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『FOREST 島人通信』2015.6.17号
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『FOREST 島人通信』2015.6.17号

2015-06-17 21:00
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▼ 2015.6.17号
▼ 『FOREST 島人通信』
▼ FOREST ISLAND
▼ http://ch.nicovideo.jp/morishimachannel
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▼ご挨拶 

みなさま、いつもFOREST ISLANDをお楽しみいただきありがとうございます。

 

前回の生放送では、電波が途切れ途切れで、ご覧くださった皆様にはご迷惑をおかけしました。

昨日、その時の放送アーカイブをアップいたしましたので、どうぞご覧くださいませ!

 

【ゲスト:二宮歩美】生放送アーカイブ2015年6月10日【世界無名戦士の墓編】

http://www.nicovideo.jp/watch/1434430596

 

無料で見られるこの動画のチラ見せはこちら!

http://www.nicovideo.jp/watch/1434431047

 

 

そして!

日曜日に新企画動画をアップロードいたしました!

幽霊をはじめとする「超常現象」に科学的見地からアプローチをしてみよう!ということで、明治大学情報コミュニケーション学部の石川幹人教授にお話を伺いに行って参りました。

教授は「超心理学」研究の第一人者としてご多忙な毎日を送られている中、FOREST ISLANDチャンネルにご出演くださり、貴重なお話を伺うことが出来ました!

全編どなたでもご覧になれる無料動画でアップロードしておりますので、ぜひぜひご覧くださいませ!

http://www.nicovideo.jp/watch/1434178294

 

 

そしてそして!

リスナーさんにご指摘されたのですが、以前にアップしたこちらの動画、13:27~13:28に、奇妙な叫び声のようなものが……確かに、聞こえる!

いったい何なんでしょう!?

ほんとに行った!! ヘタレ森島1人心霊スポット 【赤塚公園編】

http://www.nicovideo.jp/watch/1434109626

 

もし、皆様も何か映像の中に奇妙なものを見つけた際は、動画のコメントやもりしまブログのコメント、ツイッターなどからお知らせいただけますと幸いです!

 

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    FOREST ISLANDホラー劇場『山小屋の学生たち』③

 

一人になった北原は、辺りを見回してみた。山小屋は木の具合から見ると新しいが、何か不自然なものを感じる。

内装から木の色まで、いやに古くさいのだ。数十年も前に建てられたような感覚を覚える。それでいながら使われている木材は真新しい。

妙な居心地を覚えつつも、じきに傷の痛みの方に意識が向いた北原は、そのまま半分意識を失ったようになりながら、深い眠りに落ちた。

 

 ぼそぼそとした話し声で北原は目を覚ました。

 うっすらと目を開けると、部屋の中に学生たちが戻ってきている。

 どうやらこの部屋は山小屋の中でもっとも広い部屋らしく、彼らも他に落ち着く場所がないから戻ってきたのかも知れない。

 彼らの話し声に耳を澄ませるが、何を言っているのかまでは分からなかった。

「おい」

 声をかけてみる。全員がハッとしたようにこちらを向いた。

「何だ、起きていたのか」

 岩瀬が立ち上がってこちらに歩いてくる。

「天気はどうなっている?」

「まだ止まない。外はひどい嵐だ」

 確かに、雨粒らしきものが天井や壁を叩く音が、ひっきりなしに聞こえていた。

「俺は何時間くらい寝ていたんだ?」

「丸一日だ。今はもう夜だ」

「時間は? 時計くらいはあるだろう?」

 岩瀬が学生たちの方を向く。

「九時半だ」

 一人の学生が、腕時計を見て答えた。

「見せてくれ」

 こいつらは携帯電話を隠している。何が目的かは分からないが、信用しない方がいい。そういう思いがあるのは事実だった。

 怪訝そうな顔で学生は近づくと、チェックのシャツの腕をまくって腕時計を見せた。旧式のアナログ時計。セイコー製だ。親父か祖父さんのものをもらったのだろうか。時間は確かに九時半を少し回ったところを指していた。

「……すまん」

「信用ないんだな」

 ぼそりとつぶやくと、学生は踵を返した。

 重苦しい空気になったのを察知したかのように、岩瀬が声をかける。

「それで、これからどうしたい?」

 北原にはその言葉の意味が分からなかった。

「ここから降りたいに決まっているよ。病院に行くんだ。それ以外に何がある?」

「本当にそれで良いのか?」

「どういうことだ?」

 確認するかのように、岩瀬は学生たちの方を向く。何人かが頷きを返した。

「あんたが何者なのかは知らない。しかしこんな吹雪の夜に、この山奥で一人きり。こう言っちゃなんだが、風呂にもしばらく入ってないだろう? ただの登山客だとは思えないが」

 いきなり図星を突かれ、返事に窮した。

 その沈黙を肯定ととらえたのか、学生たちは顔を見合わせた。

 負傷した時から、逃亡を続けることは諦めていた。しかし、こうも簡単にばれてしまうものなのか。

 北原は、驚きを通り越して可笑しくなっていた。

「……確かに俺は、指名手配犯だ。ひったくりで追われている」

 老婆を死なせたことは黙っておく。

「逃亡と言ってもせいぜい数ヶ月なんだが。山に籠もっていたのはせいぜい何週間かってくらいだ。でも、もう諦めた」

 腹から突き出ている枝を見下ろす。

「こんなことになっちまったんじゃな。自首するよ」

「指名手配されたんじゃ、自首とは言わないよ。出頭だな」

 先ほど、腕時計を見せてくれた学生の横に座っていた小太りの男が横やりを入れる。本人は冗談めかして言ったつもりだろうが、笑えない。周りの人間の非難めいた視線を受けて、彼は下を向いてしまった。

「……まあ、自首でもそうでないにしても、そういうことだ。諦めたよ。黙ってて悪かったな。別にあんたらに危害は加えないよ。大怪我してるんだし」

 饒舌になったのは少し弱気になっているからか。そんなことを考えた。

 しばらくの沈黙の後、岩瀬が口を開いた。

「まあ、何かあるだろうとは思っていたよ。でも、出頭するんで本当に良いのか」

「何が言いたいんだ? 俺はまだ死にたくないぞ?」

「死ぬような怪我じゃなさそうだからだよ。内臓をやられてたら丸一日無事なわけがない。引っこ抜いてしまえばそのまま塞がるかも知れないぞ」

「まさか……」

 観念していたつもりだった。しかし、「逃げられるかも知れない」という思いが再び湧きあがると、それに賭けてみたいと思う気持ちが強くなってくる。

「いずれにしてもこの嵐じゃ山は降りれない。ゆっくりして、気が変わったら言ってくれ」

 言いながら、岩瀬は外に意識が向いたようだった。

 ほぼ同時に、犬の鳴き声が聞こえる。遠くから、山小屋に叩き付ける雨音を切り裂いて、確かにそれは犬であった。

 


                               <続く> 

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