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2015年11月28日、最強戦ファイナル出場を賭けた「サイバーカップ」に8名の選手が出場。今回は予選A卓の戦いをレポートします。


予選B卓には起家から、鈴木達也・勝又健志・じゃい・多井隆晴の4名が出場した。

まず先行したのが起家の達也だ。
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東家・達也は2巡目でこの形。
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ここで達也はpai_s_7s.jpg切りを選択。素直な一打のようだが、達也をよく知る者にとっては違和感を持ったかもしれない。手にはpai_s_7m.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_7s.jpgという567の三色の種があり、それを追うのが達也という打ち手だからだ。

達也「三色もありましたが、最初は親で様子をみたくて気持ちよくリーチを打てることを優先させ、ストレートに打ちました。あと、三色よりは縦(トイツ手)を考えてました」

このあたりが普段のリーグ戦と一発勝負で違うところなのだろうか。達也はpai_s_9s.jpgpai_s_chun.jpgのシャンポンでリーチをかけ、親満に仕上げた。
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これを見た相手はさぞかしシビれたであろう。なぜなら、リーチの時点でpai_s_9s.jpgpai_s_chun.jpgは場に3枚見えていて、最後のpai_s_chun.jpgを一発でツモられたからである。

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続く1本場でも達也はダブpai_s_ton.jpgを暗刻にしたテンパイを入れる。だが、ピンズに感触がないと踏んで一旦カンpai_s_6p.jpgのテンパイを外し、pai_s_5s.jpgpai_s_8s.jpg待ちに組み直してリーチをかけた。

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これを決められたら、決勝の椅子は残り1つになるのが濃厚。ただ、飛び込むわけにもいかない。達也の連荘はまず堅そうなところだったが、多井がそれを阻止した。

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テンパイしたのが15巡目。高め三色だが、あまりにもpai_s_2m.jpgpai_s_5m.jpgが場に出すぎておりアガリの可能性は非常に低い。一応、pai_s_2m.jpgpai_s_5m.jpgは達也の現物だが、テンパイ打牌が達也に通っていないpai_s_1p.jpgだったのでヤミでもまず出ない。何とかテンパイだけ維持できれば、と思っていたところのアガリだった。多井にとっては嬉しいアガリだったに違いない。

続く東2局では親の勝又にチャンスがやってきた。
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ドラのpai_s_8s.jpgが2枚ある配牌を手にした勝又。この手を何とか物にしたい。が、下家のじゃいが2巡目からpai_s_ton.jpgpai_s_pe.jpgを立て続けにポンして前に出る。

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南家・じゃいの手牌
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じゃいの仕掛けは基本的に高いことが多い。仕掛けてもストレートにテンパイに向かわず、高くなりそうな牌を残していく。この手もトイトイかマンズのホンイツを目指して次のツモを待っていた。

これをみた勝又も動き出す。上家から出たpai_s_5s.jpgをリャンメンでチー。
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残った形は決して良いとはいえないが、傍観していてはじゃいに押し切られてしまう。この勝又の動きもあり、多井・達也は早々に撤収を決断。序盤から勝又・じゃいのタイマン勝負となる。だが、勝又の手が次々に進み、先に親満のテンパイを入れた。

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この時点でじゃいの手牌はこの形。
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勝又の捨て牌をご覧いただくと分かるが、この時点でじゃいは相当追い込まれている。ドラがpai_s_8s.jpgであるにもかかわらずリャンメンでpai_s_5s.jpgをチーした勝又にドラがトイツ以上で含まれているのは想定内。かつ最終手出しがpai_s_6m.jpgならpai_s_3m.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_8m.jpgは切りづらい。もちろんpai_s_7p.jpgも通っておらず、安心して捨てられるのはpai_s_9m.jpgぐらいしかない。


だが、勝又も裏目を引いてしまった。
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多井・達也が早々に白旗を挙げている以上、ここでフリテンに受け直す手もなくはない。だが、じゃいがツモ切りを続けている以上、出アガリの可能性も残したい。ここでpai_s_5m.jpgをツモ切った勝又。これをじゃいがチーして3フーロ。

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さすがにテンパイを取るかと思ったが、じゃいはここでpai_s_7p.jpg切り。ホンイツへ向かってテンパイを崩したのだ。ただ、これは単に高い手を狙っただけではなく、pai_s_5p.jpgが4枚場に見えたこと(勝又にpai_s_5p.jpgまたぎのリャンメン待ちが否定された)も影響していたはず。アガるというより凌ぐためのテンパイ崩しだ。と、理屈では分かってもなかなかこうは打てないものだ。

その後、勝又は再びpai_s_5m.jpgを引くが前述した通りの理由+pai_s_2m.jpgもじゃいに打ちづらくなったためカンpai_s_3m.jpg待ちを維持。その直後にpai_s_6m.jpgを引いた勝又の心中如何ばかりか。

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さらに勝又はpai_s_7m.jpgを引いてツモ切り。これをじゃいがチーして裸単騎のテンパイ。
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結果、流局となり勝又・じゃいの2人テンパイとなる。勝又としては悔しい一局となったに違いない。



達也が頭一つリードし、あとの3人が競り合いという状況で迎えた南場。ここで達也が決定打を放つ。
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序盤から早めにマンズのホンイツへ向かった親の達也。4巡目にはドラのpai_s_9s.jpgを手放し、他家に対してもやる気を見せている。そして9巡目に分岐点を迎えた。
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pai_s_6m.jpgを重ね、メンツ手でもチートイツでも2シャンテンとなった。両天秤をかけるなら場に1枚切れのpai_s_ton.jpgpai_s_nan.jpgを捨てるところ。だが、達也はここでチートイツに決め、場に2枚切れのpai_s_4m.jpgを放った。

ここに同じくチートイツ狙いの勝又がテンパイ。
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達也と北家の多井の手にpai_s_5s.jpgがないことを読み、pai_s_5s.jpg単騎の即リーチを敢行。これも勝又ならではの鋭い待ちである。

この後、達也にもpai_s_1m.jpgが重なりメンホンチートイツのテンパイが入る。
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勝又の捨て牌にはpai_s_ton.jpgpai_s_nan.jpgもある。が、達也は迷わずすっとpai_s_nan.jpgを捨ててpai_s_ton.jpg待ちに構えた。

この両者に挟まれて困ったのが多井である。
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勝又の捨て牌は平凡な捨て牌で、そもそも通っている筋が少ない。唯一のスジ牌のpai_s_2m.jpgも達也に対して切れるか? ドラを早々に切り飛ばし、マンズの一色手に向かっている達也からはpai_s_4m.jpgpai_s_nan.jpgが余っている。いきなり窮地に立たされた多井が選んだのは、勝又の現物のpai_s_ton.jpgだった。

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この放銃で多井は一気に苦しくなる。達也がpai_s_ton.jpg待ちを選んだことも多井にとっては不運。pai_s_nan.jpg待ちなら達也がすぐにpai_s_nan.jpgをツモって6000オールを決めており、達也はダントツになるが、残る決勝の椅子を争う3人に差はつかなかったからだ。



ここから2番手の椅子をめぐって勝又がスパートをかける。
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南1局3本場ではメンピンドラ1を達也からロン。続く親番で2600オールを決め、じゃいとの点差を8200まで広げる。
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そして迎えたオーラス。親の多井がリーチを受けながら、じゃいが追いついた。
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多井のリーチ棒が出ているため、2位勝又との差は実質6500差。567の三色になるpai_s_5p.jpgでアガれば文句なしだが、pai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpgツモなら裏ドラが必要だ(pai_s_8p.jpgツモで裏無しなら勝又・じゃいが同点となり起家に近い勝又が上位になるため)。まず、多井からpai_s_7p.jpgが放たれ、これは裏2条件となるので当然の見逃し。そしてじゃいがpai_s_8p.jpgをツモった。裏が乗らなければ負けの手で、全く迷うことなく手牌を倒したのである。
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じゃい「乗ると思ってましたよ」
と対局後に語ったじゃい。裏ドラをめくるとそこにはpai_s_5m.jpgが寝ていた。これで達也とともに決勝進出を果たした。