今回のキーワードは「ストライクゾーン」。もともとは野球用語であるが、異性の好みを表現するときにもよく使われる。僕が紹介するのは後者の方、コミュニケーションスキルにおいての「ストライクゾーン」。
31歳 人材派遣業 しおりちゃん(仮名)の場合しおりちゃんは、企業向け人材派遣の営業マンだった。大学を卒業してから営業1本できた筋金入り営業マンということもあり、さすがの社交性を瞬時に感じた。それだけでない彼女の魅力は、僕の友人2人を相手に会話している最中に発見できた。
友人A:「しおりちゃんはどんなタイプの男性が好み?」
しおり:「年下より年上の人が好みかな。」
友人B:「他には?」
しおり:「やさしくて、子どもが好きな人。あとは、ごはんを美味しく食べてくれる人」
会話中、2人の友人は終始彼女に釘づけだった。
観察結果「ストライクゾーンを外さない会話力」なぜ、友人たちは彼女に釘づけだったのか。それは、定番中の定番「好きなタイプは?」の質問に対して、いかにも自分たちにもチャンスがあると思わせる会話術を繰り広げたからだ。
「やさしくて子ども好き」「ごはんを美味しく食べてくれる」というのは、抽象的ゆえにマジョリティに当てはまる答えだ。だから、友人たちは、ちょっとした期待をもってしまい、そのあとの彼女の会話の一言一句を聞き逃すまいと注目していた。
意外と女子は「好きなタイプは?」と聞かれたときに、少し浮かれてしまい「そんな男、中々いない」と思うくらいの条件を意識せずに口にしてしまうことがある。もしそれが本当であったとしても、合コンや飲み会の場では言わないほうがいい。
そのタイプを聞いて対象外であれば、男性はその時点で興味を無くしてしまう可能性がある。逆に「タイプはあまりない」も、柔不断な女性だと勘違いされてしまい印象を悪くする。
会話を続かせたいなら、しおりちゃんのように、男性たちにも可能性があるような錯覚トークを展開をしなければならない。おそらく、彼女は計算していたと思う。
そもそも、タイプを聞かれて本当のことを言う必要なんてない。本当のことを言っていい人は、自分にかなり自信があるタイプだけだ。それ以外の女性にとってはデメリットの方が大きい。
もし、男性から「好きなタイプは?」と聞かれた場合は、一旦、落ち着いて周りの男性をみるべきだ。そこで、最大公約数的アンサーを出すように心がけておくべきだ。