乙女のように、ドキドキワクワクする気持ち「乙女心」をいつまでも持ち続けたい。そのためのヒントを紹介する本連載「乙女心回復計画」。近頃ドキドキワクワクから遠ざかっている気がしたら、A.H.マズロー博士の「欲求五段階説」にそって、段階的に乙女心を回復させる習慣を試してみることをおすすめしています。 他人の評価に従う必要はない

前回 満たしたのは、 第三段階=「社会的欲求(帰属欲求)」でした。仲間がほしいといった、他の人と関わりたいとする欲求です。それが満たされると、次の第四段階=「承認欲求(尊厳欲求)」では、他者から認められたい、尊敬されたい、といった欲求が生まれます。つまり、自分の内心、見えない自分の心を満たしたくなるのです。

注意したいのは、他者から認められたいという欲求を満たすために、自分以外のものに答えを求めるのを避けることです。会社の人事査定、営業成績、家族における「母」として、「娘」としての役割......。こうした他人の評価が基準になって、私たちの生活が進んでいくことは往々にしてあります。通常の社会生活を送る上では、他人の評価に従わなければならない場面もありますが、自分の心まで、他人の評価に従わせる必要はまったくありません

ここでずっとお伝えしていますが、もっとも大事なのは、ときめきにセーブをかけないことです。自分のドキドキワクワクを否定しないこと。「他者から認められたい」という欲求は、あくまであなた自身の欲求です。自分の願いを満たせるのは、けして他人ではありません。あなた自身の中に眠る「乙女心」は、いくら他人からもらおうとしても、無理な話。自分の中にあるものを呼び起こせるのは、自分自身なのです。

他者に認められるための近道とは

その昔私は、携帯電話のカメラ機能がおもしろくて、気になるものは何でも写真に撮っていました。あまりにおもしろすぎたので、ふとちゃんと習ってみようと思い立ち、一眼レフカメラを使う写真教室に通いはじめたのです。カメラの"カ"の字もまったく知らない超初心者でしたが、約3ヶ月の講座に通い、一通り一眼レフカメラの使い方を覚えた状態にまではなったのです。

そのときの私は、完全に新しいおもちゃを手に入れて喜んでいる小学生男子でした。新しいおもちゃを使いたくて仕方ないのです。そこに写真の出来は関係ありません。上手く撮れようが、下手であろうが、どうでもよかったのです。

すると突然、写真が撮れて取材記事を書ける人を探していると聞かされ、その手伝いに駆り出されることになりました。とはいえ私は、記事は書けてもカメラは使い方を覚えたばかりのド素人です。立派な社会人でいたい私の中の私は、ひるみました。「いきなりそんなちゃんとした記者会見場に行って、写真なんか撮れるレベルじゃないでしょ! 迷惑かかるから、断りなよ!」。でも、私の中の小学生男子が叫ぶのです。「これってすごいよね? 仕事だから、普通は撮影禁止の俳優さんを堂々と撮っていいんだよ? 6D(Canonのカメラ。愛機です)のAIサーボの実力だって試したいよね?」と。結局、私の中の小学生男子が勝利し、現在では自分で写真を撮って取材記事を書くお仕事を任されることも多くなりました

つまり、「新しいおもちゃを手に入れて喜んでいる小学生男子」は、私のドキドキワクワクの原点です。もし私が、自分の中にいる「立派な社会人」や、「一般的な社会人としての常識」に従っていたら、確実に今の私はありません。「自分の中のもうひとりの自分自身に認められたい」という欲求を満たすことが、「他者に認められたい」という欲求を満たすための近道なのかもしれません

第四段階=「承認欲求(尊厳欲求)」が満たされると、最後の第五段階=「自己実現欲求」が生まれます。なりたい自分になるために努力し続ける。これは人が生きていくかぎり、ずっと成長し拡大していくものとされています。次回、自分の可能性を追求する最終段階の欲求を満たす方法を考えてみましょう。

>>「乙女心回復計画」#1(生理的欲求編)を読む

>>「乙女心回復計画」#2(安全編)を読む

>>「乙女心回復計画」#3(恋愛・前編)を読む

>>「乙女心回復計画」#4(恋愛・後編)を読む

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