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ライフワーク・グループ宣言 橘川幸夫
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ライフワーク・グループ宣言 橘川幸夫

2012-12-06 23:56
    ライフワーク・グループ宣言

    ●人類は、無の空間から立ち上がり、種の進化を遂げ、やがて共同体を生み出すようになりました。そして、更に自然発生的なムラの共同体からはみ出た者は、近代意識を核とした都市へと集合しました。そして私たちは更に都市からサイバー空間へと、共同体の合理性を求めて進んできました。

    ●サイバー空間においては、地縁・血縁などは無縁だし、社会的評価や権威ですら無意味になっていきます。あるテーマや感性を核に不特定多数の人が集まります。

    ●インターネットの最初の共同体はフォーラムと呼ばれているものでした。そこでは、共通の問題意識や関心事項を目印にさまざまな人が集まりました。もともと他人ですから、ちょっとしたことで争いになりましたが、それもまた活性化の現れであったのでしょう。

    ●インターネット以前において、ニフティサーブのフォーラムが、一番、本格的に新しい時代の共同体を模索していました。しかし、それは一企業が会議室を提供し運営したので、ニフティとシスオペとの間は契約で縛られていました。何か問題が起こるとニフティの責任になるので、問題のタネは早めに消しておきたいというのも当然かも知れません。

    ●やがて、インターネットのビッグバンがあり、誰もが自分でサイトを立ちあげたり出来るようになって、ニフティの意味は消滅しました。フォーラムの動きは、一部は2ちゃんねるに向かい、他方はMixiに向かいました。Mixiはフォーラムがビジネスモデルではなかったので、ニフティほど活発なものは少なかったと思います。

    ●そして、現在は、Facebookが大きな勢力になりましたが、Mixiと同じで、現実の仲間たちの集まりの延長なので、そこから何か新しい動きが発生するとは思えません。

    ●僕は、ニフティサーブの時代に、FMEDIAというフォーラムのシスオペをしていました。メディアに関心のある人のフォーラムですが、僕自身が何かをやったというより、サブシスを10人指名しました。その中の一人が田口ランディであり、深水英一郎でした。そして、深水くんが「まぐまぐ」というメールマガジンの企画を発明し相談に来たので、がんがんやれと煽りました。そしてデビュー前のランディが深水くんと相談してメルマガに原稿を書き始めたら、あっという間に10万人の読者が付きました。そこから作家の道が始まったのです。

    ●共通のテーマの下に不特定多数の人が集まるフォーラムというものが、インターネット空間の中でやはり必要だし、可能性を秘めていると思います。ニフティの時代と違い、今は誰もが簡単に自分でフォーラムの会議室を作れますし、課金も自由です。更に、電子書籍やYouTubeなどさまざまなフォーラム支援装置が手軽になってきました。

    ●僕は70年代後半に「ポンプ」という全面投稿雑誌を発行していのですが、そこの最初にも「ライフワーク研究会」という企画を推進していました。食とか交通とか、それぞれのテーマの勉強会を開き、そのアウトプットをポンプに掲載するという試みでした。この企画はうまく機能しませんでしたが、インターネット環境が整いだしてきた今こそ、フォーラム=ライワークグループが必要なのではないかと思いました。

    ●故・林雄二郎さんは、80年代に、ネットワーク上のコミュニティは「閉鎖系である」ということと「ファンクショナル・コミュニティだ」ということを教えてくれました。テーマに応じて、自由に参加したり離脱出来る共同体こそが、私たちの進化の果てに到達した新しい社会なのだと思います。

    ●まだまださまざまに解決しなければならない問題があります。だからこそ、その問題は個人で抱え込んだりするものではなく、共通の問題意識を共有出来る仲間たちと協議していくべきではないかと思います。

    ●2012年末、ライフワークグループの活動を開始することを宣言いたします。



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