ちょっと ROCKIN’ON29(1977年)

ROCKIN’ON29 1977年8月1日

 以前からよくある話なのですが、僕らの全然知らないところで、全然知らない人といつの間にか友達にならされている、というのがあるんです。例えば、突然知らない人から電話があって、A君が困ってます、助けてあげて下さい、だってA君はあなたと友達だ、って言ってますよ、とか、飲み屋に行くと、おまえの友達とかいうB君がこの前来て騒いでったぞ、とか。

 渋谷の顔なじみだとか、松村とタメ口きける、とか言うと、何んか、仲間うちでハクがつくとでも思ってるんでしょうか。バカみたいだし、迷惑な話だ。それは例えばもっと有名な人でも誰でもそうだけれど、そういう人を知ってる、とか友達だ、とか、あ~、あいつは昔めんどうをみた、とか言いふらしたり自慢したりする奴は、仮に本当に友達だったとしても、僕は大嫌いだ。ゲスというのだ、そういうのを。今後は、そういう人がいたら、その人は僕らの友達じゃないと思った方が良いと思いますよ。

 それからついでだけどROの読者の間にも、いろんな情報とかうわさの流通ルートがあるらしくて、時々、あっちこっちから、いろんな話が入ってくるけど、あんたら何やってんの?って感じがします。僕も日本中のあちこちにROを通して大勢の友人が出来て、それは正直に嬉しいし、でもそれは、僕自身のいろんな意味で支えになってくれる人達だから嬉しいのであって別に顔が広くなって日本全国をロハで旅できるからなんかではありません。各地のいろんな人と単に会ったり名刺交換したりして、知名度をふやして行く事がコミュニケーションだと思ってる人がいたら、それは誤解です。とにかく身も心もフラフラしない事ですね。

 ROも次号からは月刊になるし、いろいろな企画もあって、ビジネスとしても自立していくつもりです。この前、読者の人に「ROは閉鎖的で冷たい」と言われましたが、実際に会える程度の狭い範囲でなれあう方がよっぽど閉鎖的であると思います。僕たちは、ビートルズに有形無形の影響を受けてますが、実際にビートルズ周辺に群がった連中、例えば、アップルという組織は、結局、だらしのない寄りかかり人間しか集められなかった事を、はっきりと見て来たと思ってます。

 最近は投稿も載らなくなりましたが、それは別にROが閉じた訳ではなく、どうしても載せたいような原稿が来なかっただけという事です。月刊になれば、スペース的にも今よりラクになるので、皆さんの、寄りかかりではない、シャンとした投稿を期待しています。