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予防のためにやった方がよいことは? 乳がんにならないための10カ条
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予防のためにやった方がよいことは? 乳がんにならないための10カ条

2018-08-15 20:30
    初めてブラを買ったとき、自分の乳房に対する思いはたいていふたつにひとつ、好きか嫌いかのどちらかでしょう。10代の間ずっと、乳房を見れば、自分がまだ見習い中の女性であると再認識させられます。もっと大きくなってと願い、そしておそらくはある時点で、もう大きくならないでほしいと思ったかも。頭のなかにはきっといろいろな不安が……。どうして左の方が右より大きいの? どうして彼女みたいに丸くないの? 何だか垂れてきたみたいなのはどうして?

    でも、乳房にどれほど複雑な思いを抱いていようと、やはり自分のキャラクターの大切な一部。乳がんになったらと考えるととっても怖いのは、そのせいもあるかもしれません。乳房は、体重増加、ホルモンの変化、妊娠などのサインを示し、健康状態についてたくさんのことを教えてくれます

    塊やしこり? それはもっと不吉なサイン。乳がんを示す場合があることはもうご存知ですよね。アメリカがん協会(ACS)によると、皮膚がんを別にして、乳がんはアメリカ人女性の8人に1人がかかる最も多いがん。

    しかし希望もあります。乳がんになる人、そして乳がんで命を落とす人は、かつてないほど少なくなっているのです。がん予防の取り組みについての本、『A World Without Cancer(がんなき世界)』の著者で医師のマーガレット・I・クオモさんによると、「がんは避けられないものではありません。女性は自分で思っているよりもずっと、がんをコントロールできます。朝目が覚めてから1日にやることのすべて……何を食べて飲むか、運動をするかしないか、BPA(ビスフェノールA)やパラベンなど発がん性の化学物質を避けるかどうかなど、あらゆる行動が、がんにつながるものも含めて身体の中にある遺伝子のスイッチをON/OFFする要素なのです。ヘルシーなライフスタイルに変えれば、乳がんだけでなく多くのがんのリスクを大きく下げられます

    残念ながら、乳がんの最大のリスク要素は女性であること。こればかりは変えられませんが、乳がんになる確率を下げるためにできるいろいろな行動があります。次に、その10カ条をご紹介しましょう。

    1. 自分の乳房がどれくらい「高濃度」なのか知る

    重要な理由:

    「高濃度」とは、乳房に脂肪よりも乳腺組織が多い状態。高濃度乳房(デンスブレスト)なのかどうか知ることは、自分を守るための最新の方法です。デンスブレストは若い女性に多く、マンモグラフィーでがんが検出されにくくなります。脂肪は黒っぽく映りますが、乳腺組織と腫瘍はどちらも白っぽく映るからです。

    もっと重要な点として、デンスブレストの人は乳がんになるリスクが6倍も高くなります。理由は専門家にもわかっていませんが、乳房の濃度測定が標準化されていないため、医師のスコアが主観的になりがちなせいかもしれません。

    アメリカでは大半の州で、医療提供者にマンモグラフィー報告書で乳房濃度の情報を提供するよう定めた法律があります。ほかの州でも、同様の法律を導入しようと取り組み中。

    乳がん検診を受けても発見できないおっぱいのタイプがある

    今回は、「乳がん検診のマンモグラフィではがんが見つからないおっぱい」について女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。 https://www.mylohas.net/2018/07/strategy28.html?test201808

    行動:

    乳房濃度が低くても、やはり定期的な検査は必要。高い場合、低くする方法はありませんが(でも、乳房濃度は年齢とともに低下する傾向)、定期検診にMRIや超音波検査を加えて詳しく調べられるように、主治医と相談してみましょう。マンモグラフィーを従来のアナログタイプからデジタルタイプに変えることも可能。デジタルタイプはコントラストが高いので、高濃度の乳房組織でも異常が見つかりやすくなります。

    2. 身体を動かす

    重要な理由:

    運動すると、乳がんから身を守る効果があるようなのです。まず、体重管理に役立ちます。アメリカがん協会の研究によると、18歳以降約9.5〜13.5 kg体重が増加した女性は、増加が約2.5 kg以下にとどまった女性と比べて、乳がんになる確率が40%高かったそう。

    それはエストロゲンのせいです。細胞を成長させすぎるため、乳がんにもなりやすくなる結果に。閉経前、エストロゲンの大部分は卵巣で作られますが、閉経後には卵巣が作るのをやめ、ほとんど脂肪組織が作るようになります。つまり、身体に脂肪が多いほど、エストロゲンが増えるわけ。

    第二に、がんの専門誌『キャンサー・エピデミオロジー・バイオマーカーズ&プリベンション』誌で報告された研究の結果、運動はエストロゲンの代謝を変化させるとわかりました。簡単に言うと、定期的に運動した女性では、DNAを傷つける「悪い」エストロゲンに対する「よい」エストロゲンの割合がおよそ25%増加したのだそう。「過去の研究によると、この割合が大きいほど、乳がんのリスクが低くなります。運動しない女性では、この割合は変化しませんでした」と、この研究の共著者で博士、ミネソタ大学内科学教授のミンディ・クルツァーさん。

    行動:

    アスリートのようなトレーニングを始めなければならないという意味ではありません。実際、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が行った大規模な研究、「ウィメンズ・ヘルス・イニシアティブ(WHI)」によると、毎日1時間25分〜2.5時間、早歩きに取り組んだ女性は、そうした活動をしていなかった女性に比べて、乳がんになるリスクが18%低かったのです。乳がん、そしてすべてのがんから身を守るために、アメリカがん協会は中程度の強度の運動を毎週150分(1日30分を週に5回など)行うようすすめています

    3. 家族のがん既往歴を知る(父親側も)

    重要な理由:

    乳がんを含めて、すべてのがんのおよそ5〜10%が遺伝性。さまざまな変異遺伝子により次世代に伝えられます。父親の家系も、母親と同じくらい重要。

    ほかのがんの家族歴も調べましょう。BRCA1とBRCA2の変異は乳がんだけでなく卵巣がん、すい臓がん(男女とも)、早期前立腺がん、精巣がんのリスクも高め、男性も持っている可能性があります。アメリカ国立がん研究所(NCI)によると、BRCA1の変異を受け継いだ女性のおよそ72%、BRCA2変異を受け継いだ女性のおよそ69%が、80歳までに乳がんになると研究で証明されているそう。

    どちらかの家系にがんになった人が何人もいると、遺伝の疑いが強くなりますから、2親等、3親等の血縁者も必ず調べます(つまり、おじさんやおばさん、いとこなど)。

    行動:

    心配になるような家族歴があったら、遺伝学の専門家に協力を求めます。フロリダ州ライトハウス・ポイントに住むダンス教師のスザンヌ・シテールさんは、家族のがん既往歴を調べ(母親は乳がんで若いうちに亡くなり、母親側の祖父母と母親の兄弟姉妹2人も、すべてさまざまながんで亡くなっていました)、遺伝カウンセラーに相談したところ、検査をすすめられました。その結果、自分もBRCA2変異を持つとわかったので、予防的両側乳房切除という厳しい決断を下しました。

    「遺伝学はとても複雑です。遺伝カウンセラーはあなたのリスクに関する最も正確な最新情報を教えてくれるだけでなく、遺伝子検査が適切かどうかの判断も手助けしてくれます」と、乳がん/卵巣がんのリスクが高い人を支援する全国ネットワーク、「FORCE」の創設者で所長のスー・フリードマンさん。「そして、検査した方がよいとなったら、検査結果とそれに基づく選択肢をきちんと理解する手助けもしてくれます」

    4. 不必要な検査は避ける

    重要な理由:

    マンモグラフィーは乳がんを見張る主要な検査ですが、皮肉なことに、マンモグラフィーも含めて多くのハイテク検査で使われるタイプの「電離放射線」は、細胞のDNA変異の原因となるおそれがあるため、乳がんの危険因子なのです。

    だからと言って、マンモグラフィーはやめた方がいいという意味ではありません。「マンモグラフィーに使うのはごく少量の放射線ですし、一般的なガイドラインに従う限り、問題にはなりません」と、アメリカ国立がん研究所(NCI)疫学・生物統計プログラムのディレクターで医学博士のロバート・N・フーバーさん。「毎年の歯のレントゲン検査や空港のセキュリティ検査も同じです。医師が何らかの理由で診断のためにレントゲン検査が要ると言ったら、最小限の放射線がもたらすリスクよりも、医学的な問題を調べる方が重要ということです」

    ただし、例外があります。以前にホジキン病や非ホジキンリンパ腫などのがんで胸部に放射線治療を受けた女性は、乳がんになる確率が大幅に高くなっています(受けた放射線の量が多いほど、また治療を受けた年齢が若いほど、高リスク)。

    行動:

    一般的に、アメリカ食品医薬品局(FDA)によると、レントゲンは「指示した医師が臨床的な問題の答えを得るため、または病気の治療の指針とするために必要と判断する」場合にのみ行うべきだそう。レントゲンが必要と医師に言われたら、その理由を必ず理解して。それでもまだ必要かどうか不確かであれば、セカンドオピニオンを求めます。

    5. ホルモン補充療法を制限する

    重要な理由:

    先ほども引用した研究、「ウィメンズ・ヘルス・イニシアティブ」によると、例えば更年期症状を和らげるためなどで、エストロゲンとプロゲスチンの併用療法を長期間行うと、乳がんのリスクが24%増えるそう。

    ホルモン療法(HT)を受けている平均的な女性は、乳がんリスク増加の可能性とQOL(生活の質)を秤にかけて、使用期間を制限する方がよいでしょう」と、ニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの乳腺外科医で医学博士のメアリー・L・ジェミニャーニさん。「でも、乳がんのリスクが著しく高い女性は、卵巣を摘出していて手術による閉経(エストロゲンが作られない状態)に入っていない限り、できるだけホルモン療法を避けるべきです」

    行動:

    乳がんのリスクがとても高い(例えば、強い家族歴があるなど)場合を除き、ホットフラッシュなどの不快な更年期症状を管理するためにホルモン療法の利用について主治医と相談できます。ただ、効果的な最小限の用量を決めて、なるべく短期間にとどめる方がよさそう。

    ホルモン療法を受けるなら、3〜6カ月ごとに主治医が決定を再評価するよう、アメリカ国立衛生研究所(NIH)はすすめています。ホルモン療法を受けないことにするなら、更年期症状を管理するためのほかの方法について主治医と相談しましょう。

    6. 母乳育児を検討する

    重要な理由:

    栄養学の専門誌『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』誌で報告された最近の研究によると、子どもが生まれた後6ヵ月間一貫して母乳育児した女性は、そうしなかった女性に比べて、がんで亡くなるリスクが10%低かったそう。ひとつの理由は、母乳育児中は生理が来ない人が多く、一生の間の生理の回数が減るために、身体が受けるエストロゲンの量が減ること。

    行動:

    母乳育児がリスクを下げるというデータは相当に多いのです。可能であれば、試してみる価値はあります」と、アメリカがん協会の最高医務責任者でアメリカ内科学会最高栄誉会員のオーティス・ブローリーさん。言い換えると、赤ちゃんには「母乳がいちばん」と、専門家が言うのを聞いたことがあるでしょうが、母親にとってもいちばんだという証拠が増えたわけです。

    7. 毎日、正しい食べ物を食べる

    重要な理由:

    食事ががんのリスクに影響するという有望な研究結果が続々と出ています。例えば、ハーバード大学の最近の研究によると、リコピンとベータカロテンを含むカロテノイドが血液中に多い女性は、少ない女性より乳がんのリスクが19%低かったそう。抗酸化成分として作用する鮮やかな色素、カロテノイドは、葉物野菜やニンジン、サツマイモ、トマト、赤ピーマンなどの野菜と果物に含まれます。カロテノイドをたくさんとった女性は、「エストロゲン受容体陰性乳がん」(転移する場合が多い)のリスクがさらに低い結果でした。

    ブロッコリーのようなアブラナ科の野菜に含まれるスルフォラファンなど、ほかの植物性栄養素も、乳がんから守ってくれると研究で証明されています。

    行動:

    アメリカがん協会の推奨によると、あらゆるタイプのがんのリスクを下げるためには、1日に少なくとも2.5カップの果物と野菜を取り、加工肉と赤身肉を制限し、穀物は全粒タイプにします。

    そして、アルコールは1日1杯までに。ビールなら約350ml、ワインなら約150ml、ウイスキーなどの強いお酒なら30〜45ml。1日におよそ3杯飲むと、まったく飲まない人と比べて、乳がんのリスクが1.5倍になります。

    8. 早期に検出する

    重要な理由:

    早期に発見されれば、乳がんの経過はたいていとても良好。アメリカがん協会によると、早期に発見されて、乳房のみにとどまった乳がんの5年生存率は99%です。

    行動:

    平均的なリスクの人(家族に病歴がない)であれば、アメリカ予防医学専門委員会(USPSTF)が推奨しているのは、50歳から始めて1年ごとか2年ごとのマンモグラフィーと視触診による乳房検診。アメリカがん協会などのほかの専門家/機関は、40代初期にマンモグラフィーを始めるようすすめています。主治医と相談して、自分に適したプランを決めましょう。 普段、自分の乳房がどんな感じなのかよく知っておきます。そして見かけや手触りに何か変わったところがあるなら、主治医に伝えて。乳首の出血やかさぶたのような表面の変化に気づいた場合、痛みを覚えた場合も、主治医に知らせます。 リスクの高い女性は、もっと早くから検査を始めて、もっと頻繁に受けてもよさそうですし、MRI検査も検討してみます。

    しこりだけじゃない? 疑うべき乳がんのサイン4つに気をつけて

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    9.リスクが高い人は、特別な方法を加える

    重要な理由:

    アンジェリーナ・ジョリーが、BRCA変異を持っているとわかったので予防的乳房切除を受けたと発表したとき、「プリバイバー(previvor)」という言葉が聞かれました。「プリバイバー」は、遺伝子変異がある人に限らず、がんになったことはないけれどリスクの高い人のこと。その場合、確かに予防的乳房切除は大幅にリスクを下げますが、ほかにも選択肢はあります。

    行動:

    ノースカロライナ州クレイトンに住むジル・アマヤさんは、乳がんになった近親者と同じBRCA変異を持っているとわかり、6カ月ごとに胸部MRIとマンモグラフィーを交互に受けはじめました。「こうして見張っていれば安心感が得られますし、何か検出されたとしても早期でしょう」と、ジルさん。

    アメリカではタモキシフェンのような、リスクを下げる化学的予防薬と、綿密なモニタリング、ライフスタイルの変更を組み合わせる女性もいます(乳房の自己検査も忘れずに)。ほかのプリバイバーとつながるには、支援団体のFORCEやBright Pinkのサイトもあります。

    10. サバイバーのための再発予防プラン

    正しく食べ、運動して、健康的な体重を保ち、検査を怠らなければ、再発を防ぐために役立ちます。超音波検査やMRIの追加検査についても、主治医と相談しましょう。

    乳がんの治療のためにタモキシフェンを服用している場合、長く続けるよう主治医からすすめられる可能性もあります。アメリカ臨床腫瘍学会の年次会議で最近報告された研究によると、タモキシフェンを5年ではなく10年間服用した女性は、再発のリスクが大幅に下がったそう。

    まだやっていなければ、遺伝カウンセラーに予約を入れることを検討。あなたの乳がんが遺伝子変異に関連しているとわかったら、血縁者も乳がんや卵巣がん、ほかのがんのリスクが高い可能性があります。

    最後に、ほかの健康面もなおざりにしないように。「乳がんと診断されたら、そこに集中するのは当然です。でも、サバイバーになったら、定期的な婦人科/皮膚科の受診や、いろいろな定期検診を続けるなど、ほかの健康面を忘れないことが大切

    乳がんのリスクを下げるには?

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    Dina Roth Port/10Ways to Keep Breast Cancer Out of Your Future
    訳/STELLA MEDIX Ltd.

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2018/08/173179breast_cancer.html
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