片山「とりあえず、最強戦ファイナルの前にマカオでの世界大会があるんですよ。それも緊張する大会なので、今は違うルールの麻雀を練習してます。気持ちの調整という意味ではいつもよりバタバタすると思います。帰国後、最強戦まで1週間もありませんが、帰ってきてから主戦場でもある自分のお店のフリー(ミスチョイス)で打ちまくります。調整といってよいかどうかは分かりませんが、しかも赤入りですが、実戦感覚は万全で臨めると思います。赤入りだけに押し引きや仕掛けの部分で少し違うかもしれませんけどね」
片山「平均すると週に30Gぐらいですかね」
片山「解説ってやっぱり、プレイヤーの『どうしてこれを切ったのか?』を言えないといけないじゃないですか。でも、実際には分からないことも多くて。で、プロのもう1人の解説者に、それを『あれ? 何でこれ切ったんだろうね?』って聞く立場を取ることが僕は多いんです。で、もう1『それはこう考えていたんじゃないですか』って言われて『ああ、なるほど。そうかも知れないね』って。つまり、自分で麻雀を見ながら、自分で勉強して色んなプレイヤーの心理とか戦略を学べるという非常にお得な感じですね。実際、その知識は自分の麻雀に取り入れてますね。『この戦略はいいなぁ』とか『この作戦は今度使おう』とか。僕は結構いいトコ取りの麻雀なんで。彼らから得た知識は積み重なっていると思います」
片山「魚谷さんについてですが、『女流プロの中で誰が一番強いか?』という話題が出たとき、僕はいつも魚谷さんがダントツで一番強いって言っているほど、彼女の強さを認めています。そのぐらい麻雀で尊敬できるプロなので。女流プロの多くは、メンゼンであまり動かないというタイプが多いと思うのですが、魚谷さんはそこにとらわれず時には動きを入れてきますね。オールラウンドな打ち手なんですよ。仕掛けからヤミテン、オリ、形式テンパイの取り方など何でもできる。しかも、彼女はもの凄く努力していますし。もちろん他の女流プロの方も努力はしていますが、魚谷さんの勝ちたいという気持ちと努力のエネルギー量は他と全然違うと思います。だから、ここしばらくは彼女はずっと強いんじゃないかな」
片山「僕は昔より自分の麻雀は強くなったと思います。ただ、周りの人たちも昔より凄く強くなっていて、実はその差は前より拡がっているんじゃないか、と思っています。昔は、麻雀の知識とか戦略の深さとかが今ほどなかったような気がするんです。でも、今は皆それぞれ勉強して、気付いて、もの凄く深いところまで考えています。プロというか麻雀の専門家をリスペクトしています。だからトータル的な雀力では僕は、プロ3人と打って勝つという自信はないです。でも、『勝てる』って思っているよりかは、『いや~、3人厳しいな』という心理状態はけっこう自分にとってプラスだと思うんですよ。第1回の最強戦のとき、出場16人のなかで僕がダントツで下手だと思っていました。で、相手3人の強さを認めてリスペクトしながら打っていたら、うっかり優勝しちゃいました。今回も当時の心理状態に近いので、相手をリスペクトして謙虚に打って。そうすれば、わりと、うっかり優勝するチャンスがあるんじゃないかな。これはオカルトシステム№1ですよ。これを駆使して、うっかり勝ちたいです」