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乾物は、台所の味方です。 「なんにもなーい」なんて、言わせませんっ。 ひじき、あらめ、干し椎茸、麩、高野豆腐、大豆ミート……。なかでもとりわけ好きなのが、切り干し大根です。
あの甘さといい、天日干しの日向の香りといい、歯ごたえといい、ついつい目がいってしまう食材のひとつです。大根の切り方によって味わいもいろいろなのもたのしい。細いものはやわらかいので炊き込みご飯に直接入れてもいいし、煮るんでも薄口醤油で上品に仕上げたくなります。
それに戻し汁こそ美味しい出汁なので、余ったら卵焼きを作るときに入れたり、手羽先を煮る際に使ったりと、利用価値大。反対に極太の割干し大根はしっかりと戻してから、米酢と醤油とにんにく、鷹の爪で漬ける。そんな、はりはり漬けは、箸がとまらぬ美味しさです。
切り干し、思えば昔から好きでした。母の作る切り干しの煮物は油揚げと人参、いんげんが入っていました。わたしの作るのは、「これ」と決まっているわけではないので、そのときどきで、じゃこを入れたり糸こんにゃくを入れたり、挽肉や厚揚げと煮たりと定番がないのでして……。
家では、大根1本の皮をむいたとき、皮だけざるに広げて軽く干します。それを刻んで塩とレモン、ターメリックで和えて、小さな鍋に油とマスタードシードを入れ火にかけます。マスタードシードがパチパチと弾けたら、油ごと刻んだ大根の皮に入れてさっと和えます。大根の皮のアチャール風。香菜があったらそれも刻んで加えるとなお。
この季節はまいにち大根料理です。不思議と飽きないものです。
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