明るい笑顔とムダのない引き締まったボディが印象的な田中いずみさんは、15年のキャリアを持つフィットネストレーナー。さまざまなエクササイズの指導に携わっています。
――どんなトレーニングを指導しているの?
田中:もともとフィットネスインストラクターとして、エアロビクスやヨガ、トランポリンエクササイズなど、さまざまなグループクラスを中心に行っていました。ここ数年はフィットネストレーナーとして、筋トレやコンディショニングといったトレーニングに特化した指導も精力的に行っています。NIKE契約トレーナーとして多くの女性の指導にあたっていますが、一人でどうやって鍛えたらよいか分からない、ランやゴルフなどの運動はしているけれどトレーニングは初めて、というトレーニング初心者が多くいらっしゃいます。ヨガやストレッチなどの調整系エクササイズの流行を経て、ここ数年はハードトレーニングがブーム。「腹筋を割りたいんです!」という女性が増えましたね。トランポリンを使った新しいエクササイズも人気です。
――トレーニング系と調整系はどちらが良い?
田中:トレーニング系と調整系エクササイズは、どちらも違ってどちらもいいところがあります。両方のバランスをとれるといいですね。私自身も有酸素運動や筋トレの中に調整系を組み合わせたことが、からだのケアに繋がっています。すでにヨガをしている方は、筋トレを加えてみる、筋トレをしている方はヨガやピラティスのような調整系の運動を取り入れてみるとからだの変化を実感できるはず。できることが増えて、いつものエクササイズがもっと楽しくなりますよ。
バランスがとれている36歳のいまがベスト――ずっと運動をしてきた中で、ご自身が感じる変化は?
田中:いまは、レッスン中に生徒さんと同じトレーニングをしてからだを動かすほか、信頼できるトレーナーの下でピラティスを行っています。レッスンで行うのと、自分のために行う運動はまったく違うので、メンテナンスのためには欠かせません。
インストラクターとして働き始めた20代の頃は若さが売り。ハードなトレーニングのクラスを受け持つことが多く、1日5時間以上、それを週に5~6日こなしていました。フリーランスなのでがむしゃらに働いて、いま思うと相当無理をしていましたね。さらに自分のトレーニングもしていたので、トレーナーという職業でありながらからだはボロボロでした......。
20代後半からはヨガなどゆったりした動きでからだを整えるエクササイズも取り入れて、しっかりとレッスンで酷使したからだを労わるように心がけました。体力が落ちてきたのを実感したのもこの頃。このままの働き方では続けられないと、仕事との付き合いを見直すきっかけになりました。
仕事のバランスを探りながら過ごし、それまでに積み重ねたキャリアを評価されるようになったのが30代前半。レッスン以外に執筆や監修などの仕事が増え、いいバランスで働けるようになったんです。こころとからだに無理のない36歳のいまが、いちばん、動けています。
筋トレ・ストレッチは美容面にメリット大――素晴らしいですね。これまで運動をしてこなかったのですが、いまから始めても間に合いますか?
田中:もちろん! ぜひ思い立ったらいまから始めましょう。年齢とともに落ちていく筋肉、体力を再びつけることができますよ。私の場合もインストラクターを目指していた20代前半から今まで、体重とスタイルをキープできています。好きなこと以外は何事も継続するのは大変です。しかし、からだは"生きること"に直接関わる必要不可欠な存在。健康に、より美しく生きていくことを目標にしてみるのはどうでしょう?
――ずばり美しくなれるトレーニングは?
女性にトレーニングを薦める理由はたくさんありますが、やせやすく太りにくい、疲れにくいからだになれること。筋トレやストレッチは有酸素運動よりも成長ホルモンの分泌が多いため、筋肉、髪、爪や肌のうるおいを保ち、内面から美しくなれるなど、美容の面でもメリットが大きいのです。
皆さんにトレーニングを続けてもらうことは、私たちトレーナーの最大の課題でもあります。まずは楽しいと思えるトレーニングから取り組みましょう。自分の体重や重力を活用した、自重トレーニングが手軽ですよ。
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次回は、トレーニングに欠かせない食事のコツや、セルフケアアイテムをうかがいます。
>>後編に続く
お話を聞いた方:田中いずみ(たなかいずみ)さん
フィットネスインストラクター、NIKE 契約トレーナー、ラディカルフィットネスマスタートレーナー。フィットネスクラブ勤務後、フリーランスのインストラクターに。 フィットネスクラブやスタジオなどでトレーニング系から調整系まで幅広い指導を行う。雑誌・DVDの監修やフィットネスモデルとしても活躍。1980年生まれ。 [公式ブログ]