あなたが続けられれば、きっと人生が変わる行動は何ですか?


今回は、人生を変えるために必須の習慣術について纏めさせてもらいます。


習慣を作ると楽になる

習慣を作るのは面倒でしんどいものだと思われがちですが、実際は習慣を作った方が楽になります。

作るのは大変ですが、長期的に見れば作った後はとても楽になります。


脳科学的には人間の脳が最も疲れるのは、「決定疲れ」です。これは意思決定をすればするほど脳が疲れていくという考え方です。

ですから、人間は基本的には朝起きたときが最も物事に集中することができたり自分をコントロールすることができます。

夜になるにつれて自己コントロールができなくなるということです。

1日の間にいろいろなことを意思決定して脳が疲弊していくことで、いざというときに自己コントロールが効かなくなることが起きるわけです。


ではどうすればいいのかと言うと、意思決定を行わなければいいわけです。

つまり、習慣的な行動にまとめてしまえばいいということです。

仕事で疲れやすいとか、人間関係で疲れやすいという人は、自分の習慣やルールを決めておいてください


例えば、人に誘われたときも事前に決めたチェックリストに当てはまった場合にはきっぱりと断るというようにしておきます。

悩んだり考えることなく決断できるようにしておくことで、脳が疲れなくなり本当に大事なことに集中できるようになります。

スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグが同じ服装をいつもしているのも同様で、この決定疲れを防ぐためです。

習慣的な行動は一度作ってしまえば楽になり、続ければ続けるほどますます楽になっていくものです。


周りから見て意志が強いと思われている人は、実際には意志の力を使わないで習慣の力を使って他の人たちよりも楽に生きている人達です。

習慣作りは最初は面倒かもしれませんが長期的に考えればとても楽になるものだということを覚えておいてください。

これで習慣を作りやすくなります。


習慣化を行うには最初は意思の力があった方が有利ではありますが、それ以降は意思の力を必要としません。

ですから、習慣化というものは技術で学んで身につけることができます。


逆に、習慣を身に付けることで意思の力が強くなるという研究もあります。

つまり、意志の力が弱い人は習慣を身につけることができないかと言うとそんなことはなく、習慣化の技術を学び小さな簡単な習慣から身につけていくことで意志の力が強くなります

意志の力があるから習慣が身につくのではなく、小さな習慣をコツコツとたくさん身につけていくことで意思の力が鍛えられていくということです。




3つの習慣化のステップ


習慣化のテクニックは、ひとつでも明確な戦略が見つかれば基本的には大丈夫です。

色んな習慣化のテクニックを使うよりも、自分にとってしっくりとくるテクニックを見つけたり、コツを身につければ、それをベースに積み上げていった方がいいです。


まずは心理学者が見つけた3つの習慣化のステップについて解説させてもらいます。

習慣化が得意な人は無意識にこれをしているようです。

習慣化のテクニックは色々とありますが、結局のところ、どんなテクニックを使ったとしても、この3つのステップで成り立っています。

この3つのステップを理解しておいていただけると、大きな間違いを犯したり遠回りすることはありません。


物事を続けていると飽きてくる場合もあります。

今回の内容を理解すれば、飽きを防ぐ方法までわかっていただけると思います。


3つのEの法則

今回参考にしているのは、心理学者ケネス・ノーワック氏の研究によるもので、3つのEのステップを踏めば誰でも強固な習慣を身につけることができるというものです。


①Enlighten(認識)

自分の状態や身に付ける習慣がどれくらいできるか、自分の現在地の確認です。


②Encourage(促進)

自分の現在地を確認したら、次は促進するステップです。


③Enable(有効)

最後が実行可能にするステップです。


①Enlighten(認識)

習慣化のテクニックは、まずは身につけたい習慣が今どのような状態なのか認識します。

どこまでできて、どこでつまずいているのか、あるいは、どんな時であれば上手くいくのかということを客観的に認識します。


この自己認識のフェーズで習慣化のプランを作ります。

その習慣を身につけることでのメリットにも目を向けて、それを確実に身につけるためには何に気をつけるべきなのかということまで考えます。

その習慣化の邪魔になってしまう障害についても考えておきます。


このプランや障害についても最初のステップで考えておきます。

習慣を身につける際にはやみくもに行動しても身につきません。

その行動が今まで続かなかったのであれば、まずはそれが続かなかったという事実を認めてください。

何が原因で続かなかったのかということを知ることが重要です。


②Encourage(促進)

習慣を身につけるためにはプランが必要です。

これを知らない人が多いです。

プランを考えずに、ただ闇雲に行動すればいいと多くの人が考えています。


例えば、毎日30回の腹筋もできない人が、腹筋50回・腕立て50回・スクワット50回をしようとしてもできるはずがありません。

習慣を続けることが一番難しいです。

1回だけなら頑張ればできます。


ですから、まずは今自分ができることを確実にできるようにするにはどうすればいいのか考えて、今できることからスタートします。

その上で、徐々に増やしていきます。


例えば、スクワットを1日5回であればできるというのであれば、5回から始めればいいわけです。スクワット5回から始めて、それをどうすれば30回50回と増やしていくことができるのかを考えて、それができるプランを作らなくてはなりません。


ですから、習慣を身につけるには、スタートは本当に簡単なものでなければなりません。

絶対にできることから始めなければ続きません。

それなのに、多くの人は最初から頑張ってしまいます。


それを増やしていくためには、そのプランが本当に実行可能なのか検討しておく必要もあります。

人は必ず壁にぶつかることがありますので、その度に修正しなくてはなりません。

それができるかをチェックして、その壁にぶつかったらそれを乗り越えるための余裕を作っておく必要もあります。

そこまで考えてプランを立てておくのが、2つめのステップです。


そこまで考えると、習慣をエスカレートさせる方法が見えてきます。

簡単なことから始めていると、時にはその行動をする時に余裕があったりします。

それがなぜなのか考えて、習慣をエスカレートさせる方法を考えるのが2つ目の促進のステップです。


③Enable(有効)

最終的には3つ目のステップとして、習慣化のテクニックを使いながら計画的に進めて、その習慣が何パーセント身についているのかチェックしていきます。

一定の確率で習慣を続けることができるようになったら、少しずつ回数や難易度を上げていきます。


とはいえ、それがあまりも続かなくなると人はやる気がなくなってしまいます。

成功率が一定以下に下がったら、その習慣自体を見直して改善する必要があります。

回数や難易度を見直して、どのくらいならできるかを改めて考えます。


この成功率をチェックしている人が少ないです。

多くの人がなんとなく続けていて、ダイエットでも運動習慣でも、自分の身につけようとしている習慣の成功率を考えている人はほとんどいません。


あなたの習慣の成功率は何パーセントですか?

これに答えられない人は習慣が続きません。

なぜかと言うと、今自分がどこにいるのかがわからないからです。

当然ですが、ただ繰り返すだけでは習慣化はできません。

ゴールを理解した上で、今自分がどこにいるのか常に把握しておく必要があります


そして、意味のある習慣と意味のない習慣もあります。

それによって自分のスキルが上がったのか、その習慣を身につけることによって自分にどんな変化があったのか、このような変化を知っておかないと、それを続けることのメリットが見えなくなります。

自分にとってのスキルが上がったり経験が身についているかチェックする必要があります。


最後に、「継続と変化」の検討のフェーズに入ります。

皆さんが作った習慣をそのまま続けていくべきなのか? それとも、多少の変化を加えたり、むしろやめるべきなのか? ということを検討します。

これがちゃんとできると、どんなに小さく始めた習慣であっても、いずれ大きくしていくことができると確信できるようになります。


これらの大きく分けて3つのステップによって、人は習慣を身につけることができます。

これを理解した上で物事を始めると、習慣化の成功率は9割を超えます。

もちろん挫折もありますが、安心して習慣を始めることができるので、「3つのE」の考え方を押さえておくことは重要です。


習慣が1度途切れたらやる気がなくなってしまう、ついつい始めから無茶な目標を立ててしまい、結局挫折して自己嫌悪に陥る、そんな経験をした人も多いと思います。

習慣を身につける成功率が3割以下の人は、今回の方法を身につければ間違いなく人生が変わります。


習慣を身につけるまでは面倒ですし、コスパも悪いかもしれませんが、一旦身についてしまえば、それ以降は永久に自動的にできるのでとてもコスパが良くなります。

ほとんどの人はそのボーナスステージに入る前にやめてしまっているので、無駄に労力を使うだけで終わっているわけです。




習慣的行動を操る5つの超習慣術


いつも習慣を身につけようと思っても三日坊主で終わってしまう、そもそも、どうすれば習慣を身につけることができるのかもわからないという方に、人生の50%を占める習慣的行動を操る5つの超習慣術を紹介します。

人生が大きく変わりますので、まずは、この5つを完全にマスターしてください。

知っているかどうかではなく、実際にできているかどうかが重要になります。知っているだけで実際にしていないととても損をしています。


①20秒ルール

ショーン・エイカーさんの20秒ルールです。

僕たちが新しい習慣を身につける時には、その習慣的な行動をやりやすくすることが重要になります。

習慣的な行動は意志の力で頑張ってしようとすると続かないものです。無意識で行うことができるぐらいに、手間を減らすことが重要になります。


皆さんが習慣化したい行動があるとしたら、その行動を20秒だけ早く取り掛かれるようにしてください。

例えば、ジムに通う習慣を身につけたいと言うのであれば、いざ行こうと思った時にウェアを取り出して準備をするのではなく、事前に必要なウェアをバッグに入れておいて、そのバッグさえ手に取ればあとは行くだけというようにしておきます。

逆に、やめたい悪い習慣がある場合には、20秒だけいつもより手間がかかるようにしてください。


20秒ルールを知っている人も、20秒手間を減らして満足しないでください。

もっと習慣化したいのであれば、さらに20秒・・・と続けて極限まで手間を減らしていくように心がけてください。


例えば、読書習慣を身につけたいのであれば、本はしおりを挟んで本棚にしまうのではなく、しおりすら挟まず開いたままの状態でテーブルに置いておくぐらいにすれば、これだけでも本を読み始めるまでの手間が減り、実際に本を読む時間が増えるということがわかっています。


ついついスマホを触ってしまうという人は、20秒ぐらい時間がかかるところに充電器と一緒に置くようにしてみてください。

使うのを控えたいアプリがあるのであれば、スマホのフォルダの奥底の方にしまっておくようにしてください。


瞑想の習慣を身につけたい場合であれば、瞑想のための座布団を部屋の真ん中に置いておくとか、部屋に帰ってすぐにストレッチやトレーニングをする習慣を身につけたいのであれば、部屋の真ん中にヨガマットを敷いておくというように、少しずつで良いので手間を減らしてください。


仕事でも常にもうひと手間減らす方法はないかということを考えるようにしてください。

当然ですが、手間を減らせば減らすほど習慣は続きやすくなりますので、手間を減らして楽をすることがとても大切です。


②マジックナンバー「4」

習慣を身につけるためには4という数字がとても重要になります。

週に4回以上行う行動を8週間続けると、楽にそれを継続することができるようになるということがわかっています。頻度や回数がとても重要だということです。


この繰り返しの重要性を調べてくれたビクトリア大学が行った研究でわかったものですが、ジムに入ったばかりの男女111人を対象に12週間にわたって彼らがどれぐらいジムに通っているのかということを観察しています。

その結果、最もジム通いの習慣が身につくことと相関していた要素は頻度でした。

週に4回以上ジムに通った場合に、運動の習慣が身に付く確率が週に3回までと比べて急激に高くなるという結果が確認されています。


そして、多くの人が挫折しやすいのが6週間ぐらい経った頃です。

この実験でも、週に4回以上ジムに通った人たちと4回未満の人たちを比べると、6週間目ぐらいまではどちらの人たちも同じようにジム通いを続けていました。

ところが、ジムに通っている回数が週4回に満たない人たちは、6週間目を過ぎたあたりから徐々にさぼりがちになっていきます。

そして、12週間経つとその習慣を始める前の状況まで戻ってしまうということです。


この6週間目の罠を乗り越えるためには、週に4回は続けるということが必要だということです。

そして、それを8週間以上続けてください。

これにより習慣が身に付く確率が大きく上がります。


ロンドン大学の研究で、96人の学生を対象に実際に習慣を身につけるまでの時間を調べてくれています。

これによると、始めて25日目ぐらいまでは習慣は身につかないので、続けるのもしんどいかもしれませんが、50日から60日ぐらい続けると、その習慣は楽になっていくということがわかっています。

ですから、行うことに抵抗感を感じるような難しい習慣であっても、8週間程度続ければ身につくということが言えるわけです。


そして、1日や2日サボったからといって習慣の形成には悪影響はありません。

ただし、そのサボった自分を責めると挫折してしまうので、それだけはしないようにしてください。


③朝起きてからの時間を使う

習慣を身につけたいのであれば起きてからの時間を使いましょう。

習慣化したいことは朝起きてから行なった方が楽にその習慣を身につけることができるということがわかっています。


2017年のニース・ソフィア・アンティポリス大学が48人の学生を集めて、2つのグループに分けて実験を行っています。

朝15分のストレッチを習慣にするようにお願いしたグループと夜15分のストレッチを習慣にするようにお願いしたグループです。

全員が習慣を身につけるために何日ぐらいかかったのかということを調べたものです。


その結果、朝ストレッチを行った人たちは105日で完全に習慣化していましたが、夜ストレッチを行った人たちは154日もかかりました。

夜に行っただけで1.5倍も習慣を身につけるために時間がかかったということです。


この原因はコルチゾールによるものでした。

朝起きる前後にはストレスホルモンであるコルチゾールの値が大きく上がります。コルチゾールの値を高めることで目を覚まさせてエネルギーを出そうします。

このコルチゾールの値が高まっているときは脳が覚醒していて、目の前のことに適応するための能力が高まっているときです。

ですから、そのタイミングに新しい習慣に取り組むようにすれば、身につきやすくなるということです。


ちなみに、上司に怒られたりしたときなど、突発的なストレスホルモンが分泌されたときは使わないようにしてください。

あくまで自然な生活リズムの中でコルチゾールの値が高まったときが習慣化の能力が高まるということであって、ストレスをたくさん受けているときに習慣化の能力が高まるわけではありません。


④スモールステップとビッグエリア

習慣を身につけるためには、身につけるまでのステップを小分けにする必要があります。

ひとつの身につけたい習慣がある場合には、それが身につくまでに必要なものを考えて、さらにそれを細かく分解しチェックリスト化してください。

そして、それをひとつずつクリアしていき、自分が今全体の何%ぐらいの進捗状況なのかということを考えてください。


肥満の女性を対象に6週間介入する実験を行なった研究によると、目標体重までのステップを出来る限り細かく刻みサブゴールをたくさん作った被験者ほど、健康的な食事の量も増え体重も何もしなかった人たちに比べて20%も体重が減ったということがわかっています。

達成したいゴールである大きな習慣だけを意識した人たちは、この研究ではかえって体重が増えてしまいました。


嘘でもいいので前に進んでいる感覚が人間のモチベーションを作ってくれます。

ですから、習慣化をするときのスモールステップは、これ以上細かく刻めないぐらい細かく刻んでください。

これをまず最初に行なってください。


ただし、細かくしすぎることで自分の目標を見失ってしまう人もいます。それによりモチベーションが下がってしまう場合もあります。

週に1回とか3日に1回など定期的に、そもそも自分は何を目指してその習慣を身につけようとしたのか、その小さく分けたステップを踏んでいるのかということを考えるようにしてください。

寝る前や週末に自分が行なっている行動の意義を考え直すことが大切です。


人間は多くの場合、お金(経済的な目的)・人間関係(社会的なつながり)・健康の3つを最終的な目的として選ぶことが多いとされています。

自分が身につけたい習慣のビッグエリアがはっきりしない場合には、この3つを考えていただけるといいと思います。

つまり、この習慣を身につけたらどれぐらい儲かるのか? この習慣を身につけたらどんな新しい友達や関係ができるだろうか? この習慣を身につけたらどれくらい健康になれるのだろうか? ということを自分に問いかけてみてください。


⑤ if-thenルール

「もし〇〇な状況になったら〇〇の行動をする」という方法です。

if-thenルールはアレンジが色々とできるものです。

そんな中からみなさんが使いやすいものをひとつ紹介します。if-thenルールは、効果量としては最大で0.99までにもなる最強のテクニックで、この習慣化の帝王であるif-thenルールの徹底解説は次回行います。


例えば、「1日に腹筋を30回する」ではなく、行動をその状況とセットにすることを考えないと習慣化しづらくなります。


「want」を「should」に結びつける

自分に対してご褒美を設定することがあると思います。

外発的動機づけは内発的動機づけよりも弱いので、ご褒美を与えることでかえってやる気がなくなってしまうのではないかという人もいますが、習慣化に関しては若干違ってきます。

習慣化に関しては、ご褒美が設定されている方が習慣化される確率が高まるということがわかっています。


では、どのようにご褒美を設定すれば良いのでしょうか。

「want」を「should」に結びつけると僕たちのモチベーションは大きく上がります


例えば、「チョコレートをひとかけら食べたい」のであれば、「ジムに行かなければならない」と決める方法です。

自分が欲しいと思うものと自分がやるべき事を達成した後の行動とを結びつけるということです。

このようにしてif-thenルールを設定すると、モチベーションが大きく上がるということがわかっています。


ご褒美を設定するのであれば、ただ〇〇を達成したらご褒美がもらえるではなく、「〇〇を求めるならば、〇〇をしなければならない」と条件を設定してください。




7つの3日坊主防止テクニック


①自己効力感

自分がやればできるという感覚、つまり、自分の未来や自分がこれからしようと思っていることは、自分の努力次第でいくらでも結果を変えることができるという自己効力感が高ければ高いほど、習慣化の成功確率は上がるということがわかっています。


2018年にベルリン自由大学が、カップルのどちらかが最近禁煙を始めている85組のカップルを対象に行なった研究があります。

かなり難しいであろう悪い習慣をやめて新しい習慣を身につけることに挑戦する際に、パートナーの協力による影響はどれぐらいあるのだろうかということを調べようとしたものです。

研究チームはすべての被験者に対して、タバコを吸った本数や自己効力感のレベルなどを調べました。


その結果、自己効力感が高く、やればできるという感覚が強い被験者ほど、やはり、禁煙に成功する確率は高くなるということが確認されています。

この被験者たちの自己効力感がどのように決まっていたかというと、なんと、パートナーの自己効力感にかなり影響を受けていたということがわかっています。


この実験では、被験者の自己効力感はパートナーの自己効力感と連動していることが確認されていて、禁煙に成功できるかどうかということは、被験者自身の自己効力感に影響を受けていましたが、その被験者の自己効力感はパートナーの自己効力感に影響を受けていたということです。


ですから、何か悪い習慣をやめようとか新しい習慣を身につけようとするときに、自分の近くにいる人の自己効力感によって僕たちの自己効力感も変動します。

その変動によって、やめたい習慣をやめることができるか、新しい習慣を身に付けることができるかということが決まってくるということになります。


実際に、被験者の自己効力感とパートナーの自己効力感は連動していて、一方の自己効力感が高まれば、もう一方の自己効力感も高まりますし、逆に、一方の自己効力感が下がれば、もうひとりも下がるということです。

パートナーの自己効力感が下がると、被験者の自己効力感も下がり、タバコに手を出してしまう確率も上がったということです。


この自己効力感というものはパートナーから伝染する働きを持っていて、結局、習慣化がうまくいくかどうかというのは、パートナーや恋人や夫婦だけでなく、家族や仕事上の仲間など、皆さんが密接に触れ合う人たちの自己効力感によって左右されるということです。


ですから、皆さんが新しい習慣を身につけたいと思うのであれば、習慣を身につけるのがうまい、もしくは、やればできるという感覚が強かったり有言実行のタイプの自己効力感の強い人と頻繁に会うようにしたり、こまめにやり取りするようにして、その人との心理的な距離を近づけておくようにしてください。


自分の自己効力感を高めるために、自己効力感の高い人との接触頻度を高めておきましょう。

そうすると、それだけで習慣が挫折しにくくなり、苦しい習慣でもやり遂げ続けることができる可能性が高くなります。


②習慣強度と習慣形成

習慣強度と習慣形成という考え方があり、僕たちが習慣を身につけるために初期の段階に必要なものと、中期以降にその習慣を長続きさせるために必要なものは違います。


習慣を身につけるのは得意だけれど、途中で挫折することが多い人もいると思いますし、逆に、なかなか習慣が身につかないけれど、一度身についたらずっと続けることができるという人もいると思います。

この習慣を作るのが上手い人と習慣を続けるのが上手い人の違いは何なのかということを調べてくれた研究があります。


2005年のエラスムス大学の研究で、521人の男女を集めて全員に対してフルーツを食べる習慣があるのかということを調べました。

その上で、習慣強度が高いグループと習慣強度が中程度のグループ、習慣強度が低いグループの3つのグループに分類し、習慣強度と持続に関する調査を行っています。


この習慣強度とは、要するにその習慣を実行する頻度と確率のことです。

ただし、習慣強度が高い人というのは完全に習慣ができている人ということではありませんので、この実験で言うと、習慣化には至っていないけれど、フルーツをたくさん食べる人とほどほどに食べる人とあまり食べない人に分けたということです。


5週間にわたって全員の行動を観察したところ、習慣強度が低いグループと中程度のグループは、フルーツを食べようとする自分の決意や自意識の強さが実際のフルーツの消費量と相関していました。


つまり、習慣の強度が低いかまだ中程度の人は、自分に言い聞かせて意志の力を発揮させた方が、その習慣を実行する行動につながりやすくなるということです。

習慣の強度が低いかまだ中程度の場合には、自分に言い聞かせるということがとても大事で、意志の力にある程度頼った方が習慣が身に付く可能性は高くなるということです。


ところが、習慣強度がすでに高いグループは、意識の強さとフルーツの消費量に相関がなかったということです。

習慣というものは最初は意思の力である程度まではその強度を高めることができますが、ある程度の習慣強度までなると、意志の力に頼っても効果はないということになります。


では、習慣強度が高いグループがその習慣を行うことができたかどうかというのが何と比例していたのかというと、なんとフルーツを手軽に手に入れることができたかどうかということだけでした。


要するに、習慣の初期にはリマインダーを用意しておいたり、定期的に自分に言い聞かせることを準備しておきます。

習慣がある程度身につきつつある段階では、手軽さを最重要視してください。


残りの3日坊主防止テクニックについても学んで、やるべきことを楽に継続できるようになってください。

ぜひ続きもチェックしてください。