ども! 店長のイケダっす!

 今回は「居抜き店舗のほうが大変だ!」と題し、配線の取り回しやゴミ捨てについてお話します!

 池袋ゲーセンミカドinランブルプラザは、これまでの日記でお伝えしたとおり「居抜き店舗」となる。

 高田馬場ミカドのオープンとは異なり、内外装の工事が必要なく、もともと設置してあったゲーム筐体も引き継いでいることから、ぶっちゃけ「楽勝」とタカをくくっていた。

 で、結論。「居抜き」のほうがキツイわ(笑)

 筐体のメンテや掃除状態、部品備品の管理状態、電源や配線などの取り回しの構築など、お店が前任者のルールや色で染まっているため、結局は全部やり直しなのだ。

 特にレイアウト変更は地獄だ。具体的に言うと以下の2点。

 ・対戦台筐体を移動するだけで、ぶちぶちと切れていく配線類(セッティングには担当者の手癖が出るので、きっと前任者は筐体移動を考慮しないで対戦ハーネスを作っていたのであろう)。

 ・ネットワークゲームのLANケーブルの不可解な取り回し(前任者はコーナー分けという概念がないため買い足し買い足しで筐体稼働をしてきたようで、LANケーブルひとつとっても既存の部品を流用できず、筐体配置を変えるたびに部品調達の買い出しにいかなければならない)。

 俺はGM商事時代、売上が悪い店舗にテコ入れ要員として駆り出されていたが、やってることはまさにそれと同じだ。

 つまり池袋ミカドは、既存店の問題解決作業をしなければ身動きが取れない店舗だったのだ。

 ところでみなさん、職場や家庭で壊れかけのものを自分ルールで使い続けたりしていませんか?

 断線気味のケーブル、消耗気味のトイレのレバー、パッキンが磨り減った蛇口など、自分なりの特殊操作で何年も使い続けて日常化してしまう感じ。

 もちろん、高田馬場ミカドや俺の自宅にもそんな事例がある。

 引き継ぎ不足といえばそれまでだが、ランブルプラザにもその手のトラップが存在した。

 入った初日、普通に操作した金庫や硬貨計数機がお釈迦になったり、開け閉めにコツを必要とするシャッターに四苦八苦して終電を逃すこともあった(笑)。

 人間というのは誰しも「もったいないおばけ」に取り憑かれた生物だ。憑依レベルが高い人ほど、今は必要としない物を溜め込んでいく。

 「買ったときは高価だった」「いつか使う時が来る」「思い出の品」「レアものだから」と、もっともらしい理由をつけても、結局は管理できず乱雑に溜まっていくだけだ。

 これをゲームセンターに当てはめると「何に使うかわからない配線類」「壊れた基板」「壊れた電源」「歴代の看板、ポスターなどの告知類」「客が忘れた傘」が該当する。

 我々ミカドのスタッフも人のことは言えないが、前任者の憑依レベルはSランクだ。その人にとって大事な物でも、他人から見ればゴミだ。

 ましてや、職場という共有空間に自分の価値観だけで物を増やし続けるのは犯罪行為だ。ゴミは家賃を払ってくれないのだから、どうしても残しておきたい物は自分の家に持ち帰れといつも思う。

 俺はGM商事在籍時代から、名うての「もったいないおばけハンター」として活動してきたが、「ランブルプラザ」の中からゴミだと判断した物はすべて捨てた。その物量は4トン車三往復分、計12トン。10日間しかない準備期間から3日間もゴミ捨てに時間を取られた上、廃棄代は30万円。手痛いコストだが仕方ない。

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▲廃棄代の領収証

 俺の価値観は、使わないものを置いておくスペースこそ「もったいない」のだ。

 だいたい、我々はオーナーから建物をお借りして商売をしているわけで、俺がオーナーだったら整理整頓できない奴に物件なんて絶対に貸したくない。

 というわけで「居抜き店舗」だから楽だと思ったら大間違い!

 正直、グランドオープン以降も課題は山積みだ(笑)。ただ、作業はやれば必ず終わる。

 池袋ゲーセンミカドinランブルプラザの本領発揮まで、ただ淡々と作業をこなすのみ!