くなる一局だった。



    今回は小林ファンの視聴も多かったのか、コメント欄に小林の思考を代弁する顔文字(゜―゜)つきのコメントがにぎやかで、他の視聴者を盛り上げていたのが面白かった。
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    小場で先手有利な状況で局が進んだが、全員がメンゼンでチャンス手になったのが東4局である。まず先手を取ったのが南家・小林。pai_s_2s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_8s.jpgの3メンチャンでリーチをかける。
    pai_s_1s.jpgpai_s_1s.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_9m.jpgpai_s_9m.jpgpai_s_9m.jpg ドラpai_s_8s.jpg

    これに対し西家・村上はドラ2チートイツでテンパイ。場に1枚切れのpai_s_haku.jpgで追っかけた。
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    この局は親の櫻井も123の三色イーシャンテン、徳井もピンフイーシャンテンの手が入っており、いつメクリ合いに参戦しても不思議ではなかった。だが、徳井はテンパイを入れたものの無スジのpai_s_4s.jpgを押し切れずオリ、そして櫻井はイーシャンテンのままテンパイが入らず…。

    決着は村上が3枚目のpai_s_8s.jpgを掴んで放銃。裏はなく2600の失点だったが、アガれる可能性も十分とふんだpai_s_haku.jpg単騎だけに、悔しい放銃となった。これで小林の持ち点は3万点を超え、東場を折り返す。



    よく「遠いところから食い仕掛けてもなかなか決まらない」と言われるが、小林はそんなことお構いなく仕掛け、そして何度もアガリを決めている。小林の食い仕掛けがなぜ精度が高いのか。それは、メンツ選択の正確さと、常にオリへの準備を怠らないところにある。

    そこを示したのが南2局の仕掛けだ。東家・村上の第一打pai_s_haku.jpgを仕掛けたところである。
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    ここで小林の思考を解説の片山さんが推理する。
    片山「2フーロは意外と慎重ですからね、コバゴーは。10枚と7枚では守備力が全然違う、って(小林は)言ってましたよ。無闇矢鱈に仕掛けているわけではない」

    その守備力の高さをあらわす一打がこれである。
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    まだ2シャンテンだが、ここで安全牌のpai_s_hatsu.jpgを残し、将来的に危なくなりそうなpai_s_4p.jpgをトイツで落としていくのである。まっすぐ攻めるならpai_s_hatsu.jpgをツモ切ってpai_s_pe.jpgpai_s_4p.jpgのポン材を残すところだが、pai_s_pe.jpgをポンした後は手中に危険牌しか残らない。この構えが失点を招くのである。人一倍仕掛ける打ち手だからこそ、安全意識は高く持たねばならないということがよく分かる。良く走り・よく守り・よく打つ。まるでイチローじゃないか(゚∀゚)



    小林は親で村上から親満をアガって大きくリードを広げる。だが、頭取りの戦いでは圧勝のままゴールするケースはそう多くない。この半荘も、ずっと配給原点を維持していた櫻井がラス親で粘りをみせる。

    南4局ではメンタンピンツモの2600オール。
    pai_s_1p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_8m.jpgpai_s_8m.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_6s.jpg リーチツモpai_s_3s.jpg ドラpai_s_7s.jpg 裏ドラpai_s_3s.jpg

    4000オール条件となった1本場ではやや遠めから仕掛けてのタンヤオトイトイ。が、ここは流局。
    pai_s_3p.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_6m.jpg pai_s_8p.jpgpai_s_8p.jpgpai_r_8p.jpg pai_s_3s.jpgpai_r_3s.jpgpai_s_3s.jpg ドラpai_s_sha.jpg

    じわじわと迫りくるラス親の恐怖。ひとつ高い手に飛び込めばあっという間に終わってしまう。できるだけ安全に自力決着をつけられる場所を小林は探していた。

    南4局2本場、ようやくその機が訪れた。ドラのpai_s_chun.jpgを捨てている櫻井がpai_s_9p.jpgをポン。pai_s_chun.jpgは小林も1枚捨てているため、pai_s_chun.jpg暗刻はない。ということは直撃されても即終了とはならない可能性が大ということが明らかになったのだ。

    これを見た小林はシャンポンからリャンメンに振り変わったところでリーチを敢行。数巡後に見事pai_s_7s.jpgを引き、決勝卓への切符を勝ち取った。
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