新月、三日月、半月、満月……どんな形をしていても、月は必ず東から昇ってきて、南の空を通り、西へ沈んでいきます。目に見えないので存在を意識することが少ない新月だって、ちゃんと空を横切っているのです。まるで新月みたいに目立たないことや、空気のような存在、何気ない日常――あまり意識していないことに光をあてるタイミングが、7月の新月です。

7月の新月:今を実感する「存在の月」

【新月の瞬間】
7月13日(金)11時48分

新月は、月が太陽と同じ方向にいるため、地上からその姿を見ることはできません。しかし、太陽の手前を月が横切ると「日食」が起こり、新月の存在をはっきりと確認することができます。

7月の新月は、オーストラリア南部などで部分日食が起こります。日本からは見られませんが、宇宙規模で考えれば日食が起こるのは事実。普段は見られない新月の一部分が、くっきりと現れるのです。そういう意味でこんどの新月は、特別といえます。

日常生活にかかわっていたり、自分を支えていたりするにもかかわらず、あまり意識していないことや視界に入っていないもの、きっとたくさんありますよね。7月13日は、そういうものやコト、人に、改めて視線を向けてみましょう。

自分があたたかな太陽となって、身のまわりに光をあててみてください。たとえば道に迷ったとき、「自分はここだ!」と叫んだところで、事態は改善されません。まずは周囲を見回し、立ち位置を確認することで状況が見えてきます。そうしてやっと、自分が進むべき道を定めることができるわけです。

自分自身を主張するのではなく、まわりをやさしく照らしてみる。「今ここ」にいることを実感し、歩む方向を気づかせてくれる特別なお月さま。それが7月の新月です。

爽やかな香りにココロを研ぎ澄ます

【ペパーミント】
・別名:セイヨウハッカ
・学名:Mentha piperita
・ティーに使う部位:葉

ミントは交配種や雑種が多く、なんと600種以上もあるのだとか。そのなかでハーブティーに用いられるのは、おもにスぺアミントとペパーミント。スペアミントより清涼感が強く、薬効も高いといわれているのがペパーミントです。

あたたかいティーをひと口飲むと、スーッとした爽やかさが喉の奥から胸いっぱいに広がるので、気分をリフレッシュしたいときに最適です。私は、アイスクリームやチョコレートのミントフレーバーは苦手ですが、ペパーミントのティーは好み。食べ過ぎて胃が重たいときや、風邪の引きはじめなどに、不思議とカラダが欲します。

ハーブを選ぶとき、その効能が気になるかもしれませんが、ティーは嗜好品ですから、五感が喜ぶもの、カラダとココロが欲しがっているものをチョイスするのが◎。香り、味わい、ティーの色などが自分好みかどうか、今の気分にぴったりかどうか。それを見極めるためにも、一度試しに飲んでみましょう。ペパーミントは、緑茶や紅茶との相性もいいので、ブレンドして飲むのもおすすめですよ。

ところで、ミントにはこんな神話があります。

冥界の王・ハデスは、美しい精霊・メンタ(menthe)に魅了され、愛するようになります。それを知ったハデスの妻は嫉妬に狂って、メンタの美しい姿を草に変えてしまいました。草になってしまった自分の存在を周囲に知らせるために香りを放ったという植物がミント。その名前はメンタに由来するといわれています。

新月の日、ペパーミントの香りに包まれながらティーを飲めば、ココロが研ぎ澄まされて、今の自分をより深く見つめることができるような気がします。

7月13日(金)の夜:七夕の星に願いをかけて

「今ここ」にいることを実感して、自分を深く見つめることができたなら、ココロの底から湧き上がってくるものがあるかもしれません。それがネガティブなものでも、ポジティブなものでも、一歩を踏み出すための「願い」に変換して、夜空の星に託しましょう。

7月13日(金)の21時頃、東の空を見上げると、明るい星が輝いているのがわかるはず。その星は、こと座の「ベガ」。七夕の織姫です。織姫を正面に見ながら、視線を右下に移していくと、わし座の「アルタイル」を見つけることができます。それが、彦星です。

7月7日の七夕は過ぎてしまいましたが、織姫も彦星もまだまだ見頃。新月という、月明かりのない夜には、いっそう美しく輝きを放ちます。さあ、2つの星に願いをかけて。その願いが、いつか叶いますように。

次回は、7月の満月。7月28日(土)です。

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イラスト/カイフチエリ

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