ギリシャの国家崩壊が語られているが、ギリシャは第二次世界大戦の後、1950年から1973年にかけて「ギリシャの奇跡」と呼ばれる位の高度成長を果たした。理由は明快だろう。大戦の戦火で物資が不足し、生産能力を失ったヨーロッパの近くにあり、戦後の巨大な消費欲求市場に農産物や工業製品を供給すれば、いくらでも儲かっただろう。ギリシャの海運業は世界有数であり、戦争で崩壊した地域に物資を運ぶビジネスは繁栄を極めただろう。ギリシャは大戦中、イタリアの侵攻にあったとはいえ、ヨーロッパ本土ほどの荒廃は免れていたのだろう。戦後、マーシャルプランによってアメリカの支援が得られたことも大きい。なんだか戦後の日本とよく似ている。