カルシウム不足しているのに余ってしまう、皮肉なパラドックス
image via Shutterstock骨の老化に関わるというから心配です。たとえば朝起きたときに手の関節がギシギシ、なんてことを感じていた場合、もしかしたらカルシウム・パラドックスが関係していることも。
人間に欠かせないミネラルの代表格ともいえるカルシウム。ご存じのとおり、骨をつくるために欠かせない栄養ですが、一部は血液や細胞にあり、さまざまな仕事をしています。たとえばイライラをやわらげたり、筋肉の収縮にかかわったり、浸透圧を保ったり......。中でも驚きなのが、細胞の中と外でのカルシウム濃度の割合。1:10000の差を常にキープしているというからびっくりです。筋肉が動くときも、この濃度差が大きく関わっています。
それほど大事なカルシウムだけに、不足したときは、貯蔵庫である骨から溶かし出して全身に届けようとします。このコントロール役が女性ホルモン。身体のなかのカルシウム量が減ったら骨から溶かし出し、満たされたらストップする、といった具合で調整をしています。
しかし年齢を重ねてホルモン量が少なくなってくると、少々困ったことに。骨からのカルシウムが出過ぎてしまい、関節や骨、血管などにくっついてしまうことがあるのです。このようにカルシウムが不足し、骨から流れ出てしまう状態をカルシウム・パラドックス(逆説)といいます。冒頭にご紹介した関節のギシギシ感も、カルシウムが関節につくことで起こっていると考えられます。また血管にくっつくと動脈硬化の原因になったりすることも。
カルシウム不足が多いといわれる女性。にもかかわらず、血液中のカルシウムが余ってしまうなんて、なんとも皮肉な話だと思います。
カルシウム&マグネシウム補給にはゴマを食べる!
この状態を防ぐためには、とにかくカルシウムをしっかりとること。骨からの流出をブロックすることが先決となります。多い食材には牛乳などの乳製品、小魚、小松菜、ゴマ、海藻類などがあります。ポイントになってくるのが、マグネシウムと一緒にとること。カルシウムとマグネシウムはブラザーミネラルと呼ばれているほど深い関わりを持つミネラル。両方一緒にとるのが大切です。
ちなみに私が取り入れているのがゴマ。両方を含んでいるのはもちろん、食卓に取り入れやすいのが魅力です。もともとごま好きなこともあり、汁物や炒め物、あえもの、鍋料理など、何でもどっさりかけています。
食事を楽しみながらケアができるから一石二鳥。食卓からはじめてみるのもいいかもしれません。