小さいころからなら、遺伝性のアトピー性皮膚炎かもしれません。でも、大人になってはじめて現れたならば、身体の外からの刺激によるなどアトピーと別物の可能性も。皮膚科医に相談して原因を探ることも必要になってきます。
湿疹からわかる6つのこと
よくあるのは何かといえば……。「接触性皮膚炎です。さらに、よくあるタイプは貨幣状湿疹。脚にコイン状の赤みが出てくるもので、お年寄りで多くなります」とオハイオ州立大学の皮膚科医アリーシャ・プロトナーさん。
ここでは「湿疹からわかる6つのこと」を皮膚科専門医に聞いていきます(かかりつけの医師にさらに聞くようにしてくださいね)。
季節性のアレルギーかも
「花粉が多い季節に湿疹が出てくる人は珍しくありません。でも、かきたいという衝動には耐えて。かくともっと悪くなり、かゆくなるから。代わりに、ヒドロコルチゾンのクリームやセタフィル・レストラダームなどの保湿剤を」とニューヨークの皮膚科医のデビッド・E・バンクさん。
「湿疹の赤みを防いだり軽くしたりすると、皮膚のバリア機能を修復することになります。お風呂やシャワーを浴びるとき、洗浄剤やお湯などで皮がむけないようにしてくれ、皮膚の保湿につながるんです」(バンクさん)
石鹸や洗剤を切り替えて
「衣類や洗浄剤、汗も、皮膚を刺激するので湿疹につながります。何が問題か調べるには、石鹸、ウール、コロンなど刺激になりそうなものを避けること」と皮膚科医のジェシー・チャンさん。 さらに肌に成分をつけて反応を見る「パッチテスト」で調べることも可能。検査するのは、金属(スマートフォンにあるものなど)、芳香剤、防腐剤、塗り薬に含まれる抗生物質など。
食物アレルギーまたは食物不耐症がある
大豆など特定の食品にアレルギーがあったり、例えば、乳製品への不耐症があったりすると、こうした食べ物を食べたときに発症する可能性があります。「食品のせいと思ったら、経口の食物負荷試験を実施できる専門施設で診てもらうように」とチェンさん。
「発酵食品やプロバイオティックスで腸内細菌のバランスをとることも、炎症や湿疹を鎮めてくれます。ビタミンDや亜鉛のサプリメントもおすすめ。免疫系、体内の炎症反応を変化させるから。オメガ3脂肪酸が豊富な食品を食べると、腸内細菌を整えてくれて、栄養素の吸収に役立ってくれる」とチェンさん。
ストレスでいらいらしているかも
「湿疹はストレスで起こってきます。理由はよくわかっていませんが、よくあります。緊張するほど皮膚がかゆくなってくるんです。かき始めると、いつまでも繰り返してしまう」とイースタンバージニア医科大学皮膚科教授のアビー・ヴァン・ヴォーヒーズさん。 治すには、副腎皮質ステロイドの塗り薬を。皮膚に炎症を起こす抗生物質は避けます。
肌の水分不足
寒冷な気候だと、空気が乾燥して、肌の水分が奪われがち。湿疹も起きやすくなります。 「寒冷期は、肌の露出を防いで、覆ってあげて。屋外にいるときばかりではなく、室内であっても、温かくするのと同様の効果が。加湿器で湿度を上げても、症状を和らげられます。ただし、加湿器の湿度は60%以下に。湿度が高いと細菌が増殖しやすくなるためです」と認定皮膚科医アドバイザーのジョエル・シュレジンジャーさん。
「冬の湿疹への対処には、5~10分の温かい(熱くない)お湯のシャワーで、肌にやさしい石鹸を使って皮膚を洗うといいですね」(バンクさん)。
感染症または基礎疾患も影響
「まれですが細菌の感染によって湿疹が起こることも。さらに、蜂巣炎と呼ばれる重い合併症につながる可能性もあります」とプロトナーさん。
「湿疹が、身体の重大な病気のシグナルということはあまりありませんが、簡単な治療で治らないときには、医師に診てもらうのがいいでしょう。ただ、脚がはれて起こるうっ滞性湿疹は、うっ血性心不全に関連するなど、良くない兆候である可能性もあります」とプロトナーさん。
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