「野菜や果物の味をしっかり味わって欲しい。その想いが強くなったんです」と迎えてくれたのは、オーナー根津さん。
「アップルパイ」に込められた想い青果問屋の三代目でもある根津さん。どうして、アップルパイをメインのお店にしたのでしょうか?
「理由はふたつあります。私の祖父は、長野のりんご問屋でした。60数年前に、長野県から大田市場にはじめてリンゴを持ってきたと聞いています。家業を受け継ぎ、父も青果の卸をしています。なので、青果は僕にとってとても身近な存在。とくに、リンゴには深い愛着があります。
もうひとつ。お店があるこの場所は、かつてアメリカ軍の基地でした。住所も"アメリカ合衆国 カリフォルニア"だったんですよ。そこで、カリフォルニアについて調べていくと、アップルパイで町おこしをした"ジュリアン"という町があることを知りました。立川も、これからどんどん進化していく町です。だからリンゴを使って、町おこしにすこしでも貢献できればなと考えました。」
なるほど! 自慢のアップルパイは、その時期にいちばんおいしいリンゴを使っています。9月はジョナゴールド、10月は紅玉、ときには海外から入ってきた青リンゴを使い、酸味を足すことも。野菜への深い知識があるからこそ、できる素材選びです。
厳選したリンゴに、すこしの砂糖と、たっぷりのシナモンをきかせて焼き上げます。何度も、何度も試作をして、ようやく出来上がったのが甘さひかえめ、しっかりとリンゴのおいしさが感じられるアップルパイです。
アップルパイの形は、四角形。木箱の中にリンゴがたくさんつまっている様子をイメージしているそう。また、生地には全粒粉を使ってヘルシーに。
新鮮な野菜もセットで楽しめる「これまで、飲食店への卸をメインにしてきましたが、仕入れた野菜のおいしさを直接お客さんに伝えていきたいです。サラダバーにも8〜10種類ほどの野菜をそろえていて、アップルパイとセットで楽しんでいただくこともできますよ。」
と、根津さん。
現在、1歳6ヶ月の娘ユウナちゃんがいますが、愛娘が生まれて気付いたことは、立川って、意外と子どもと一緒にゆっくりできるスペースがすくないということ。そこで、
「ベビーチェアや子どもが遊べるスペースを作って、ママたちもゆっくりできる空間にしました。お店は、バリアフリーになっているので、年配の方はもちろん、車椅子の方にも入りやすい設計です。おいしいパイを食べて、ゆっくりしていってくださいね。」
晴れた日はテラス席でいただくのも気持ちが良さそうです。
住所:〒190-0014 東京都立川市緑町4-5 壽屋ビル201
電話:042-595-8375
撮影:平瀬 夏彦