あなたは、長い将来健康でいるために、今どんなことに気をつけていますか?
今回は、人間の寿命についての相談をもとに、人間の健康寿命を伸ばすためのプロテインサイクリングとホルミーシス仮説について解説させてもらいます。
Q. 一昔前は人生50年と言われましたが 、人生100年ということについてどう思いますか?
様々なデータを見てみると人間の寿命は125歳から150歳ぐらいだと言われています。
これは脳の寿命です。
癌になったり様々な病気で人は死んでしまいますが、これは現代医療の進化というよりも、どちらかと言うと公衆衛生や食べ物が良くなり、人間の肉体が脳よりも先に朽ちることが少なくなってきたからです。
ですから、オートファジーやアンチエイジングが流行っていますが、肉体の若さや健康を保つことができれば、脳が衰えて死ぬことは少ないわけです。
血管や循環器系などのケアができれば脳の寿命自体は125年以上もあります。人間はまだまだ長生きすることができると思います。
以上がDaiGo師匠からの回答でした。
人間の老化を止める秘訣とは?!
今回は、プロテインサイクリングとホルミーシス仮説について解説させてもらいます。
ホルミーシス仮説というのは、簡単に言うと、人間の体に適度なストレスをかけると生物として体が活性化するという考え方です。
ミトコンドリアの活性が上がったり、老化した細胞や機能不全を起こしているタンパク質が処理されて新しいタンパク質を生み出してくれます。
要するに、体がピンチの状態になったら体内からベストな状態に戻して、そのピンチと戦うための準備をしてくれます。
その生理作用をホルミーシスと言います。
断食やオートファジーも基本的な考え方は同じです。
体に適度なストレスや喝を入れることで、体が頑張ってくれるとか正常な状態に戻してくれるという考え方がホルミーシス仮説です。
その中にプロテインサイクリングという考え方があります。
長生きをしたいのであれば、成長期は別として、タンパク質の摂取量を落として体を休ませるモードに入れる必要があります。
体を修復モードにする時には、タンパク質がたくさん入ってきてしまうと、体はそれを使って栄養を蓄えておこうとしてしまいます。
そのタンパク質を一定期間制限することによって、体が本来持っている修復能力を引っ張り出して、アンチエイジングや長生きにつなげようというのがプロテインサイクリングという理論です。
健康と長生きを考えるためのおすすめ本
長生きするための重要な要素である「オートファジー」について学ぶのであれば、こちらの本がかなり詳しく紹介してくれています。
体にいい食べ物とか寿命が縮む食事方法など色々と言われますが、実は、これはかなりの部分が遺伝子によります。
例えば、「タバコが体に悪い」という議論に対して、「タバコを吸っていても120歳まで生きた人がいる」ということを言う人がいます。
これも遺伝子によって違ってきます。
その人はタバコを吸っても長生きできる遺伝子をたまたま持っていただけかもしれません。
ほとんどの人はその遺伝子を持っていないからタバコは吸わない方がいいわけです。
食事も全く同じです。
糖質をたくさん摂取しても太らない人もいれば、少しだけの糖質でもとても太ってしまう人もいます。
このようなことは遺伝子によって違ってきます。
自分の遺伝子がどのような状態にあるのかを知りたい方はこちらの本を読んでみてください。
こちらは、人間がどうすれば長生きできるのかということを、幅広く扱ってくれている本です。
LIFE SCIENCE(ライフサイエンス) 長生きせざるをえない時代の生命科学講義
こちらは、長生きするための「オートファジー」についてかなり詳しく紹介してくれています。
SWITCH(スイッチ)オートファジーで手に入れる究極の健康長寿
この本は、「オートファジー」について、図解でガッツリ解説してくれているので、しっかり学びたい方はもちろん、健康について知りたい方も参考になると思います。
実験医学増刊 Vol.35 No.15 The オートファジー 研究者たちの集大成が見える最新ビジュアルテキスト
ホルミーシス仮説の発見
これはマサチューセッツ大学アマースト校の毒物学者エドワード・カラブレーゼ博士によるものです。
極めて生存能力が高いとされているペパーミントに対して、薄めた除草剤をまくと、除草剤をまかない場合に比べてペパーミントは40%も背が高くなってしまい葉もたくさん伸びていました。
これがホルミーシス仮説の発見に繋がりました。
普通に考えると、除草剤をまけば枯れなかったとしても成長したりはしないはずです。
薄められた除草剤によってペパーミントはストレスを与えられ、それに負けないために大きく育って、栄養を蓄えるために葉も大きくして強くなったわけです。
老化速度が遅い地域の人々
人間の老化が遅い地域があります。
その地域の人たちのライフスタイルの特徴を調べる研究は色々とあります。
例えば、最近は少し変わってきていますが、日本でも沖縄は長生きするとよく言われました。
ということは、昔の沖縄の人たちの食生活やライフスタイルを学べば長生きできるのではないかという議論もありました。
このような研究が世界中で行われています。
ギリシャ人やキリスト教の特定の修道院や宗派の人は、寿命が長く見た目も若々しいと言われています。
この人たちのわかりやすい特徴としては粗食が多いことです。
1970年頃から行われている「沖縄百寿者研究」という研究があります。
最近は現代食が増えて変わってきていますが、もともと沖縄県民はとても健康寿命が長いという特徴がありました。
この研究が行われた当時は、沖縄県民は人生の97%を体に特に障害もなく健康的に過ごしていたそうです。
寿命が100歳までだとしたら97歳まで特に問題なくアクティブに生活していたのが当時の沖縄県民です。
当時の沖縄県は所得が低くカロリー摂取量も消費量も他の都道府県に比べて2割も低くなっていました。
つまり、食べている量も少なく消費しているカロリーも少ない上に所得も低かったわけです。
普通に考えると寿命は短くなりそうな気がしますが、実際には逆だったということです。
長生きに繋がる8つの食習慣とは?!
この研究では、長生きの秘訣は食生活にあると言われています。
その8つのポイントを紹介させてもらいます。
ポイント1 :低 GI 食
GI 値が1から55の低 GI 食がポイントです。
白米やパンは高 GI 食で、芋や大豆は低 GI 食です。
もともと沖縄の人たちは低 GI の炭水化物を多く摂取していました。
特にサツマイモと大豆が多かったそうです。
しかも、総摂取カロリーの半分がサツマイモからだったということです。
サツマイモを主食にした方がいいのかもしれません。
ポイント2 :豆類
豆腐や味噌のような加工された豆類を豊富に摂取していたそうです。
さらに、沖縄の豆腐と他の都道府県の豆腐とは全くイメージが違います。
沖縄の豆腐は水分が少なく有用な豆由来の脂質やタンパク質が多かったそうです。
ポイント3 :魚が多く肉類と乳製品が少ない
当然ですが魚はたくさん食べていて、肉類や乳製品はあまり食べなかったということです。
魚をしっかり食べるためには、やはりおすすめはサバ缶です。
余計なものも含まれていないのでこれらがいいと思います。
伊藤食品 美味しい鯖水煮 黒胡椒・にんにく入 190g 1箱(24缶)
ポイント4 :適度な飲酒
昔から適度の飲酒はむしろ体にいいと言われますが、これも健康的で長生きな沖縄県民の特徴だったそうです。
世界中のブルーゾーンでも結構お酒を飲んでいる人は多いです。
ポイント5 :カロリー摂取量が少ない
先ほども紹介しましたが、カロリー摂取量が少ないという特徴もありました。
当時の沖縄の人たちのデータを見ると、1日のカロリー摂取量は1,780kcal ほどでした。
平均的な体型から計算した維持カロリーは2,000kcal ほどだったので、11%から15%ほど少なめのカロリー摂取量だったようです。
ポイント6 :魚のオメガ3
さらに、魚をたくさん食べて魚のオメガ3の摂取量も多かったということもわかっています。
オメガ3脂肪酸はサプリの場合には酸化していることが多いので、基本的には魚から摂るようにしてください。
ポイント7 :飽和脂肪酸に対する一価不飽和脂肪酸の比率が高い
これも結局は魚をしっかり食べろということです。
ポイント8 :果物とタンパク質の摂取量が少なく食物繊維が多い
他の県の人に比べて果物とタンパク質は少なめで、野菜をたくさん食べて食物繊維の摂取量がかなり多かったそうです。
ビーガンの人が少しお肉を食べると一番体にいいと言いますが、それがまさに当時の沖縄の人たちだったということです。
この当時の沖縄の人たちの食生活を僕たちが真似するとしたら、カロリー制限と断食、そして、プロテインサイクリングの3つに気をつけるということになります。
これによって当時の沖縄の人たちのように人生の97%をアクティブに過ごすことができるかもしれません。
ここから先は、これら3つのポイントについてより具体的に僕たちのライフスタイルに取り入れていくための方法について解説していきます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。